「ソースの二度づけ禁止」は、大阪の串カツ屋のルールとして有名ですが、串カツを食べるときには他にはどんな点に注意すればよいのでしょうか?

もちろん、串カツはカジュアルな食べ物なので、堅苦しいマナーにこだわるよりも楽しんで食べるのが一番。とはいえ、知らずに無作法をやらかして、一緒に食事をしている人に不快感を与えたり、お店の人に迷惑をかけたりするのは避けたいですよね。

そこで、今回はマナー講師の金森たかこさんから、串カツを食べるときのNGマナーについて教わりました。

串カツを食べるときにやってはいけないマナー違反行動8選

■1:ファーストオーダーから1本ずつ注文するのはNG

ファーストオーダーでは3~5本程度頼もう

串カツでは自分の食べたいものを1本単位で選べるのも魅力のひとつ。とはいえ、お店に入って最初のオーダーから1本ずつ注文するのはあまりおすすめできません。

「最初から1本ずつ頼んでも全く問題ないお店もあるようですが、お店側の手間を考えれば、やはり最初は3~5本くらい頼んだほうがよいと思います。追加の注文は1本ずつでもOKです。

なお、初めてのお店でどれを選べばいいのか迷ってしまう場合、コースやセットを頼むのもよいでしょう。コースやセットはその店のおすすめをそろえていることが多いので、まずはそちらを試してみて、自分の好みを見極めていっては?」(金森さん)

何を頼むかはお店に行ってその場で決めてもいいですが、ネットなどでメニューが確認できるのであれば、最初に頼む3~5本を事前に決めておくのもいいかもしれませんね。

■2:ソースの二度づけはNG

ソースの二度づけは厳禁

冒頭でも紹介した有名なルールですが念のためおさらい。大阪の串カツ屋では、ソースをつける容器を周りのお客と共用するので、衛生上ソースは食べる前に1回だけというのが鉄則です。ちなみに、1回だけでソースが足りない場合は、添え物のキャベツでソースをすくって串カツにつければよいとのこと。

では、ソースの容器が共用ではなく、自分専用のソース皿がある場合にはどうなのでしょうか?

「自分専用のソース皿があれば、二度づけ禁止とまではいえません。とはいえ、串カツのソースは味が濃いので1回つけるだけでも十分だと思いますし、何度もつけると衣がはがれてきてソースも汚れやすいです。自分専用のソース皿があっても、適量を心がけましょう」(金森さん)

おいしく食べるためにも、ソースはつけすぎないようにしましょう。

■3:箸でキャベツを食べるのはNG

口の中をさっぱりさせるだけでなく、ソースサーバーにもできるキャベツ。そんな串カツに欠かせないキャベツですが、実は箸を使って食べてはいけないというルールのお店もあるのです!

「『キャベツは手にとって食べてください』と明確にルールを定めているお店もあります。というのも、キャベツにソースをつけるときにお箸を使っていると、口をつけたお箸を共用のソース容器に近づけることになって、2度づけの串カツと同様に不衛生だからです。

本人がソース容器に箸をつけないように配慮していたとしても、周りのお客さんからは不衛生だと誤解されてしまう恐れがあります。串カツ屋でキャベツにソースをつけて食べるときはキャベツは手で持って食べるようにしましょう」(金森さん)

お店のルールはお客さんに見えやすいように貼り紙などで示されています。食事の前に店内をよく確認しましょう。

■4:キャベツのおかわりを頼みすぎるのはNG

キャベツばかり食べるのは失礼

無料でキャベツがおかわり自由な串カツ屋は数多くありますが、無料をいいことにキャベツをたくさん食べすぎると、同席者にもお店の人にも白い目で見られるのは必至。また、たとえキャベツが有料のメニューであったとしても、串カツをさしおいてキャベツばかりを食べるのはお店の人に失礼に当たります。

「串カツ屋のメインは串カツであって、キャベツはお口直しにすぎません。お金を払っているのだから何をどう食べても自由……というのではなく、串カツを食べる合間にキャベツを口にする程度にとどめましょう」(金森さん)

健康のために揚げ物と一緒に野菜を食べるのはいいことですが、外食時は適量を心がけましょう。

■5:具を串から一気にはずそうとするのはNG

串からはずす? 串から直接食べる?

串から直接食べるのか、串からはずして食べるのか? 串カツだけでなく焼き鳥でもよく議論になるテーマですが、金森さんによれば、どちらでもよいとのこと。和食やブロシェットは串から抜いて食べますが、串カツや焼き鳥は串から直接食べても、串からはずしてもよいといいます。自分の食べやすい方法で食べましょう。

ただし、うずら串のようにカツが連なって複数ついているものを根元から一気にはずそうとするのは危険!

「カツを串からはずすときには、串先を皿につけてひとつずつはずしていきましょう。串先を皿につけず、さらに根元から一気にはずそうとするのは粗相のもとです」(金森さん)

はずして食べる派の人は、一気にはずそうとするのではなく、ひとつずつ丁寧にはずしまそう。

■6:串の根元のカツを歯で引き抜くように食べるのはNG

串から直接食べる派の人は、根元のほうのカツをどのようにして食べていますか? いくら串カツがカジュアルな食べ物といっても、カツを歯で串の根元から引き抜くように食べるのは、いささかワイルドすぎてNGです。

「串の下のほうのカツは、串を横にして半分ずつ食べます。手前の半分を食べたら串を半回転させてもう半分を食べるという方法です」(金森さん)

串の根元のカツは上記の方法でエレガントに食べましょう。

■7:食べかけの噛み口を人に見せるのはNG

ひと口で食べきれない串カツはどう食べる?

洋食でも和食でも、料理はひと口サイズに切り分けて、ひと口で食べきるのが食事マナーの基本。ところが、串カツではれんこんなど、ひと口で食べきれない具材も多々あります。

串カツをひと口で食べきれないのは致し方のないことなので、噛み口を人に見せないようにすることだけは気をつけましょう。例えば、食べかけの串カツを持ったままおしゃべりすると、うっかり噛み口や串の先端を相手に向けてしまう恐れがあるので、会話するときは串を一旦置くのが無難。

「正式な和食のマナーでは、ひと口で食べ切れない場合、噛み口の歯型の部分を少しずつかじる忍び食いという作法もあります。ただ、カジュアルな串カツでそこまでする必要はありませんし、忍び食いをするとかえって不審に見えてしまう恐れも。ひと口で食べきれないものは、噛み口を自分の側に向けることを心がけましょう」(金森さん)

カジュアルなお店でも、誰かと串カツを食べるときは噛み口の向きに気を付けたいですね。

■8:食べ終わった串を散乱させるのはNG

皿の上に食べ終わった串を散乱させては、がさつで残念な印象に。もし串入れがなければ皿の一箇所にまとめておくのがマナーです。

「お店によっては、串の本数でお会計をすることもあります。立ち食いの串カツ屋などでは、うっかり床に串をポイ捨てしてしまう人もいるようですが、お店の迷惑になってしまうのできちんとまとめておきましょう」(金森さん)

多くのお店は串入れがありますが、たまたま座った席にないこともあるかもしれません。そのときはお店の人に聞くか、串をまとめるための皿を頼むのがよさそうです。

串カツはカジュアルな食べ物といっても、周囲の人への気遣いは忘れないようにしたいものですよね。格式あるお店だけでなく、気軽に食事できるお店でも、マナーはしっかり守りましょう。

金森たかこさん
マナー講師、話し方マナーコミュニケーション講師
(かなもり たかこ)一般社団法人マナー教育推進協会代表理事副会長。ウイズ株式会社社長。officeT代表。大阪府出身、京都市在住。大手食品メーカー人事部にて人材育成・秘書業務などに携わった後、フリーアナウンサーとして独立。その後、マナーコンサルタント西出ひろ子氏に師事し、ビジネスマナー講師として、企業、行政機関、教育機関、病院・歯科医院などの医療機関にて、講演・研修・コンサルティングを行う。著書に『入社1年目ビジネスマナーの教科書』『入社1年目 人前であがらずに話す教科書』(2冊とも西出ひろ子監修)がある。
ウイズ
この記事の執筆者
TEXT :
Precious.jp編集部 
2019.1.9 更新
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
中田綾美
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