【目次】
【パーツ別】大人に似合う濃いメイクテク
存在感のある「大人の太眉」の描き方
きついベタ眉にならずに、存在感のある美人太眉が手に入る描き方
眉頭下の最大のポイントは底辺をアイホールの骨部分まで太く仕上げること。ちょっと描くのに勇気がいるくらい大胆な太さに感じますが、これこそが若々しい印象につながるのです。肌なじみのいいオリーブブラウンのペンシルで、眉毛の合流点から眉頭に向かってスッスッと、眉頭の端の8mm手前のアイホールの骨部分を目指して底辺を描いていく。次に中央を同じく眉毛の合流点から眉頭の8mm手前まで描いていく。この時点では描きましたという眉になり、やや不自然に見えるけれど、次のステップでぼかすので問題ありません。仕上げに眉毛の合流点あたりから、ノーズシャドウをつくるように鼻筋に指でさっとぼかせば、眉頭下は完成。これだけ太く描いてこそ、貧相眉が解消され、メリハリ感が生まれるのです。
底辺を太く描き、眉頭の中心を寄せて骨格を際立たせる
眉間は狭すぎればギスギスしてきつく見えるし、広すぎれば間が抜けた顔に…。正しい位置であれば、顔の求心力が高まり、たるみ解消にもつながるから、まずは位置の確認をしておきましょう。
1:起点は眉毛の合流点。アイホールの骨に沿うように底辺を描く
眉毛の合流点とは上と下からの毛流れが合わさっている部分。ここを起点に眉頭方向にアイブロウペンシルで軽いタッチで底辺を描く。アイホールの骨に沿うように太めに描くのがコツです。
2:抜け感をつくるために描くのは眉頭の先端から8mm手前まで
小鼻の付け根の延長とノーズシャドウ上辺が交わる部分が眉頭の先端ですが、抜け感をつくるために、描くのは約8mm手前まで。目頭の延長線とアイホールの骨部分が交わるところが止め位置です。
3:眉頭の中央を描く。起点は同じく眉毛の合流点から
スカスカになってしまった隙間を埋めるために、底辺だけでなく中央も描くとメリハリ感がアップします。1と同様に眉の合流点が起点に。止め位置も眉頭の先端の8mm手前までに。
4:ノーズシャドウ効果でメリハリ感を。眉頭から鼻筋横にさっとぼかす
描いた眉頭の止め位置(目頭の延長線とアイホールの骨部分が交わるところ)から、鼻の付け根へとぼかして。のせているとわかると作為的になるので、わからないくらいで十分です。
「大人の太眉」は大胆に!眉頭をアイホールまで美しく仕上げる4ステップ
薄いまだら眉を「平行太め眉」にする方法
薄くまだらな眉をナチュラルな平行太め眉に変えるテクニック。ペンシルで足りない部分を足してから、アイシャドウブラシでパウダーをのせると、「いかにも描きました!」感のない、ナチュラルな平行太眉が完成します。
ペンシルの上にパウダーを重ねてナチュラルな平行太め眉に
「まず、スクリューブラシで毛流れを整えておくことが、大人の眉メイクにはマストです。その後、ペンシルで足りない部分を補っていきます。その際のポイントが2点。1点めは、ペンシルのカラーは、グレーやダークブラウンなど、自眉の色と近いカラーを選ぶこと。明るいカラーを選びがちですが、そうすると、自眉と描き足した部分がなじまなくなります。2点めは、ペンシルでラインどりをしないこと。1本ずつ植毛するようにていねいに描き足して、眉の形や濃さを整えます。その後、明るめのパウダーをふんわり肌にのせることで、ナチュラルで上品な平行太眉に。アイシャドウブラシを使えば、よりやわらなか仕上がりがかないます」(ヘア&メイクアップアーティスト 長井かおりさん)
1:スクリューブラシで眉をとかす
アイブロウペンシルのスクリューブラシで眉をとかし、毛流れを整えておきます。ブラシの付け根を軽く折り曲げておくと、眉とブラシがフィットしやすくなります。
2:足りない部分を描き足す
アイブロウペンシルで、眉の足りないや薄い部分を1本ずつ描き足していきます。その後、再びスクリューブラシでとかし、描き足した部分をぼかしながら定着させます。
3:パウダーをのせる
