2019年最後のフィギュアスケートの試合となる、全日本選手権が開幕しました。昨日19日の女子シングルに続いて、本日20日は男子シングルの試合がスタート。

優勝候補は、なんといっても羽生結弦(はにゅうゆづる)選手。そして22歳のお誕生日を迎えたばかりの宇野昌磨(うのしょうま)選手や、今回がシングル競技の最後の試合となる高橋大輔(たかはしだいすけ)選手にも注目が集まります。

そのほか、実力と個性を備えた田中刑事(たなかけいじ)選手、島田高志郎(しまだこうしろう)選手、友野一希(とものかずき)選手、そして最強ジュニア勢の佐藤駿(さとうしゅん)選手、鍵山優真(かぎやまゆうま)選手も出場! 彼らの魅力的なキャラクターをおさらいして、この冬最後の試合をもっと楽しみませんか?

男子シングルの出場選手より、注目のスケーターをピックアップ!

【羽生結弦】4年ぶりに挑む全日本で王座を目指す

どんどん技の難易度が上がる、今シーズンのフリープログラム「Origin」。写真:長田洋平/アフロスポーツ
どんどん技の難易度が上がる、今シーズンのフリープログラム「Origin」。写真:長田洋平/アフロスポーツ
グランプリファイナルのエキシビションの練習ではこんな笑顔も。写真:長田洋平/アフロスポーツ
グランプリファイナルのエキシビションの練習ではこんな笑顔も。写真:長田洋平/アフロスポーツ

ネイサン・チェン選手とのハイレベルな対決となったグランプリファイナルでは準優勝となった羽生選手。エキシビションのフィナーレでは、紙テープで金メダルを手作りするお茶目な姿も。全日本選手権では、最高難度の4回転ルッツや4回転アクセルを構成に組み込むか、注目が集まります。

イヤホンマニアでもあり、ウォームアップ中も音楽を聞きこんでいる姿が印象的。好きなJ-POPはONE OK ROCK、BUMP OF CHICKEN、Hi-Fi CAMPなど。また、漫画『東京喰種トーキョーグール』のファンであり、人気ゲーム『モンスターハンター』をこよなく愛する顔も。

【宇野昌磨】強い思いを胸に、ランビエール氏と新章をスタート

筋力と柔軟性を生かした宇野選手の代名詞、クリムキン・イーグル。写真:AP/アフロ
筋力と柔軟性を生かした宇野選手の代名詞、クリムキン・イーグル。写真:AP/アフロ
ロシア杯のキス&クライ。ステファン・ランビエール氏とほっとした表情に。写真:ロイター/アフロ
ロシア杯のキス&クライ。ランビエール氏とほっとした表情に。写真:ロイター/アフロ

全日本3連覇中の宇野選手は、12月17日に22歳になったばかり。上半身を後ろに反らせたまま滑るクリムキン・イーグルが代名詞です。幼少期から指導を受けてきた山田満知子、樋口美穂子両コーチのもとを離れ、コーチ不在で迎えた今シーズン。苦難もありましたが、グランプリシリーズのロシア杯より、トリノ五輪銀メダリストのステファン・ランビエール氏が帯同することに。この新たなタッグに期待が高まります。

プライベートでは、スマホでできるオンラインゲーム『ベイングローリー』『荒野行動』を愛するゲーマーの一面も。2020年東京五輪の聖火リレーのランナーにも内定しています。弟の樹さんは、陸上ホッケー選手兼モデルとして活躍中。

【高橋大輔】不死鳥の舞で、シングル最後の試合に挑む

昨シーズンから持ち越しとなったフリー「Pale Green Ghosts」。写真:長田洋平/アフロスポーツ
昨シーズンから持ち越しとなったフリー「Pale Green Ghosts」。写真:長田洋平/アフロスポーツ
アイスショーで披露した「The Phoenix」には大きな歓声が。写真:松尾/アフロスポーツ
アイスショーで披露した「The Phoenix」には大きな歓声が。写真:松尾/アフロスポーツ

