正解は…1:「明日から配属されるAさんて方、交渉力の高さが札付きらしいわ!」です。

「札付き」は悪い定評がある、という意味なので、「交渉力の高さ」という良い要素と相反し、文脈が通りません。

「札付き」の「札」の語源は、江戸時代の戸籍につけられた「縁を切られた人」の目印になる札のこと。江戸時代は親族同士を「縁座(えんざ)」としてつなげて考える制度を取っており、罪人の親類縁者まで懲罰の対象になりました。そこで人々は、素行の悪い親類縁者について「この者とは縁を切りました」とあらかじめ幕府に届出をすることで、もしもの際のまきぞえを避けたのです。この「縁を切られた人」の印に「札」をつけたことから「札付き」という言葉が生まれました。

ですので「札付き」は「札付きの不良」「札付きのイカサマ師」のように、悪いイメージにのみ使用します。

対して「折り紙付き」は、信頼度が高い、という、基本的に良いイメージに使用する言葉です。

…というところで、もう一問、クイズです。

【問題2】

以下の例文には、「足りない重要な要素」があります。どのような役割の言葉を足すべきでしょうか?

「明日から配属されるAさんて方、交渉力の高さがお墨付きなんですって!」

…おわかりになりますか? ヒントは記事の一番初めの見出し文に、こっそり入れてあります。

「お墨付き」と言うために必要な情報は?
「お墨付き」と言うために必要な情報は?
大人ですもの、答えられますよね?
大人ですもの、答えられますよね?
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小出 真朱