習い事、ダイエット、エクササイズ、勉強。何か新しいことを始めてみても、長く続いたためしがない……。そんな自分の「飽きっぽいところが嫌だ」と思っている人は少なくないはず!
しかし、No.1習慣形成コンサルタントの吉井雅之さんは「飽きっぽい」という言葉にマイナスのイメージを抱く必要はないと言います。それだけいろいろなモノやコトに興味がある人だとも言えるということ。
ただ、もうすぐ新年。せっかく挑戦してもすぐ挫折するのはもったいないですよね。そこで吉井さんに、飽きっぽい人が無意識にやっているNG習慣を教えていただきました。来年こそは自分を変えたいと思っているなら、ぜひ以下の7つを改めてみましょう!
長続きしない人が無意識にやっているNG習慣7選
■1:未来のワクワク感が疎かになっているのはNG
長続きするためには未来のことを具体的にイメージすることが大事だと、吉井さんは言います。
「何かを始めたいときはピンときて始めると思います。しかし、長続きしない人はそれをやった後、自分がどうなっているかまで考えていないんです。
痩せたいと思ってサプリメントを買ったりするけれども、では痩せてどうなりたいのか? 例えば、痩せて、このブランドの服が着たいと思った場合、それを買うお金も、その服に見合う自分もできていないといけないですよね。
自分はどう見られたいのか。どのステージに行きたいのか。具体的にイメージを描きましょう。仮に男女ともに慕われる私、社会の中で活躍している私、といった社会の中での自分のイメージを描いたとしたら、それが楽しいかどうか、ワクワクするかどうかを考えてみてください」(吉井さん)
挫折するのは、未来が見えなくなっている状態。飽きそうになったら、続けることで手に入る素敵な自分を絵にしてみてはいかがでしょうか。
■2:日々が当たり前と感じてトキメキを忘れがちになっているのはNG
また、「初心を忘れたらあかん。感謝を忘れないこと」と吉井さん。ベーシックなようですが、とても大事だとか。
「ドキドキすると良いホルモンが出ます。例えば恋をするのもそうですよね。そうすると肌の調子が良くなるし、笑顔も増える。でも、それが当たり前と思うと、ときめかないんです。
業務だけで考えると、『やってもらわないと困る』と思ってしまいがちですが、それでは長続きしません。惰性になってしまう。部下がなんでもしてくれるのは当たり前じゃないんです。
部下を人間として扱おうとするその心からは感謝の気持ちが出てきます。朝礼やミーティングでも相手に感謝を伝え、『このメンバーで結果を出したい』という気持ちを伝えましょう。どれだけうれしいと思えるかをイメージしてください」(吉井さん)
また吉井さんによると、「モテる人は営業上手」なんだとか。
「お客様と会えるということをトキメキと感じられるといいですね。例えば、明日、取引先の誰々から電話がかかってくる、それが『うれしい』と思うのは自分の勝手ですし、『私には無理』と思うよりも、『楽しいうれしい』と思っている方が長続きします。と、トキメキやワクワクが大事なんです」(吉井さん)
まずは、初めたばかりのころを思い出すこと! 仕事なら、初出社日の思い出を振り返ってみましょう。
■3:「自分に厳しく」を勘違いしているのはNG
自分は三日坊主だと自覚している人も多いのでは? でも、吉井さんは「3日続いたことがすごい。たとえ4日目にできなくても、5日目にまたやれるかどうかなんです」と言います。
「完璧にしないといけないと思うから続かないんです。世の中に完璧な人なんて、そんなにいないですから。私はカスタネット理論と呼んでいますが、打って打って休んで、休んでしまったらまたやろう。やろうとしている自分を抱きしめてあげるくらいの気持ちでやったほうがいいでしょう。
飽き性だと思われない方法は、何もしないこと。それなら絶対に失敗しません。でも、続かないということは、やろうとしている、チャレンジしてるということです。楽しいことは勝手に続いているものではありませんか? だから、いかに楽しいと思えるかが重要なんです。
自分に厳しいと『〇〇しなければ』と思ってしまうけれども、そういうマイナスワードは自分にも良くないし、相手の足も引っ張ってしまいます。一勝九十九敗で一勝でもしたらいいと思えるか。やろうと思った自分を受け入れてあげてください」(吉井さん)
できなかった自分を責めるのではなく、できた自分を褒めてあげる。自分を温かい目で見守ることが必要かもしれないですね。
■4:「飽きっぽい」という言葉で自己暗示をかけているのはNG
吉井さんによると、「飽きっぽい」という言葉は発した人に返ってくるそうです。
