あなたが初めて「時計師」という存在を認識したのは、ひょっとしたらフランク ミュラー氏の存在を知ったときではないしょうか？
「アブラアム＝ルイ・ブレゲの再来」と謳われた天才時計師が1992年、自らの名前を冠したブランドを立ち上げてから、四半世紀が過ぎました。30年にも満たない時間で、100年以上の歴史を誇る老舗ウォッチメーカーに並ぶ認知度とステイタスとを築き上げた時計師は、広く世界を見渡してみても、ほかにはいません。フランク ミュラー氏はまさに、現在進行形で時計界の発展を切り拓き続ける、生きるレジェンドなのです。
そのステイタスに甘んじることなく進化を続けている、同ブランドの腕時計の数々を、メンズ、レディースの人気モデルごとにチェックしていきましょう。
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フランク ミュラー メンズの人気モデル
ヴァンガード トゥールビヨン スケルトン
美しく磨き上げられた、たくさんのパーツを迷路のように組み上げた、繊細な造形の機械式時計。トゥールビヨンというハイコンプリケーションを組み込み、フランク ミュラーというブランドの、底知れぬ力を感じさせる１本となっています。
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ヴァンガード ムーンフェイズ
ラグ（ベルトやブレスレットを留める、ケースの四隅の部分）まで一体化したケースのダイナミックさが魅力の「ヴァンガード」シリーズ。美しい流線型のトノウ型ケースに、フランク ミュラーのブランドアイコンである特徴的な数字、「ビザン数字」が印象的な大きさで使われています。ブランドのアイデンティティをふんだんに盛り込みつつ、ムーンフェイズのクラシカルかつ繊細な雰囲気が、ダイヤルに華やかさを加えています。
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トノウ カーベックス カラードリームス
シンプルで美しい時計…だけれど、どこかに違和感がある。それもそのはず、上に12、下に6が来るはずの時計の文字が、ばらばらになっている！ 2003年の発表と共に時計業界の話題をさらい、その歴史に金字塔を立てた「クレイジー・アワーズ」コレクション。こちらはその数字がカラフルになり、いっそう目を引くようになった「カラードリーム」モデルです。
頭のなかに刷り込まれている、腕時計の固定概念をくずすかのごとく、これまであった数字の場所に「違う数字」を配置しているのは、「人生は決められたものではなく、自分自身で決めることができる」という、フランク ミュラーからのメッセージなのです。
またインデックスは「生きる歓び」を表現した、フランク ミュラーの中でも最もエキセントリックな「カラードリーム」に。ミステリアスな「クレイジー・アワーズ」トロピカルな雰囲気となり、精悍な印象が強いブラック文字盤にポップなアクセントを与えています。「クレイジー・アワーズ」と「カラードリーム」の２つのコレクションを1本で楽しめる時計となっています。
トノウ カーベックス カサブランカ
フランス文化が根強く残るモロッコ王国、最大の都市「カサブランカ」。ハンフリー・ボガード主演のあまりにも有名な同名映画の雰囲気そのまま、かつてはヨーロッパの貴族階級の人々がバカンスで訪れる土地でした。彼ら・彼女らはゴールドやプラチナ製の時計をパーティーなどで着用する傍ら、日常ではステンレス製の腕時計を身につけ、優雅な時間を過ごしたといわれています。
そんなノスタルジックな時代背景や優雅な時間をイメージしてつくられたのが、この「カサブランカ」コレクションです。シルクサテンを思わせる、光沢のあるトノウ・カーベックスは、美しい3次元曲線を描きます。ちなみに「トノウ」とは、フランス語で「樽」を意味する言葉。ワインを熟成させる樽の優美なカーヴを、腕時計として昇華させた、フランク ミュラーの腕時計の代名詞とも言えるシルエットです。
トノウ カーベックス カサブランカ カモフラージュグレー クロノグラフ
1994年の登場以来、フランク ミュラーを代表する時計である「カサブランカ」。その特別仕様モデルとして誕生したのが、この「カモフラージュ」です。「カモフラージュ」セカンドシリーズとなる本作品では、圧倒的な存在感を持つ8883ケースにクロノグラフが搭載され、「カサブランカ」史上、最もマッシブな作品として2011年にリリースされました。
厚みのあるステンレスケースとブレスレットにはヘアライン加工が施され、光を反射しないマットな雰囲気がミリタリーテイストの魅力を、よりいっそう引き立てています。 グレー・グラデーションのモノトーンダイアルとの相性も抜群で、大振りながら、シックな腕時計に仕立てられています。ケース内には大小のビザン数字がデザインモチーフとしてちりばめられ、幾重にも折り重なるように描かれています。この立体的な奥行きは、見るたびに吸い込まれそうになる「男の奥行き」そのものを表現していると言っても過言ではありません。
トノウ カーベックス アロンジェ
グラマラスな曲線美が特徴的なフランク ミュラーの「トノウ・カーベックス」のなかでも、ビザン数字でないユニークな文字盤構成が施された「アロンジェ」。
「アロンジェ」とはフランス語で「引き伸ばされた、長くした」という意味の言葉で、その言葉の通り、インデックスには縦に長く伸びた大型のローマン数字があしらわれ、ブランドロゴなどはサファイアクリスタルの風防にプリントされるなど、これまであったフランク ミュラーの作品とは一線を画す、大胆なデザインになっています。大胆さと美しさだけではなく、6時位置にデイト機能も付いているなど、実用性も兼ね備えられています。
