正解は… ねんごろ です!
ヒントでも少し書きましたが「懇(ねんご)ろ」には、「心がこもっているさま。親身」という意味と「親しいさま。特に、男女の仲が親密なさま」という意味があります。
前者の意味で使用する場合は、実はクリーンで温かみのある「親身」も表現できるのですが、どうも後者の「男女の仲が親密」という意味のインパクトが強すぎて、「表ざたにできないようなおもてなし」ばかり連想してしまいませんか?
男女の仲に直結しなくとも、たとえば昭和時代の政治映画などで、悪徳政治家が秘書に「あの新聞記者は特に懇ろにもてなしておけ…。」と囁くイメージです(笑)。金銭を提供して黙らせようとしているのかしら? 女性が接待するお店でハニー・トラップに陥れるつもりかしら?などなど、「懇ろ」といえば「ダークな仲の構築」を想起してしまうという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしながら、実は「旅先で急な悪天候に見舞われ難儀していたところ、地元の方が見かねて声をかけてくださり、実に懇ろなおもてなしを受け、感動した」というような、素敵な使い方もできる言葉なのです。「懇親会」の「懇」は、こちらの意味とリンクしていますね。
「懇ろ」は、実はとても温かく美しい日本語表現なので、ぜひ正しく使いこなしてくださいね。
…というところで、同じような誤解を受けやすい言葉で、もう一問、クイズを出題します。
【問題2】
「慇懃(いんぎん)」という言葉の正しい意味は、以下のどちら?
1:礼儀正しく、丁寧なさま
2:表面的には丁寧だが、実は尊大で見下しているさま
こちら、カン違いしている方が意外と多いのです。あなたは正しい意味を理解していますか?
…さてさて、正解は?
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