アイシャドウブラシにアイブロウパウダーをとり、肌を染めるような要領でのせていきます。
ふんわりナチュラルな平行太め眉の完成
ブラウンで「目力増強メイク」方法
目を大きく見せようと、昔のデカ目メイクのように、黒ラインを太く入れたり、ダークなアイシャドウで目を囲んだりしていませんか。それ、すべて【シジミ目(大人の加齢による小さな目)】には逆効果。目を大きく印象付けるには、明るい色で目を大きく拡張しつつ、まつげと黒目をブラウンで強化する【ホタテ目メイク(小さい目をグッと大きく見せる)】が有効です。
小さい目をグッと大きく見せる【ホタテ目メイク】
〇明るいベージュで目のエリアを大きく拡張
〇ダークブラウンのアイラインでまつげと黒目を内側から強調
小さい目をさらに小さく見せる【シジミ目メイク】
×黒いアイラインが悪目立ち
×締め色で目の周りを囲んで目が縮む
【シジミ目(大人の加齢による小さな目)】を目を大きく印象付けるには、第1に、アイシャドウの範囲を今のシジミ目に合わせるのではなく、もうひと回り大きく、目のエリアを360度拡張する意識で塗ること。プラスαでヘア&メイクアップ担当のAYAさんがおすすめするのは、眉頭から目頭にかけてノーズシャドウをひとはけすること。「大人が気になる、目と眉の間の余白を埋め、目元の間延び感を解消してくれます」(AYAさん)。第2に、まつげと黒目を130%強化すること。黒いアイラインで200%盛る必要はありません。黒で囲むと、かえって目が小さく見えてしまいます。まつげの生え際をインサイドから埋めて、まつげが増えたように見えればOK。
AYAさんのインサイドラインのおすすめはダークブラウン。「まつげが細く少なくなってきた大人の目の際に、黒のアイラインは悪目立ちすることも。ダークブラウンなら、自然にまつげの密度が上がったように見えます」AYAさん。ふたつの意識改革で、目はもっと華やかに、大きく印象付けることができます。
POINT1:ベージュのアイシャドウで目のエリアを拡張する
アイシャドウの範囲は今のシジミ目に合わせてはダメ。もうひと回り大きく押し広げるように塗りましょう。
1:目と眉の距離を近づけるためノーズシャドウを
年と共に離れていく眉と目を近づけ、目元の間延び感を解消。ノーズシャドウにはこんな効果もあるのです。肌色よりもやや濃いアイブロウパウダーの色を、眉頭から目頭に向かってひとはけするだけ。
2:くぼみの影を消すだけで目尻が不思議と上がって見える
年齢を重ねると目周りには想像以上の赤みやくすみが。特に、目尻のくぼみは、くすみが際立つところ。ここをコンシーラーで埋めるだけで、レフ板効果で影が飛び、目尻がグッと上がって見えます。
3:アイシャドウは塗ったところまでが目!
アイシャドウは最大で眉尻の手前(Aの部分)まで拡張してOK。目の下も同じベージュで拡張します。黒目の終わりから目尻まで(B)は、もうワントーン明るい色をのせると、目が上向きフォルムに。
POINT2:ブラウンのアイラインで目の存在感を強化する
まつげと黒目を強調するならインサイドライン。ダークブラウンでまつげの根元を埋めるだけで目力アップ。
1:ビューラーはアイラインの前にするのがいい
いつもはマスカラの前にするビューラー、これからはぜひインサイドラインの前にして。まつげの根元が見えやすくなり、インサイドラインを入れやすくなります。
2:インサイドラインでまつげを増やし黒目を大きく
苦手という人も多いインサイドライン。一筆書きの必要はなく、まつげの生え際を裏側から点で埋めるだけ。指でまぶたをしっかり持ち上げると描きやすくなります。色はダークブラウン。
3:インサイドの次はアウトサイド。眼差しをグッと印象的に!
今度はまぶたの表から目の際に細くダークブラウンのアイシャドウで(C)の部分にラインを。Wラインにすることで、インサイドラインのガタつきが解消され、一体感がアップ、目のフレームも強化されます。
目力増強メイク【黒は逆効果、ブラウンこそ大きく見せる色】メイクテクを伝授!