これが1年ぶりの試合となる高橋選手。シングル競技としては最後となり、来季からは村元哉中選手とアイスダンスへ転向。2020年1月から拠点をアメリカに移し、このカップルで2022年の北京五輪への出場を目指します。

今シーズンのショート「The Phoenix」は、ビヨンセやレディー・ガガなどのダンスを手がけたシェリル・ムラカミさんが振り付けた話題作。フォール・アウト・ボーイの音楽に合わせて踊るハードナンバーとなっています。

今夏出演した、歌舞伎とのコラボレーションによるアイスショー『氷艶hyoen 2019 -月光かりの如く-』では主役の光源氏を演じ、セリフや伸びやかな歌声も披露。カラオケでの十八番はback numberだそう。

【田中刑事】トラブルも乗り越え攻め続ける、不屈の精神

宮本賢二氏振り付けによるフリー「シャーロック・ホームズ」。写真:YUTAKA/アフロスポーツ
宮本賢二氏振り付けによるフリー「シャーロック・ホームズ」で名探偵に。写真:YUTAKA/アフロスポーツ
エキシビションナンバー「Pump It」でパフォーマーぶりを発揮。写真:Osports Photos/アフロ
エキシビションナンバー「Pump It」でパフォーマーぶりを発揮。写真:Osports Photos/アフロ

高橋選手と同じ倉敷出身で、羽生選手と同学年の25歳。スケートカナダでは、大会前に乗ったタクシーで追突事故に遭うというトラブルに見舞われましたが、見事4回転サルコウを決め、3位入賞。今シーズンのフリーでは映画『シャーロック・ホームズ』のサウンドトラックを使い、ドラマティックな演技を披露します。

『ジョジョの奇妙な冒険』の大ファンで、東方仗助を演じたエキシビションナンバーも有名な田中選手。今シーズンのエキシビションは、ブラック・アイド・ピーズの「Pump It」にのせたナンバー。レザージャケット風の衣装で“攻める”演技を披露します。

【島田高志郎】スイスを拠点に才能を磨く、男子の若手ホープ

このスラリとしたスタイルの良さも島田選手の魅力の一つ。写真:森田直樹/アフロスポーツ
このスラリとしたスタイルの良さも島田選手の魅力の一つ。写真:森田直樹/アフロスポーツ
エキシビションで演じたクイーンの「I want to break free」ではこんな演出も。写真:坂本 清/アフロ
エキシビションで演じたクイーンの「I want to break free」ではこんな演出も。写真:坂本 清/アフロ

長い手足と豊かな表現力を持った、注目の若手エース。15歳で単身スイスへと練習拠点を移し、ステファン・ランビエール氏に師事。その後、左内転筋を断裂して休養しましたが、復帰後は2018年ジュニアグランプリファイナルで3位に輝きました。映画『アーティスト』のサウンドトラックを使った今季のフリーは、故デニス・テン選手も演じた本人憧れのプログラムだそう。

同門でトレーニングメイトのデニス・ヴァシリエフス選手(ラトビア)とは刺激を受け合い、プライベートでも一緒に遊ぶ仲なのだとか。料理や音楽鑑賞も趣味という島田選手ですが、サンドウィッチマンが好きという一面も。

【友野一希】情熱の『ムーラン・ルージュ』は自身の代表作となるか?

フリーの「ムーラン・ルージュ」は本人もお気に入りのプログラムだそう。写真:Daria Rudakova/アフロ
フリーの「ムーラン・ルージュ」は本人もお気に入りのプログラム。写真:Daria Rudakova/アフロ
エキシビションナンバーの「Freaks」では「荒ぶるトランペッター」を演じます。写真:Dave Carmichael/アフロ
エキシビションナンバーの「Freaks」では「荒ぶるトランペッター」を演じます。写真:Dave Carmichael/アフロ

