2019年1月14日(月)から1月17日(木)まで、スイスはジュネーブで開催された時計界の祭典、SIHH(SALON INTERNATIONAL DE LA HAUTE HORLOGERIE)。

世界中からバイヤーやジャーナリストが集うこの一大イベントに合わせ、ジュネーブの街ではSIHHの会場外でもラグジュアリーメゾンのエキシビションが開かれ、新作時計の競演が繰り広げられました。

カラフルな「色の魔法」で華やぐ「フランク ミュラー」

ジュネーブ市内から車で30分ほどの郊外、大きな邸宅が立ち並ぶジャントゥ。フランク ミュラーは、この町のレマン湖を望む広大な本拠地・ウォッチランドで、毎年独自の展示会WPHH(World Presentation of Houte Horlogerie)を開き、バックス&ストラウスやクストスといった同グループのブランドとともに新作時計を発表しています。

今年で22回目の開催となったWPHH。

メンズ、レディースともに、そのウォッチメイキングの原点であるエモーションを秘めた新作が出そろいました。

今回着目したいのは、綺麗色で彩られたレディースウォッチ。前回、リシャール ミルやオーデマ ピゲ、カルティエなどの新作を、「カラフル」というキーワードでピックアップしましたが、フランク ミュラーでもこのトレンドが百花繚乱! WPHHを訪れたジャーナリストの間でも、洗練された色使いの妙が高い評価を集めました。

『ヴァンガード レディ クレイジー アワーズ』、『トノウ カーベックス クー ダイヤモンド』、『ハート トゥ ハート』の3モデルでの展開となった2019年のレディースウォッチの新作は、すべてフランク ミュラーらしいアイコニックなトノー形のケース。それぞれ異なるアプローチで、豊かな創造性を存分に発揮しました。

■1:ランダムな数字の間を針がジャンプする「クレイジー アワーズ」初のレディースモデルが誕生!

●時計『ヴァンガード レディ クレイジー アワーズ』価格未定 ●ケース:ホワイトゴールド ●ケースサイズ:縦42.3×横32㎜ ●ストラップ:クロコダイル×ラバー ●自動巻き ※発売時期未定(フランク ミュラー ウォッチランド東京)
●時計『ヴァンガード レディ クレイジー アワーズ』価格未定 ●ケース:ホワイトゴールド ●ケースサイズ:縦42.3×横32㎜ ●ストラップ:クロコダイル×ラバー ●自動巻き ※発売時期未定(フランク ミュラー ウォッチランド東京)

従来の『トノウ カーベックス』よりふくよかなフォルム、ラグをなくした一体型のケースが特徴の『ヴァンガード レディ』。2014年の発表以来、アイコンのひとつとして定着したこのコレクションに、レディースウォッチ初となる『クレイジー アワーズ』の哲学をペアリング。

ランダムな数字の間を針がジャンプし、「時間は規則的に進む」という固定概念から解放する遊び心いっぱいの複雑機構に、カラフルな「色の魔法」をかけています。フェミニン&リッチに仕上げたワンランク上の機械式時計です。

■2:コンテンポラリーなハートモチーフが「大人のかわいさ」を体現

●時計『トノウ カーベックス クー ダイヤモンド』¥2,250,000 ●ケース:ピンクゴールド ●ケースサイズ:縦35×横25㎜ ●ストラップ:クロコダイル ●クオーツ ※2019年5月発売予定、世界限定20本(フランク ミュラー ウォッチランド東京)
●時計『トノウ カーベックス クー ダイヤモンド』¥2,250,000 ●ケース:ピンクゴールド ●ケースサイズ:縦35×横25㎜ ●ストラップ:クロコダイル ●クオーツ ※2019年5月発売予定、世界限定20本(フランク ミュラー ウォッチランド東京)

優雅な曲線を描く「トノウ カーベックス」ケースの上下に配した、ダイヤモンドをあしらったハートのモチーフが、まさに「大人のかわいさ」を体現。グラマラスなボリュームのケースや主張のあるインデックスによって、ラブリーでいながらスウィートになり過ぎない、甘辛バランスを構築しています。

■3:「永遠に続く愛しい時間」を映した「Endless Pink」

●時計『ハート トゥ ハート』¥540,000 ●ケース:ステンレススチール ●ケースサイズ:縦31×横26㎜ ●ブレスレット:ステンレススチール ●クオーツ ※2019年2月1日全国発売予定(フランク ミュラー ウォッチランド東京)
●時計『ハート トゥ ハート』¥540,000 ●ケース:ステンレススチール ●ケースサイズ:縦31×横26㎜ ●ブレスレット:ステンレススチール ●クオーツ ※2019年2月1日全国発売予定(フランク ミュラー ウォッチランド東京)

ダイヤル内に効果的にあしらわれたのは、「永遠に続く愛しい時間」を表現した「Endress Pink」。数字のなかでも「エピローグ」を予感させる10はレッドのハートで隠すなど、遊び心とポップな色彩が横幅をやや広げたグラマラスなトノー形ケースと響き合っています。

イギリスの名門「バックス & ストラウス」からも、パステルカラーのジュエリーウォッチがお目見え!

カラフルな色使いは、イギリス・ロンドンのハイジュエラー、そしてラグジュアリーウォッチブランドであるバックス&ストラウスのジュエリーウォッチにも! 最高級のダイヤモンドを、さらに美しく輝かせる老舗の技術力を駆使した人気コレクション『ミス ヴィクトリア』からは、カラ―マザーオブパールダイヤルと同色のサテンストラップの新作がデビューしました。

ヴィクトリア女王とアルバート王子の永遠の愛を表現したハートモチーフと、18㎜径という小顔ケースのコントラストがフェミニンなエレガンスを奏でる。●時計『ミス ヴィクトリア』予価 ¥2,900,000 ●ケース:ピンクゴールド ●ケース径:約18㎜ ●ストラップ:サテン ●クオーツ ※2019年夏発売予定(フランク ミュラー ウォッチランド東京)
ヴィクトリア女王とアルバート王子の永遠の愛を表現したハートモチーフと、18㎜径という小顔ケースのコントラストがフェミニンなエレガンスを奏でる。●時計『ミス ヴィクトリア』予価 ¥2,900,000 ●ケース:ピンクゴールド ●ケース径:約18㎜ ●ストラップ:サテン ●クオーツ ※2019年夏発売予定(フランク ミュラー ウォッチランド東京)

3月のバーゼルワールドに先駆け、「ブルガリ」も意欲作を発表!

一方、ブルガリは、ジュネーブの中心地にある高級ホテルでエクスクルーシヴな新作発表会を開催。

3月に開催されるもうひとつの大規模な時計フェア・バーゼルワールドに出展しているブルガリにとっては、「プレ・バーゼル」といった位置づけのタイミングですが、単にバーゼルワールドへの序章ではありません。

時刻を音で知らせる、複雑機構のなかでも非常に高度な「ミニッツリピーター」を搭載したジュエリーウォッチや、アイコンモデル『セルペンティ トゥボガス』の新作など多くの意欲作を取りそろえ、バイヤーやジャーナリストの耳目を集めました。

世にも美しいハイコンプリケーションは、時計の真価を知る女性へのオマージュ

●時計『ディーヴァ ドリーム フィニッシマ ミニッツ リピーター』¥20,480,000 ●ケース:ホワイトゴールド ●ケース径:37㎜ ●ストラップ:アリゲーター ●手巻き ※世界限定10本、2019年1月発売予定(ブルガリ ジャパン)
●時計『ディーヴァ ドリーム フィニッシマ ミニッツ リピーター』¥20,480,000 ●ケース:ホワイトゴールド ●ケース径:37㎜ ●ストラップ:アリゲーター ●手巻き ※世界限定10本、2019年1月発売予定(ブルガリ ジャパン)

2018年、ブルガリ初のレディースの「ミニッツリピーター」として大きな話題をさらったコレクションの新作は、神秘的な輝きを放つアヴェンチュリンダイヤルを採用。『ディーヴァ』の扇形モチーフのラグとチャーム、ベゼルやダイヤルにふんだんにセッティングされたダイヤモンドのクリアな輝きと、美しいコントラストを奏でています。

ケースバックはスケルトンで、超絶的な技巧によって美しい仕上げが施されたムーブメントの動きを堪能できます。
ケースバックはスケルトンで、超絶的な技巧によって美しい仕上げが施されたムーブメントの動きを堪能できます。

日常を至高の輝きで彩るパヴェダイヤルによって、エレガンスが加速した美しきアイコン

●時計『セルペンティ トゥボガス』¥2,520,000 ●ケース:ステンレススチール×ピンクゴールド ●ケース径:35㎜ ●ブレスレット:ステンレススチール×ピンクゴールド ●クオーツ ※2019年3月発売予定(ブルガリ ジャパン)
●時計『セルペンティ トゥボガス』¥2,520,000 ●ケース:ステンレススチール×ピンクゴールド ●ケース径:35㎜ ●ブレスレット:ステンレススチール×ピンクゴールド ●クオーツ ※2019年3月発売予定(ブルガリ ジャパン)

ブルガリの至宝である『セルペンティ』と『トゥボガス』というモチーフが昇華した最強のアイコンコレクション『セルペンティ トゥボガス』。エレガントはもちろん、リッチなカジュアルにも、幅広いコーディネートにマッチするステンレススチール×ピンクゴールドのコンビに、初めてのパヴェダイヤルが登場しました!

フランク ミュラー、ブルガリは、ともにメンズウォッチの新作にも気合いが入っています! 次回は独立系超本格時計ブランド、F.P.ジュルヌとともに、メンズの新作ニュースをお届け致します。

※掲載した商品の価格はすべて税抜です。

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この記事の執筆者
東京都出身。大学在学中から雑誌『JJ』などで執筆活動を開始。女性向け本格時計のムックに携わったことから、機械式時計に開眼。『Precious』などの女性誌において、本格時計の魅力を啓蒙した第一人者として知られる。SIHHとバーゼルワールドの取材歴は、女性ジャーナリストとしては屈指のキャリアの持ち主。好きなもの:海、ハワイ(特にハワイ島)、伊豆(特に下田)、桑田佳佑様、白い花、シャンパン、純米大吟醸酒、炊きたてのご飯、たまご、“芽乃舎”の野菜だし、“エルメス”のバッグと“シャネル”の靴、グレーのパーカー、温泉、スパ、素敵旅館、村上春樹、宇野千代先生、神社、日本の陶器(特に唐津焼)、朝ドラ、ドラミちゃん、長文のインタビュー原稿