正解は… 1:一画 2:一角 です。

1:「トウモロコシ畑ですが、この一画では枝豆を栽培しています」

2:「今回発覚した不正は、氷山の一角に過ぎないかもしれません」

となります。「氷山の一角」という慣用句が入っているので、正解率はかなり高そうですが、問題は「一画」と「一角」それぞれの意味と違いですよね?

「一画」の意味は、「土地の一区切り」になります。ですから、「分譲地の一画を購入した」というような際に「一画」を使用します。

(※今回のテーマとは別に「漢字の、一続きで書かれる線」という意味も持っています)

対して「一角(いっかく)」は、もう少し広い意味を持っています。「ある場所・領域や広がりを持つものの一部分」という意味で「文壇の一角に名を連ねている」「心の一角に不安があった」というように、土地以外の領域についても使用できる表現です。

土地に関する「イッカク」で、どちらを使うか見極めるポイントがあります。
土地に関する「イッカク」で、どちらを使うか見極めるポイントがあります。

迷ってしまうのは、タイトルにもあるように「街のイッカク」と、土地に関連する領域の一部分を表現する場合です。この場合は、特殊な場合を除いて、「一角」が多いでしょう。

特殊な場合=「一画」を使用するケース、という事になります。大雑把な見極め方ですが、「○㎡の一区画」と言い換えられるような文脈では「一画」を使用する、と考えてください。

例文で考えてみましょう。

「その町のイッカクに、とても雰囲気のいい喫茶店がある」というような場合は「一角」です。この例文では「一角」という言葉で土地の中のある一部の場所を表してはいるものの、「一区画」と言い換えられるような「物理的に○㎡と示せるような限定的な一区域」を表現しよう、と意図しているわけではありませんよね?

「あのへん」「あのあたり」など、あいまいな口語に言い換えても問題ない、かっちりとした「一区画」の内容を指す意図のない表現の場合には、土地や地域を示している場合も「一角」です。

対して「一画」が表すのは、例文のように「畑の、そこだけ違う作物を栽培している〇㎡の一区画」や、「分譲地の一戸建て分の○㎡の一区画」と言い換えできるようなケースです。

…というところで、おさらいクイズと致しましょう。

【問題2】

以下の例文には、それぞれ「一角」「一画」どちらの漢字があてはまるでしょうか?

1:「この地域のイッカクには、新鮮な野菜が手に入る農家の直売所があって、お料理好きの方にはおすすめですよ」

2:「故人の希望を尊重し、所有地のイッカクを市に寄贈することに致しました」

もうおわかりですよね? 念のため、答え合わせといきましょう。

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ILLUSTRATION :
小出 真朱