西日本選手権で逆転Vを果たすなど、勢いのある友野選手。フリーの後半になってもスピードの落ちない、安定した演技が強みです。4回転サルコウ、トウループの他にステップも強化しており、スケートアメリカではショート・フリーともに、レベル4を獲得して5位に。フリーの「ムーラン・ルージュ」はミーシャ・ジー氏の振り付けで、内に秘めた闘志を感じさせるプログラム。気迫のタンゴで会場を沸かせます。

プライベートではラーメン好きで、自身のインスタグラムにもラーメン投稿が多数。また、TV番組でラーメンを紹介するコーナーに出演することも。

\★ジュニア選手にも注目!/

【佐藤駿】羽生結弦を追いかける、15歳のジュニアチャンピオン

フリーの「ロミオとジュリエット」は羽生選手も演じたニーノ・ロータ版。写真:田村翔/アフロスポーツ
フリーの「ロミオとジュリエット」は羽生選手も演じたニーノ・ロータ版。写真:田村翔/アフロスポーツ
羽生選手と並んで参加したグランプリファイナルのエキシビション練習。写真:長田洋平/アフロスポーツ
グランプリファイナルのエキシビションの練習で羽生選手と。写真:長田洋平/アフロスポーツ

羽生選手を輩出した宮城県の「アイスリンク仙台」でスケートを始めたという佐藤選手。2019年のジュニアグランプリファイナルでは初参戦ながら、自己ベストを大幅に更新して優勝! 小塚崇彦氏、羽生選手、宇野選手に続く日本人4人目のチャンピオンとなりました。フリーでは大技4回転ルッツを成功させ、2.96もの出来栄え点を獲得したことでも話題に。ジュニア世界最高記録を叩き出した、注目の新星です。

宝物は、幼稚園時代に羽生選手からもらったペンダントだそう。ファイナル後はリンクサイドで羽生選手と仲良く会話する姿も。次世代の金メダリストになってほしいですね!

【鍵山優真】五輪選手の父を持つ、「踊れる」次世代エース候補

フリーの「タッカー」では高い演技構成点をマーク。写真:田村翔/アフロスポーツ
フリーの「タッカー」では高い演技構成点をマーク。写真:田村翔/アフロスポーツ
ジュニアGPファイナルの練習では佐藤選手と仲良く声を交わすシーンも。写真:Raniero Corbelletti/アフロ
佐藤選手は氷上のライバルであり、良き友人という特別な存在。写真:Raniero Corbelletti/アフロ

父でコーチの鍵山正和氏は、1992年アルベールビル五輪および1994年リレハンメル五輪男子シングルの日本代表。16歳の鍵山選手も、全日本ジュニア選手権ではフリー・トータルとも非公認ながらジュニア世界最高得点を上回るハイスコアを記録しました。親子で座ったキス&クライでは、正和氏が感激の涙を流すシーンも。

技術点だけでなく、演技構成点でも高い評価を受けており、映画『タッカー』のサウンドトラックを使ったフリーでは“踊れる”一面も存分に発揮。全日本選手権ではショートで4回転ジャンプを組み込む予定だそう。

趣味は「趣味はゲーム、寝ること、運動」という、意外にゆるい(?)一面も。将来は、親子2代で五輪出場を果たしてほしいですね。

<全日本フィギュアスケート選手権大会の主な日程>

・2019年12月20日(金) 男子シングル(ショートプログラム)
・2019年12月21日(土)女子シングル(フリースケーティング)
・2019年12月22日(日)男子シングル(フリースケーティング)

このほか、ペアやアイスダンスなど、華麗なスケート競技が国立代々木競技場を舞台に順次開催されます。現地観戦をされる方も、TV観戦をする方も、令和最初の全日本選手権をめいっぱい楽しんでくださいね。

今回紹介しきれなかった選手の中にも、魅力的なスケーターがたくさん。出場選手たちがベストな演技を披露できるよう、愛ある声援を送りましょう!

Precious.jpでは、今後も強く美しく戦うフィギュアスケーターたちを応援すべく、さまざまな情報を発信してまいります。どうぞ、ご期待ください!

※高橋大輔選手の「高」は正式には「はしご高」です。

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この記事の執筆者
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WRITING :
Fuyuko Tsuji