人から見られやすく、人間の体のなかでも年齢が出やすいといわれている部位・首。顔のお手入れはしっかりとしていても、「そういえば首のケアをしていなかった!」という方も多いのではないでしょうか。
後悔しないためにも、普段できることはしておきたいもの。そこで、首のしわを作らないための習慣を3人の皮膚科医の方々に伺いました。手遅れになる前に取り入れましょう。
エイジングで起こる首のしわを防ぐ習慣
そもそも、首のしわの主な原因は何なのでしょうか。東京・六本木ヒルズにある美容皮膚科「アオハルクリニック」院長、小柳衣吏子さんにお聞きしました。
■1:紫外線の影響が強いうなじもしっかりUVケアする
「老化によってできるしわのひとつに、ちりめんじわがあります。首はそれほど日焼けする部位ではないのですが、太陽光のアスファルトへの跳ね返りなどでも紫外線に当たるので、首までUVケアをしたほうがよいでしょう。
また、菱形皮膚(りょうけいひふ)という、首の後ろの部分にたくさんのしわができる現象がありますが、これは完全に光老化が原因。うなじにも日焼け止めを塗ることが大事です」
■2:UVだけでなく保湿やベロ出し運動もする
「顔と比べて首は極端に皮脂腺が少ないので、保湿ケアもしっかり行ったほうがいいですね。また、首は年齢とともにどんどんたるみ、二重あごになったり、さらに顎先と首が1枚の皮のようにつながる現象が起きてきがちです」
首の前側にできる横ジワに関しては、生まれつきの要素が大きく関係するようですが、こうしたエイジングによるしわを予防するには、「UVケアと保湿、それとベロ出し運動などで、”あごの裏の筋肉”を鍛える」とよいとか。
基本的な首のスキンケア習慣
では、首のお手入れ、具体的にどのようにしたらよいのでしょうか。自らも「極上肌」を手に入れた皮膚科医・小林智子さんによると――。
■3:リンパマッサージでむくみ・たるみもケアする
「基本的には保湿ケアがメインになってきます。首用のものでなくてもよいので、毎日顔に塗っている化粧水や乳液・クリームを、首にも塗るようにします。
また、むくみやたるみがひどいと、さらにしわができやすくなりますが、むくみやたるみの解消のためには、リンパマッサージが有効です。リンパの流れに沿って、耳の後ろから鎖骨のくぼみの方向へ、やさしくマッサージしてください」
■4:夏はストールなどで遮光する
「日々の紫外線対策も大切。あまり意識していなかった方も多いかもしれませんが、顔の紫外線対策だけでなく、首まできちんとUVクリームを塗るようにします。特に夏場の紫外線の強い時期にはご注意。ストールを巻くなどして対策を取ってくださいね」
ちなみに、最近ではレーザー治療を行っている美容皮膚科も増えているそうです。
首のしわができやすい要注意な習慣
逆に、首にしわが入りやすくなってしまう、してはいけない習慣は――? 京都・四条にある「あいこ皮フ科クリニック」院長・柴 亜伊子さんに注意点を伺いました。
■5:首に折り目をつけるしぐさはNG
「枕が高すぎたり、スマホを見るために下ばかり向いていると、あごを引くことで首の皮膚に折り目がついてしまいます。折り目をつけないようにするのが肝心で、折り畳んでばかりだとどんどん溝が深くなり、深いしわになっていきます」
■6:引っ張る・伸ばすはNG
「マッサージといいながら肌を上下に引っ張ったり、伸ばしたりもNG。顔と同じで、首のしわも引っ張ったり伸ばしたりするとそのぶん皮膚が伸び、しわやたるみの原因になります」
■7:摩擦を与えたり力を入れすぎるのもNG
「首のマッサージは、引っ張って摩擦を起こさないように。首のリンパを流すにも摩擦が起きないよう、首から左の鎖骨(心臓の上)に向かって保湿剤を塗りながら、撫でさするだけで十分です」
機器や道具を使ってのマッサージはしない方が無難。首には大事な神経や血管がたくさんあり、機器などを使うと力の入れ過ぎによる悪影響が懸念されるそう。
「首を押し過ぎたりすると、気持ち悪くなることもあります。手指を使ってやさしく撫でてあげるだけにし、なるべく触らないようにしましょう」
首も、顔と同じで紫外線対策と保湿ケアを中心に。フェイシャルケアのついでにやさしくお手入れするのが基本のようですね。そして、くれぐれもやりすぎケアには注意、ということもわかりました。
みなさんもぜひ参考にしながら、首のお手入れしてみてくださいね。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- クレジット :
- 文/小野寺るりこ