「本物の家具」がもつ魅力を味方につけてもらうために、インテリアエディター「D」が厳選した大人のためのインテリアアイテムをご紹介する連載。身長156cmと小柄なエディターが、実際に家具を触ったり、座ったりしながら、女性ならではの視点でインテリア名品の魅力を掘り下げます。

第13回はフレックスフォルムのひとりがけソファ「フィールグッド」です。

「フィールグッド」の低めの座面は、座る人には落ち着きを。眺めたときには空間を広く見せる効果があります。

狭小スペースを仕事場にも寛ぎの場所にもしてくれる「フィールグッド」

ミラノのブルガリホテルにも置かれている「フィールグッド」。大柄の男性がゆったりと寛ぐことができるシンプルな形状は、大空間に置けばアクセントになります。その一方で、実は日本の狭小空間にもぴったりな形状でもあります。一見相反するインテリアの両方にマッチする秘密は、サイズ感とクッション具合の絶妙なバランスにあります。

【ブランド】フレックスフォルム【商品名】フィールグッド【写真の仕様の価格】¥847,800(税込)【サイズ】直径610×奥行き660×高さ680mm 座面高360mm【材質】フレーム:モールドウレタン・ダウン、脚:スチール【仕様】ファブリック(内側)・レザー(外側)、脚:バーニッシュ仕上げ

「フィールグッド」は、アームが横に張り出すことなく、上から見たときにほぼ円形におさまっています。それゆえに回転脚を利用してクルクルしても、最初に設置したスペースだけで、周りに大きく余分な空間をとる必要がありません。

156cmでも、両方の足をきちんとつけることができる座面の低さが心地いい。

座った感じの第一印象はやわらかく、沈みすぎることなくほどよい位置でキープしてくれるので、いい姿勢を楽に保つことができます。奥までしっかり座り込むと、背面のクッションがやわらかく受けとめてくれ、安楽椅子としては小ぶりながらも極上のリラックス感が得られます。

それもそのはず、シートクッションには水鳥の羽毛がたっぷりと使われており、背面には高級寝具にも使われるダクロンと低反発ウレタン層が心地よいカーブをつくってくれています。

空間と季節に合わせて着替えられる「フィールグッド」

フィールグッドは、どなたでも簡単に座面カバーを変えることができます。季節ごとにリネンやカシミヤなど素材を変えて楽しむのもおすすめです。

クッションはおにぎり型なので、外しても正確な位置に設置できます。※チェア本体は張込み

フレックスフォルムのソファは、カバーリングの技術の高さと、スペアカバー制作費が経済的な設定になっていることが特徴です。また、椅子張り用に同社が開発したオリジナルのカシミヤは、羽毛クッションの心地よさを最大限に引き出してくれます。オーソドックスなヘリンボーンなどの柄もあり、お洋服を仕立てるような喜びがあります。

フレックスフォルムオリジナルの椅子張り用カシミヤの耐久性はコットンよりも堅牢。
脚部の仕上げは、サテン、クローム、バーニッシュ、シャンパンクローム、ブラッククロームから選べます。

洗練されたライフスタイルを、家具をとおして提案し続ける「フレックスフォルム」

“家というのは美的表現であり、物はそれを選んだ人間のイメージを思い起こさせ構成する” ※創業時に掲げたコンセプトから一部抜粋

創業者のガリンベルティ兄弟は、ミラノ・スカラ座の家具調度品を手がけていた父の影響で、1959年に兄弟で家具工房を立ち上げ、1970年株式会社フレックスフォルムを創業しました。

「Home at last」というフレックスフォルムのキーワードは、最も寛げる場所は家であってほしい、という願いが込められているそう。一つひとつのアイテムは普遍的な印象をあたえるものの、組み合わせ次第で現代的な暮らしを提案しているのが特徴です。ブランドのほとんどのデザインを手がけるアントニオ・チッテリオが監修した青山ショールームのディスプレイで具体的に見てみましょう。

フィールグッドに座って仕事をしていても、ソファでくつろぐ人と視線が交差することなく、ちょうどいい距離感で一緒に過ごせる家具配置の提案。
奥行き浅め、横幅広めのテーブルは資料を広げやすく便利。フィールグッドは回転できるので、端に置いた資料にも手が届きます。

実は一見オーソドックスに見えますが、ディテールに目をこらすとハッとするような発見があり、通好みとも言える奥行き深い面も魅力です。Made in Italyにこだわり、ソファの中材に使う木材は、地元で採れる良質なポプラ材を厳選しています。

クラッシックなデザインを現代にマッチさせる巨匠デザイナー「アントニオ・チッテリオ」

イタリアを代表するデザイナー、アントニオ・チッテリオ氏

イタリアのロンバルディア地方・メーダ出身。ミラノ工科大学建築学部卒の建築家・デザイナー。家具職人の父の影響を受け、物心つく頃にはデザイナーを目指していたそう。Flos、カルテル、ヴィトラなどの一流企業をクライアントにもち、権威あるコンパッソドーロ賞も2度受賞したことのあるイタリアを代表するデザイナーです。

ミラノのドムスアカデミー、ロンドンのロイヤルカレッジ(RCA)、ローマ大学で教鞭をとっており、若いデザイナーの育成にも力を注いでいる一面も。

実は、フレックスフォルムの創業者と生家が近く幼馴染で、フレックスフォルムの家具は、9割がたチッテリオがデザインしています。ひとりのデザイナーが、ほぼ全アイテムを手がけることで積み上げられる統一感、安心感も同ブランドの魅力のひとつです。


洗練された暮らしを体感しに、フレックスフォルムのショールームへお出かけしてみてはいかがでしょうか?

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM