平成時代には、たくさんのダイエットが流行りましたよね。「りんごダイエット」「ゆで卵ダイエット」「黒酢ダイエット」「朝バナナダイエット」「夜トマトダイエット」「サバ缶ダイエット」などのダイエットに、一度はトライしたことがあるのでは?
でも、「結局、挫折した」「効果はあるのかイマイチ分からなかった」などという方も多いはず!
そこで今回は、平成時代に流行したダイエットを振り返ると共に、「効果は期待できるのか」「失敗しがちな点」「こうすれば成功するかもしれない」という内容を、食事ダイエットのプロである、RIZAPの管理栄養士・柳井美穂さんに教えていただきました。
本当に効果的?平成に流行ったダイエット方法6選
■1:りんごダイエット
りんごダイエットとは…3日間など、一定期間りんごだけを食べ続ける。何個食べても良い。ほかは水分のみ摂る。
●効果は期待できる?
「ペクチン(食物繊維)が多いので、急激な血糖値の上昇の抑制は期待できます。そのため、一時的な体重減少につながることも期待できます」
●失敗しがちな点
「飽きやすいです。食物繊維が豊富なため、腸内環境もよくなるため、便通改善など一時的に体重が減少するかもしれません。ですが、たんぱく質量も少ないため、筋肉量が減ってしまい、通常の食事に戻したときにリバウンドの可能性が考えられます」
●こうすれば成功するかも!
「りんごだけを食べ続けるのはおすすめできません。まんべんなく栄養素を網羅できるわけではないので、栄養が偏ってしまい、主菜、副菜、汁物と品数を増やしていくといいでしょう。基本的にダイエットの成功は難しいです。りんごは体力が落ちているとき、例えば風邪のときなどに意識的に摂取するようにすると、りんごに含まれるリンゴポリフェノールをはじめとする栄養素が体力回復に効果的です」
■2:ゆで卵ダイエット
ゆで卵ダイエットとは…食事をゆで卵1~2個に置き換える。
●効果は期待できる?
「卵はアミノ酸スコア100で、理想的なアミノ酸であるという証。バランスのとれたたんぱく質です。1個に約7gのたんぱく質が含まれているといわれているので、1日に数個とることで、たんぱく質は摂取できます」
●失敗しがちな点
「これも飽きやすいです。また、卵は過熱することでたんぱく質が変性するので、ゆで卵にしてしまうと、消化に時間がかかるため、腹もちは良い反面、たくさん食べると消化器官に負担がかかります。体力が落ちているときは控えたほうが良いですね。
また卵は動物性なので、食物繊維はゼロ。卵だけに頼る食事ではお通じに支障をきたす場合もあります」
●こうすれば成功するかも!
「1個のたんぱく質量が少ないので、ゆで卵だけ食べるダイエットはNGです。とにかくほかの食品、野菜などから、さまざまな栄養素も摂取してください。特にビタミン、ミネラルは不可欠です。ゆで卵という縛りではなく、半熟にするとか、お肉と一緒にオムレツにするとか、ほかの食品との組み合わせでバランスよく食べることが大切です。つけ合わせに、ほかのたんぱく質や野菜系を添えると良いですね!」
■3:黒酢ダイエット
黒酢ダイエットとは…1日コップ1杯の黒酢(はちみつ黒酢)を飲む、など。
●効果は期待できる?
「メーカーによって、原料がさまざまなので、必ずしもダイエットに効果的かどうかは断定できません。黒酢だけを飲むのでは継続しづらいかもしれないですが、料理に取り入れたり、サラダにかけたりなど、アレンジのバリエーションを広げられれば、飽きずに続けやすいと思います」
●失敗しがちな点
「単体では飽きやすいです。また酢は元々くせが強いので続けにくい方がいらっしゃいます」
●こうすれば成功するかも!
