30年113日間続いた「平成」時代が生んだHITスイーツ、「ナタデココ」。そのブームの背景や、デザートとしての魅力、フィリピンでの位置づけ、ナタデココのトリビアなどをご紹介します。

ナタデココはフィリピン発祥の食品で、ココナッツ水に酢酸菌を加え、発酵させてつくるゲル状のもの。

ココナッツが関係していることから、本場フィリピン産のココナッツ食品を製造販売している、株式会社ココウェルの代表取締役・水井 裕さんにお話を伺いました。

なぜ流行した?平成時代が生んだスイーツ「ナタデココ」

そもそもナタデココとは?

ナタデココについて

ナタデココとは、ココナッツ水という液体に酢酸菌を加え、発酵させてつくるゲル状の食品のこと。寒天に似ていますが、ナタデココは独特の歯ごたえがあるのが特徴です。

発祥のフィリピンでは、伝統のフィリピン風かき氷「ハロハロ」に、豆の甘煮、タピオカ、アイスクリーム、トウモロコシなどと共に、ナタデココをトッピングするのが定番になっています。

日本では、1970年代後半、ある食品メーカーがフルーツ缶に入れたのが広まった背景とされており、その後、平成5年(1993年)に有名ファミリーレストランがナタデココをメニューに加えて話題になり、火が付いたといわれます。

また当時、フジッコが打ち出したナタデココのCMは、とてもインパクトが強く、話題になりました。

ナタデココはなぜ日本でブームに?

日本でブームになった理由

ところで、なぜナタデココはここまでブームになったのでしょうか? 水井さんに見解を聞いてみました。

「ナタデココは日本人にとって食感が不思議で、カロリーが少ないというヘルシーな部分もあるため、注目されたのだと思います」

また、水井さんは当時のナタデココのブームについて、次のようなイメージが強いと話します。

「日本でナタデココのブームが広がりすぎたことで、現地でナタデココをたくさんつくる必要が出てきました。しかし、そのブームが去った後にフィリピンで失業者があふれてしまったという問題がありました。ナタデココのブームといえば、どうしてもそのイメージが強いですね」

ナタデココは当時、確かに爆発的人気でした。その大きなブームの後に、そのようなことが起きていたとは。日本人として、知っておくべき事実ですね。

ナタデココの魅力

ところで、ナタデココにはどのような魅力があるのでしょうか? 水井さんに挙げていただきました。

食物繊維が豊富で低カロリー

「ナタデココは食物繊維が多いですしカロリーが少ないのが特徴です」

食感がよく食べ方のバリエーションもある

「ナタデココは食感もよいところが魅力だと思います。タピオカやアイスクリームなどとの相性もよいですね」

本場フィリピンでのナタデココの現状

発祥の地での人気は?

ナタデココは、フィリピンではどのくらい食べられているのでしょうか?

「フィリピンでポピュラーなデザートのハロハロに、ナタデココは昔からよく使われていました。ただ、ハロハロ自体、フィリピンでは一部の店舗で取り扱われている程度です。また、ハロハロは伝統的なデザートという感じで、今では家庭でもそれほどつくられておらず、田舎でたまにつくる程度だと思います。今は西洋化が進んでいますしね。またナタデココは、すべてを家庭でつくることはできないため、市販のものをハロハロにトッピングします」

ナタデココ入りのハロハロは、そこまで頻繁に食べられているわけではないようですね。日本に起きたあのブームは、やはり特別なものだったようです。

ナタデココに関するトリビア

ナタデココの意外な可能性

最後に、ナタデココのトリビアを水井さんに伺うと、ナタデココは食材以外にも可能性が広がっているといいます。

「ナタデココは食品としてだけでなく、セルロースについても研究されており、紙が開発されるなどして応用されています。また、韓国では顔の美容パックとしても使われています。ナタデココはほとんどが水分で保水性があるので、保湿効果が期待できるといわれているのです」


令和という新しい時代を迎えた今、改めて、平成ならではのナタデココのブームはすごいものだったというのがわかりました。

初めてナタデココを口にしたときの、あの不思議で新鮮な感覚は、今でも忘れられないものです。この機会に、改めていただいてみるのもよさそうですね。

水井 裕さん
ココウェル代表取締役、ココナティスト
(みずい ゆう)途上国の環境問題を学びながら、深刻な貧困問題に触れ、大きな衝撃を受けたことをきっかけに「人と地球に優しい」ココナッツ製品の輸入販売や製品開発を行う。ココナッツ農家を始めとするフィリピンの貧困問題の解決にも貢献している。ココナッツ製品・ココナッツオイルの専門店-ココウェル
この記事の執筆者
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WRITING :
石原亜香利
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