ロングアイランド レリーフ ダイヤモンド
男性用のジュエリーウォッチに求められている要素とは、なんでしょうか？ むやみやたらに光り輝くことではないでしょう。「さりげないエレガンスと気品である」と考えるフランク ミュラーが定番「ロングアイランド」コレクションで生み出したのが、この「ロングアイランド・ダイヤモンド」です。機械式時計で培った技術と、美しさを求める独自の哲学が生かされ、ジュエリーから放たれる輝きを意識しつつも、高級機械式時計ブランドのみが提供できる、特別の価値が備わっています。
例えばこのモデルでは、独特の直線と曲線が組み合わされた基本フォルムに、ダイヤモンドで彩を添え、シンプルなデザインながらも、現代的な感性を主張。その宝石の配置の仕方も、日常的に宝石を身に着ける機会の少ない男性のために「さりげない上品さ」を演出すべく、細心の注意を払って配置。男性が華やかな席で身につけるにふさわしい、立体的で奥行きのあるビザン数字を備えた、ジュエリーウォッチに仕上げられています。
ロングアイランド グランギシェ
12時位置に大きな日付表示を備えたモデル「グランギシェ」は、フランス語で「大きな窓」という意味をもつ、機械式時計です。
日付の10の位と1の位を、それぞれ歯数の異なる左右2枚の回転ディスクを重ね合わせ、それらの数字が並列に並ぶ部分に窓を開け日付表示をさせるという、なんともトリッキーなシステムを持っています。このからくり時計のようなシステムは、19世紀の劇場の壁や大きな柱時計などに採用され、少し離れたところからでも時間がわかるよう、あえて大きなデジタルの数字で表されていました。
そして秒針を6時位置に配することによって、文字盤全体の雰囲気がよりクラシックな印象に仕上げられています。「グランギシェ」は日付表示の中でも、より複雑な機構が求められるため、商品化できるブランドは限られているとも言われています。
直線を軸に、放射状にデフォルメされたビザン数字との組合せは、まさにアール・デコモダーンにフランク ミュラー独自の表現が込められた、美しいデザインの名作時計なのです。
コンキスタドール
1998年に発表された「コンキスタドール」は、立体的な独特のトノウ・ケースを備えた名時計です。従来の「トノウ・カーベックス」のクラシカルなラインとは対照的な、近未来的な迫力あるフォルムは、身につける人の意志の強さを感じさせてやみません。
モデル名の「コンキスタドール」は、16世紀に名を馳せたスペイン人の「征服者」に由来しています。このネーミングには、未だに踏み込んでいない、新たな時代へ進化するという意味が込められています。これから新しい方向へ歩みだす、そんな男性にふさわしい時計といえるでしょう。
この「8005」モデルの特徴は、ギョウシェ模様の文字盤に夜光インデックスとリーフ型夜光針、そして文字盤の外周に配されたレールウェイの組み合わせにあります。上品且つ繊細にギョウシェ彫りされた盤面より、夜光塗料が盛りつけられたビザン数字が大胆に浮き上がっています。
コンキスタドール クロノグラフ
「曲線の美」と称えられ、奇麗に湾曲したラインで魅せる「トノウ・カーベックス」からインスピレーションを受けながらも、力強い印象へと発展したモデル「コンキスタドール」。
スポーティな文字盤としなやかな曲線との調和など、これまでにない斬新なフォルムは、圧倒的な存在感と機能美が融合したものとなっています。こちらのモデルは、3時と9時位置にクロノグラフの小窓が開いた、より凛々しいデザインが特徴です。
ラウンド スモールセコンド
フランク ミュラー氏が時計製作を始めた時に採用したケース形状は、これまで見てきた「トノウ」タイプではなく、実は「丸型の時計」でした。そこには「伝統的なスタイルで自らの時計を表現しよう」という考えがあり、また往年の時計師たちへの敬意が込められていたそうです。
一見するとクラシックなラウンド型ケースでありながらも、ダイヤルにはフランク ミュラーらしいビザン数字と、磨き上げられたリーフ針、クラシックなスモールセコンドが配され、クラシックさとと現代的感覚が見事に調和しています。また、手巻き式ムーブメントを搭載したこちらのモデルは、シースルバックのケースから、その繊細な動きを楽しむこともできます。
フランク ミュラー レディースの人気モデル
メンズに続き、フランク ミュラーのレディースの人気モデルをご紹介します。
クレイジー アワーズ レディース
従来の『トノウ カーベックス』よりふくよかなフォルム、ラグをなくした一体型のケースが特徴の『ヴァンガード レディ』。2014年の発表以来、アイコンのひとつとして定着したこのコレクションに、レディースウォッチ初となる『クレイジー アワーズ』の哲学が注ぎ込まれました。
ランダムな数字の間を針がジャンプし、「時間は規則的に進む」という固定概念から解放する、遊び心いっぱいの複雑機構に、カラフルな「色の魔法」がかけられています。フェミニン＆リッチに仕上げられた、ワンランク上の機械式時計です。
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トノウ カーベックス
優雅な曲線を描く「トノウ カーベックス」ケースの上下に配された、ダイヤモンドのハートのモチーフが、まさに「大人のかわいさ」を体現。グラマラスなボリュームのケースや主張のあるインデックスによって、ラブリーでいながら甘すぎないバランスを構築しています。