ぱっちり印象的な目元になれる「アイメイク」方法
目力を強化させるとなると、どうしても「強さ」を求めてしまいがちですよね。しかし、大人の目力にはやりすぎ感が否めません。そこで今回は、上質で品のある目力を3ステップでかなえます。順番は、(1)透かしアイシャドウ、(2)カールマスカラ、(3)点アイライナーです。
POINT1:水彩画のような透明感のある発色「透かしアイシャドウ」でまつげを際立たせる
若いころの目力が「強さ」だとしたら、大人の今の目力は「繊細さ」で引き出します。繊細さで目力を出すには計算が必要。繰り返しになりますが、目の大きさは上まつげの先端から下まつげの先端まで。そのため、まつげを縦に広げ、最大限に生かします。そして、そのまつげの存在感が際立つ、透明感のある発色のアイシャドウを選び、まつげの引き立て役に徹底させるのです。最後は、まつげの隙間を埋める点アイライナーでまつげ増毛の疑似効果を出すだけ。それでも、目力は驚くほど宿るようになるのです。
POINT2:「カールマスカラ」でまつげ1本1本をセパレートしながらカールさせて目を縦に大きく見せる
まつげを長く見せるには、もちろんロングラッシュタイプのマスカラが必要不可欠。しかし、それにも増してポイントとなるのがカール力です。しっかりと根元から立ち上げ、キープする力が大人のまつげにはマスト。カール力、そしてロングラッシュ効果、さらにセパレート力もあったら、大人にとって最強の目力アップマスカラです。
POINT3:「点アイライナー」で隙間を埋めてまつげが密集しているように見せる
まつげとまつげの間が抜けて見えると、せっかくの透かしアイシャドウやカールマスカラの効果が半減し、スカッとした弱い印象になってしまいます。そのため、アイライナーで点々と隙間を埋めておくという細部にまで手を加える必要が。それには、ライナーの先端が細いと使いやすく、失敗がありません。
透かしアイシャドウ&カールマスカラ&点アイライナーの入れ方
1:秋色を感じさせながらもまつげを際立たせて見せる、透かしアイシャドウの塗り方
目力というと、しっかりとアイシャドウで目元に立体感をつくり、引き締めないと! と思う方が多いのですが、実はこれ、逆効果になることが。冒頭でもお伝えした通り、目の大きさは上まつげから下まつげまでの先端から先端までを意味します。ということは、まつげの存在がしっかり見えないと目力が存分に発揮されないことになるのです。締め色のアイシャドウをしっかり塗ってしまうと、まつげが濃い色に重なってあまり認識できません。それでも目力は出るかもしれませんが、大人の品格ある目力は宿りにくくなってしまうのです。しかし、この秋の水彩画のような透け感のあるアイシャドウなら、まつげをくっきりと際立たせる効果が出ます。
(1-1)まぶたの中央にアイシャドウをおいてアイホールにのばす
塗るとき、まずはアイシャドウを薬指にとります。アイホール全体にのばしていくので、薬指の第一関節分を指にとってみてください。そして、ちょうど黒目の上あたりに薬指をのせましょう。
(1-2)薬指でワイパーのようにしてなじませる
1で上まぶたにのせた薬指を、ワイパーのように左右に大きく動かしながら、のばしていきます。このとき、黒目の上がいちばん濃く、目頭と目尻に向かうにしたがって自然と淡くなるようにしましょう。すると、自然なグラデーションがついて、肌なじみがアップします。
(1-3)下まぶたにも同じ色をスッとひと筋のせる
下まぶた用に、上まぶたにのせたのと同じアイシャドウをチップ、または綿棒にとる。黒目の下におき、目尻側、目頭側へとぼかす。涙袋分の幅になるようにのせるとちょうどよい。
2:上品なのに目を縦に大きく広げてパッチリ見せる、カールマスカラのつけ方
私たちは、目力のあるまつげ=ボリュームと思いがちです。確かに若いころならいいのかもしれません。ですが、品格のある大人の目力を目指すなら、断然まつげの長さとカールのふたつが必要になります。理由は、まつげ1本1本にはボリュームが出るものの、束になってしまい、まつげの本数が少なく見えてしまうから。けれども、しっかり根元からカールさせて、まつげに長さを出し、扇状にキレイにセパレートすると、パッと華やいだ印象の、上品な目力がかなうようになります。このとき、下まつげにも長さをしっかり出すように塗ると、より効果的です。
(2-1)上まつげを根元から持ち上げて目頭方向へ
マスカラは、ブラシをよくしごき、液を適度に落としてから塗るのが鉄則。ブラシを中央のまつげの根元に当て、目頭の方向に引くように持ち上げて塗ります。すると、自然と扇状に広がるように。