「大豆オリゴ糖が含まれている黒酢であれば、脂質代謝に好影響が期待できるので、1日適量を摂取するのはおすすめです。また、酢酸が血糖値を緩やかに上昇させるという効果が期待できる報告もあるため、健康には良いかと思います。ですが、しっかり主菜からたんぱく質を摂取して適度な運動を取り入れることで、基礎代謝を落とさない工夫が必要です」
■4:朝バナナダイエット
朝バナナダイエットとは…毎朝、朝食にバナナ1~2本と水を摂取する。
●効果は期待できる?
「朝から適度な糖質摂取は体内時計をリセットできて、1日のスタートとしてとても良いですね。バナナは食物繊維も多いので、血糖値の急激な上昇を抑制できますし、お通じにも良いですね。手軽に食べられることも、忙しい朝には適しています。しかし、たんぱく質が足りないので、ヨーグルトやスムージーなど、何かほかのたんぱく質を含む食品と一緒に摂取することがおすすめです」
●失敗しがちな点
「糖質が高いので、食べるタイミングは重要。朝だけならほかの食品も加えれば特に問題はないと思いますが、寝る前などは控えたほうが良いですね」
●こうすれば成功するかも!
「朝昼にバナナを食べるのは良いです。適度な糖質摂取になります。ただし、たんぱく質も脂質もないので、バナナ単品を食事とするのは低栄養に陥るのでおすすめしません。ただ、運動前などすぐにエネルギーを必要とする際にはおすすめで、運動のパフォーマンスもアップできます。例えばジムに行く前や、試合の1時間前などがおすすめです」
■5:夜トマトダイエット
夜トマトダイエットとは…毎夕食時に食事と共にトマトを2~3個食べる。
●効果は期待できる?
「トマト単品を1食にするのではなく、トマトを副菜として2~3個食べる夕食であれば、適度な満腹感と、栄養が期待できます。トマトに含まれるリコピンは油に溶けやすいので、加熱調理にも向いているため、食事のバリエーションとしても広がり、継続性が見込めます」
●失敗しがちな点
「くれぐれも夕食をトマトだけにしないこと。夕食をトマトだけにするのは、カロリー不足、低栄養に陥りがちです。また、リコピンは夜よりも朝のほうが吸収しやすいという報告もあるので、トマトは夜に限らず、朝の摂取も良いのではないでしょうか」
●こうすれば成功するかも!
「トマトはあくまで副菜としてとらえていただき、主菜はたんぱく質メインのものを選ぶと、ダイエットに良いですね」
■6:サバ缶ダイエット
サバ缶ダイエットとは…サバの水煮缶を1日1缶食べる、など。
●効果は期待できる?
「おすすめです。理由としては、魚の良質な油を一緒に摂取できるため、健康維持・向上に効果的。骨まで食べられるので、カルシウムも摂取できます」
●失敗しがちな点
「飽きやすいかもしれません。最近ではさまざまな味付けのサバ缶も多いですが、糖質が多いものばかりを選ぶと減量スピードが落ちてしまいます」
●こうすれば成功するかも!
「夜に食べることで、コレステロールの合成を抑えられます。汁も捨てずに食べるといいですね。ホールトマトにサバ水煮缶を入れて炒めるなど、汁も活用するようにすると食べ方のバリエーションも広がり、続けやすいでしょう」
「単品ダイエット」はおすすめできない!
これらの平成に流行ったダイエット法全般について、柳井さんは次のようにアドバイスします。
「平成時代に台頭した多くの『単品ダイエット』は、あくまでも一時的な体重減少にしかならず、低栄養状態に陥りやすいため、筋力低下を招き、リバウンドしやすいのでおすすめしません。
ちなみにRIZAPでは、『食べない』ではなく『選んで食べる』をおすすめしています。基礎代謝を維持するためには、筋肉量を減らさないことが大切。そのためには、たんぱく質の積極的な摂取が必要です。最低限、体を動かすのに必要不可欠な基礎代謝分以上は、カロリーを摂り、バランスの良い食事を心がけてください」
平成時代に流行ったダイエット、きっと「やったことがある!」というものもあったのではないでしょうか? 令和が始まったこれからは、これまでの反省を踏まえて、結果の出るダイエット法を選びたいですね。
問い合わせ先
- RIZAP TEL:0120-700-900
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 石原亜香利