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ハート トゥ ハート
ダイヤル内に効果的にあしらわれたのは、「永遠に続く愛しい時間」を表現した「Endress Pink」。数字のなかでも「エピローグ」を予感させる10はレッドのハートで隠すなど、遊び心とポップな色彩が、横幅をやや広げたグラマラスなトノー形ケースと響き合う、クオーツウォッチです。
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ロングアイランド クロノメトロ ダイヤモンド レディース
![時計『ロングアイランド クロノメトロ ダイヤモンド』［ホワイトゴールド×ダイヤモンド、ケースサイズ：縦36.5mm×横26mm、クオーツ］￥3,200,000・ピアス￥2,850,000・リング￥1,800,000（フランク ミュラー ウォッチランド東京）、ニット（東レ・ディプロモード〈セブンティ〉） [Precious2018年8月号107ページ]](https://precious.ismcdn.jp/mwimgs/5/e/720mw/img_5ee6b92a201fbe8e25a31abad6aea611230402.jpg)
エナメルを幾重にも丁寧に塗り重ねられた、イエロー・エナメルの文字盤が特徴的な「ロングアイランド」。その深みのある発色の美しさを、同色のクロコダイルストラップで強調したカラーウォッチは、存在感抜群です。イエローはナチュラルカラーの延長にあって、肌なじみがよく、ベージュ系の服とも合わせやすいため、特に春夏のコーディネートに活躍してくれます。
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ロングアイランド プティ パスティーユ（クロコダイルストラップ）
人気コレクション「ロングアイランド」の2018年モデルは、大人の女性の日常に寄り添うような、新しいデザイン 。艶やかなピンクゴールドと響き合うシャンパンカラーのダイヤル、そしてダイヤル中央を彩るダイヤモンドが三位一体となり、優美なたたずまいに。ビザン数字のインデックスの完成度の高い美を、改めて感じることができる時計となっています。
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ロングアイランド プティ パスティーユ（ブレスレット）
文字盤からブレスレットまでピンクゴールドで統一された、きらめく「ロングアイランド」。レザーストラップモデルとは印象が異なる、パーティなどの華やかな席のおともに身につけたいモデルです。
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ヴァンガード レディ スケルトン ハート
「ヴァンガード レディ」コレクションは、優美な曲線を描くトノウ型（樽型）のケースに、ストラップをすっきり収めた、流れるようなフォルムが特徴の機械式時計です。機械構造を細部まで見ることができるスケルトンモデルは、ややもすれば男性好みになりがちですが、この女性向けモデルは、そんな機構と構造美に、ハートのキュートさを加え、心弾むウォッチに仕上がっています。
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ヴァンガード レディ
ブランドを象徴するトノー形を継承しながら、やや厚みのあるグラマラスなフォルムが、ラグジュアリーなインパクトをもたらす『ヴァンガード レディ』の2017年発表モデル。フランク ミュラーらしいアラビア数字が踊るインデックスと、ムーンフェイズ表示が織りなすクラシカルモダンなバランスが粋な印象です。ベゼルだけでなく、ムーンフェイズのインダイヤルまでダイヤモンドが取り巻き、眩い輝きを放っています。
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ロングアイランド ヴァンガード
世界の女性たちが、機械式時計の魅力に目覚める大きなきっかけをつくったフランク ミュラー。ブランドの至宝ともいえるアイコニックな「ビザン数字」インデックスを新たなアプローチで魅せる、レクタンギュラー形ケースの「ロングアイランド」が華やかに出そろったのが、2016年のこと。
着こなしをドラマティックに彩るファッション性も兼ね備えた本格時計は、確実に後世へと受け継がれていく名品のオーラを放ちます。
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マスタースクエア レリーフ
アールデコ様式からインスピレーションを得た「マスタースクエア」は、「ロングアイランド」と同様に直線と曲線をモチーフにしたコレクションです。
ケースを構成する四辺の長さを合わせた正方形のケースと、その中心部からは放射線状にデフォルメされた独特のローマ数字が配列されています。それまでのラインナップにはなかった斬新さと優雅さを兼ね備えたデザインに仕立てられ、複雑機構だけでなく、ケース形状やサイズにも新たな哲学を注ぎ込んだ、フランク ミュラーの新境地となったモデルです。
地板から打ち出し成型された数字は、古代ローマ皇帝の立体彫刻「レリーフ」さながらの存在感を持っています。
※掲載した商品の価格はすべて税抜です。ケースサイズはラグ部分を含んだ数値です。
