いつもの街の景色がステキに変わる! 猪飼尚司の街ぶら、アート散歩
退屈な待ち時間にこそ「成田空港」に散らばったアートをゆっくり鑑賞するべし
アートとデザインの展覧会「フィスカース・ヴィレッジ・アート&デザイン・ビエンナーレ」をチェックするため、フィンランドへ。しかし、機材トラブルでまさかの7時間待ち。こんなときこそ思いきって成田空港を楽しもうと、散策開始。
■1:鮮やかな青と赤の対となる彫刻『B.S.EAST/V.O.WEST』
まずは、出国ゲート前の作品から。待ち合いのベンチのなかにそびえる巨大な作品は、「スピード」をテーマに創作活動を続ける中村哲也の『B.S.EAST/V.O.WEST』。鮮やかな青と赤が対照的な作品です。
■2:のびやかに天女たちが舞うステンドグラス『飛翔する天女たち』
続いて、レストランやショップのあるエリアのエスカレーター脇に掲げられた大きなステンドグラスは、戦後まもない日本でグラフィックデザインの礎を築いた粟津 潔(あわづ きよし)による『飛翔する天女たち』。彩り明るく、のびやか。天女たちが自由に舞う大胆な構図が印象的です。
■3:光と角度によってさまざまな姿を見せる金属彫刻『時の花』
出国ゲートを越えた先にも、アート作品はいくつも置かれています。今回利用した第1ターミナルの南ウイング3階・第5サテライトのいちばん奥には、ステンレスを自在に操る美術家、坂上直哉の『時の花』。天井から吊り下げられた金属彫刻は、見る角度によってさまざまに形を変えるので、周囲をぐるぐると回りながらゆっくり鑑賞。
■4:日本の歴史や工芸を描いた巨大な壁画『日本/全ては繋がっている』
そして最後に、南ウイングと北ウイングをつなぐ中央ビル通路には、グラフィックデザイナー髙橋正実が、30mにわたる2枚の壁画『日本/全ては繋がっている』を製作。こちらは作品を鑑賞しながら、日本の歴史や伝統、工芸の技を同時に知ることができるユニークな作品です。
このほかにも、山口晃、堀木エリ子など、著名なクリエイターの作品も多数。もちろん第1だけでなく、第2ターミナルにもパブリックアートは設置されているので、時間が許す限りたっぷりとご堪能を。
※本記事は2019年11月7日時点での情報です。
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- 剣持亜弥・宮田典子(HATSU)、喜多容子(Precious)