正解は…

「明日から配属されたAさんて方、交渉力の高さがB部長のお墨付きなんですって!」
もしくは、
「明日から配属されるAさんて方、交渉力の高さがお墨付きなんですって!B部長が推薦したらしいわ!」

など、「お墨付き」を与えた人物や機関の情報を足す必要があります

「お墨付き」の「墨」の語源は、室町時代・江戸時代に、将軍や大名が臣下に与えた領地の保証となる文書に、墨で発行人の花押(かおう=その武将のサインのようなもの)が添えられていたことに由来します。

「将軍様のお墨付きである」というように、「お墨」をつけているのが誰なのか?という要素が最も重要なので、「お墨付き」を使用する場合は「誰の」お墨付きなのか?を明示する必要があります

対して【問題1】の例文で使用した「折り紙付き」の「折り紙」の語源は、書画や美術品、刀剣などの鑑定書のこと。平安末期からの公式文書や贈答品目録が「紙を半折りした文書」の形状だったことを踏襲し、江戸時代、鑑定書もその形状になりました。

そこから転じて「鑑定書つきと同じくらい価値が保証されている」=「折り紙付き」という慣用句が生まれました

「良い定評がある」という意味の慣用句として成立しているので「誰の出した鑑定書なのか?」という主語、発行元の情報は必要ありません。

まとめると…

「札付き」…悪い定評がある。

「お墨付き」…権威ある人物が価値を保証している。

「折り紙付き」…良い定評がある。

となります。

微妙なニュアンスの違いをきちんと使い分けて、「あの方の聡明さは折り紙付きです!」と言っていただける女性でまいりましょう!

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ILLUSTRATION :
小出 真朱