「ドミニク・ブシェ トーキョー」の一夜限りのアーティスティックなメニューをレポート
2019年10月6日(日)、銀座にあるミシュラン2つ星のフランス料理店「ドミニク・ブシェ トーキョー」で開かれた、食とアートのイベント「Art Brut by Dominique Bouchet」をレポートします。
今回ご紹介するのは、フランス料理界でトップクラスの料理人として知られるドミニク・ブシェさんと、障がい者の子供の支援を行うクロスチームによる、障がいをもつ子供たちがつくり出したアート作品との饗宴の一夜。
お料理の代金は、この夜限りのメニュー7品とワインペアリングすべて込みで4万円、ノンアルコールとのペアリングの場合は3万5000円。さらに、この代金のなかから、障がいをもつ子供たちをサポートする「クロスチーム」に今後の活動費として寄付されるというもの。
ドミニク・ブシェのお料理が7品に、ワインまでセットで寄付までできるというのは、特別感はもちろん、お腹だけでなく心も、そしてまた新たな幸せにつながるという試みでした。
■:障がいを持つ子供たちの芸術作品からインスピレーションを受けた料理
今回の色彩豊かな料理の数々は、子供たちの作品をもとに、ドミニクさんとドミニク・ブシェ銀座の田中耕太さんが考えたもの。子供たちの作品に影響を受け、アートと共に料理を紹介するための撮影では、アクリル板に料理を「描く」という新しい試みも行われました。
ドミニクさん自身にとっても、刺激を受ける試みだったそうです。
「料理はアートだとおっしゃる方もいますが、自分ではアートではないと考えていて、そういってきました。たまたま機会があってクロスチームの子供たちが描いた作品を見せていただいたときに、すごくきれいな色遣いで、料理にもこの色遣いをいかせるのではないか。そのようにインスピレーションを受けて、そこからつくってみようと思ったのです」(ドミニク・ブシェさん)
■:きっかけは障がいを持つ子供たちによるアートとの遭遇から
フランス語で、「アール・ブリュット」という言葉があります。日本語に直訳すると「生の芸術」。障がいをもつ人たちによる芸術作品を、そう言うそうです。
一般的な芸術作品のような流派もなく、学校の体系的な教育を受けたわけではない方たちが作った作品。それらに触れたドミニク・ブシェさんと妻であるマダム・ブシェこと、松本百合子さんは、その人の内側にあるものの衝動だけで作られた作品に感銘を受けたといいます。
「見ているとドキドキとするような躍動感を味わったのです。それから気をつけてみると、パリでは小さい会場でもアール・ブリュットの展示会が行われれていたり、ものすごく素直に楽しめる芸術として存在していました」(松本百合子さん)
この芸術作品を、日本でも紹介できればと思っていたところに、日本で障がい者の子供の支援を行うクロスチームさんとの出逢いがあり、ドミニク・ブシェとアール・ブリュットとのコラボレーションが実現したそうです。
「(障がいがあることは)ハンデといわれていますが、子供たちからもらったアイデアを元につくっていったもので、おいしいものを楽しんでもらう。皆さんがこうして食事に参加されることを通して、社会の意識が変わっていったらいいな。そういう思いでやらせていただきました」(ドミニク・ブシェさん)
ディナーをすることが、新たな意識を得る学びの場にもなる。レストランが提供するのは、食だけではないということを教えてくれる一夜限りのイベントでした。
■ドミニク・ブシェさんにインスピレーションを与えた、障がいをもつ子供たちが描いたデザイン画
今回のイベントにあたり、障がいをもった子供たちが絵を描くワークショップが事前に開催されていました。その様子と、そこで創られたデザイン画をお見せします。この絵ドミニク・ブシェさんは、この絵をもとに料理を考案されました。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 北本祐子