(2-2)目尻側はブラシの先端で斜め上へと引き上げる
目尻側はブラシの面ではなく、先端を使って、まつげの根元からグッと押し上げるようにしながら塗っていきましょう。目尻側1/3までを、同じように先端で塗っておいてください。
(2-3)下まつげは目尻から中央に寄せるように
下まつげに塗るときは、ブラシの先端など細かく塗れる部分を使い、目尻側から中央に向かって寄せるようにして塗ります。下まつげは目尻側に多く生えている場合があるため、下に長さを出すため、中央に寄せると効果的です。
(2-4)最後に下まつげを下に向けて整える
中央から目頭の下まつげを下に向かって引くようにして塗ります。最後にまつげ全体をとかすようにして真下に向かって塗り、毛流れを整えればOK!
3:隠しラインでまつげを格段に増量させて見せられる、点アイライナーの入れ方
透かしアイシャドウに、しっかりカールされた長いまつげに仕上がったとしても、それだけでは実は足りません。点アイライナーを入れたほうが目力が強いのは明らかです。まつげとまつげの間に隙間があると、せっかくアイシャドウやマスカラで上品な目力を出していても、少し間が抜けて見えてしまいます。しかし、しっかりとまつげの隙間を埋めてあると、キュッと引き締まって見え、より目力が強く見えるようになるのです。ここで注意したいのが、ラインの引き方。目の際にラインを引くのではなく、まつげの隙間を埋めるだけのさりげないラインのほうが繊細で品格のある目力が実現します。
(3-1)アイライナーで埋めたい場所はまつげとまつげの間
顔の斜め下から鏡をのぞき込むと、まつげの隙間がよく見えるもの。このまつげとまつげの間をつなげるようにして、アイラインを入れていくと、まつげが密集して生えているように見えます。
(3-2)小さく左右に描きながら埋めていく
アイライナーの先端で、まつげの隙間を左右に小さくジグザグさせながら埋めていきます。このとき、アイライナーの先端はまつげの下から差し込むような形で描いていくのがコツ。黒目の上から目尻に向かってまず入れていきましょう。
(3-3)目頭はそっと抜くように最後は細く
黒目の上から目頭に向けては、まつげのある部分を埋めていきます。また、目頭に向かうにしたがって徐々に細くなるように埋められると、自然な印象の仕上がりに。最後のまつげの部分は、スッと力を抜くようにラインを入れてみてください。
ボンヤリ目元が若返る!品格を失わずにしっかり目力がアップする「簡単3ステップ」
大人こそ「下まつげ」にマスカラを!余白も埋まる全方位マスカラ
アイシャドウ同様、上まつげにはマスカラを塗る人がほとんどなのに、下まつげにまでマスカラを塗る人はほんのひと握り。上まつげの長さを出し、扇状に広げて、上まぶたや横顔の余白を埋めることはもちろんですが、下まつげもしっかりと存在感を出してあげると、下まぶたのアイシャドウとの相乗効果で、頬の間延びした余白を埋めることが可能に。下まつげは人によってはまばらだったり、短かったりするかもしれません。ですが、それでもマスカラを塗ることで、しっかりと存在感が示され、余白埋めにひと役買ってくれるもの。目頭から目尻まで、今あるまつげ全体にマスカラを塗ってみて。印象がまるで変わるはずです。
1:上まつげは扇状になるように
上まつげは根元からしっかりとビューラーで立ち上げ、目頭側、目尻側のまつげも存在感が出るようにしっかりと塗り、扇状になるようにしっかりとセパレートしておく。
2:下まつげを起こしていく
マスカラを縦に持ち、左右に小さく振るようにしながら、下まつげにマスカラを塗っていく。寝ていた下まつげを起こして浮かす役割を果たすポイントに。
3:下まつげの長さを出していく
ブラシを横に持ち替え、下まつげを下に向かって引くようにして、今度は長さを出すように塗っていく。最後に、下まつげもきちんとセパレートするように整えておいて。
大人こそ「下まつげ」にマスカラを!間延びした顔をキュッと締めるマスカラ3ステップ
上品「赤リップ」を使いこなす方法
人気の赤リップ、使いこなせていますか? ここぞという華やかな場面に使いたいと思っても、鮮やかすぎてやっぱり苦手、唇だけ浮いてしまいそう……などと、しり込みしてしまう方も多いのではないでしょうか? そんな「赤リップ」をまとった唇をより美しく見せるための、プラスαのワザをご紹介。さらに失敗しがちなチークとのバランスについても解説します。
1:リップグロスは「ゴールド系グロス」で色浮き防止を!