「脳は喋ったことを自分のことと認識してしまいます。だから、『人の悪口なんていうものじゃない』っていうのは、人からも悪口を言われるという意味ではなくて、自分の脳がその悪口を自分に言われたと認識しまうので、もっとそういう自分になってしまうんです。『続かないな』と思いながらやっているから、続かなくしている。自分がそうしてしまっているんです」(吉井さん)
ことあるごとに、「私はやり遂げる能力が高い人なんだよな~」と思うようにしてみましょう。
■5:他人と自分を比べ過ぎているのはNG
続かないのは、無意識のうちに誰かと比較している習慣も原因のひとつだそうです。
「人を目標とするとか、リスペクトするのはいいことですが、『あの人はずるをしている』と批判していては、絶対にうまくいきません。他人と比べる必要はないんです。
あの人がどうだこうだと他人の話ばかりしている人は、とっつきにくいですし、たとえ能力があったとしても、一緒に仕事したいと思わないでしょう。比べたいなら、過去の自分、昨日の自分より今日の自分が進歩しているかを考えてください。
『私なんて』という人と誰も一緒に仕事したいとは思わないでしょう。『できることは全部やります』『あなたと成長したい』そういう風に言ってくれる人と仕事をしたいと思うのではないでしょうか。そういう人には人が集まってきます。人を集める力をもつ人になりましょう」(吉井さん)
自分ができなかったところばかりピックアップするのではなく、良いところを探したいものですね。
■6:3D(でも・どうせ・だって)が枕詞になってしまっているのはNG
また、吉井さんによると「言葉は0.5秒の勝負」だそうです。「でも・どうせ・だって」をついつい使っていると怖いことが……。
「そんなつもりはないと思っても、喋ったら自分で自分の脳を洗脳してしまうんです。『水を飲んでも太る』とよく言いますが、それは口に出して言うことで、脳のホルモンが働き、本当に太ってしまうんです。自分でそういう状況をつくってしまっているんですね。だから、いらんこと言ったらあかん。自己暗示が大事です。
『でも・どうせ・だって』を使ってしまうのはしょうがないのであれば、『でも……』の後にすぐ『と思ったけれども……』と話を変えていきましょう。『だって〇〇だから』ではなく、『どうやったらできると思う』と言葉で先に言ってしまえば、やることを考えると思います。
できないかもしれないということは置いておいて、こういう考え方もできると、前向きにできる方法を考えてみましょう。嘘でも、たとえ本当には思っていなくても言葉に出すと、それは現実になるんです。暴走族は取り締まられますが、妄想族は取り締まられません」(吉井さん)
否定的なことを言ってしまったら、「と思ったけれども」とすぐに打ち消し言葉を口にする。これを習慣づけるだけで、三日坊主が卒業できるはずです。
■7:ギリギリまでやる気が起きないパターンにはまっているのはNG
最後は、先延ばし症候群。吉井さん曰く、ギリギリまでやらない人は「自分はやったらできる」と思ってしまうから、実は自己中心的な人なのだとか。その性格が長続きしない原因となるそうです。
「本当にできる人は最初にやっておいて、後で見直したり、修正したりします。例えば、金曜日が期限と言われて木曜にやり始める人は、大成功はしないでしょう。もし1日や2日前に課題を提出したら、相手に検討する余裕を与えるので喜ばれます。
常にその仕事の次を考えましょう。自分のしてほしいことを相手にする。それがお互いに良い効果をもたらし、いいビジネスパートナーになれるでしょう。そうすれば、人間関係もその他のことも長続きします。上司から可愛がられるとか気にかけてもらう人というのは、美人とか、かっこいい人ではなく、相手のことを思いやれる人です。ギリギリくんはやめましょう」(吉井さん)
自己中心的な考え方が、実は挫折につながっていたとは驚きですよね。前倒しを習慣にして、相手を喜ばせることを第一優先する。それが自己肯定心を高めて、飽きっぽい自分を変える一歩になりそうです。
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飽きっぽい人なら、どれもこれもすぐにでも改めたいことばかりでしたね。もちろん、最初から完璧にできなくても大丈夫です。少しずつできるところから始めて、ワンランク上の自分を目指していきましょう!
『習慣が10割』吉井雅之・著 すばる舎刊
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- あわいこゆき