ゴールドの輝きは肌なじみをよくし、艶もプラスしてくれるため、レイヤリング発想のゴールド系リップグロスが1本あると便利です。赤リップに挑戦したくても、浮いて見えそうなのが気になる……というときに、重ねてみるとよいでしょう。上下の唇の中央にのせるだけで、赤リップの色浮きを抑えるだけでなく、光の効果で薄い唇がふっくらボリュームアップして、口角上げの錯覚効果も。さらに、ラグジュアリーな輝きが若さや生命感を印象づけ、夕方の疲れた印象を一気に吹き飛ばしてくれるメリットもあります。
2:チークは自然な血色を生む「コーラル系を控えめ」に入れる
こっくりとした赤の「会食リップ」をつけたときは、チークは目立たせず、発色は控えめにしたほうがバランスがGOOD。いつものベージュリップに合わせる発色抜群のピンクやオレンジでは、トゥーマッチになり、厚化粧に見えてしまいます。肌なじみがよく、自然な血色を生む淡いコーラル系を選びましょう。そして重要なのは、チークをブラシにつけるときの動作。チークにブラシをゴシゴシとこすりつけてしまうと、とりすぎてしまいます。ブラシの先端から半分の面積に2回なでつけるように色をとれば十分。つけるのは片面のみで大丈夫です。両面にまんべんなくつけると濃くつきすぎるかもしれないので、少ないかも?と思うくらいでよいでしょう。
3:リキッドリップは正しいブラシ塗りで「キリッと引き上がった口元」に
大人はスティックでもリキッドでも、直塗りではなくブラシで塗るとよいでしょう。なぜなら加齢とともに唇の色素が後退し、上唇が薄くなる、左右の厚みが変わってくる、口角が下がって見える、というときにも失われた輪郭の修正が簡単だからです。リップブラシにリップをとる量は〝たっぷり〞が基本。下唇の中心から外に押し広げるように塗ってから、輪郭を整えます。輪郭から塗り始めると、端にリップがたまり品のない口元になるので要注意です。上唇は、下唇と同様に唇全体に塗ってから輪郭を描きます。このときに口角にブラシを差し込んで端まできちっと塗ることで「口角上げ」効果が生まれます。
\抜群の「口角上げ」効果がある4ステップ/
1:リップベースを縦ジワを埋めるように塗る
リップベースを塗ります。左右に滑らせて塗るとシワの溝が埋まりにくいため、縦ジワの凹みを埋めるように溝に沿って〝縦塗り〟します。
2:下唇の中央から塗り始め、上唇に移してのばす
リップは初めに、下唇の中央にのせます。それから〝んーっ〟として上唇に移してのばします。さらに下唇全体を塗ってから、上唇をアバウトに塗っていきます。
3:輪郭を補正する
上唇全体を塗ったあとに輪郭を補正します。上唇の山は色素が後退して曖昧になっているので、鋭角的ではなく、丸みのあるなだらかな山で立体感を強調しましょう。
4:上唇の口角から山は1mmはみ出し、ふっくら感を
上唇の口角から山にかけては、1mmはみ出しふっくら感をプラス。唇がやせてしまった貧相な唇をふくよかに見せるワザです。これをするのとしないのとでは、見た目印象の若々しさに差が出ます。
\コンシーラーはくすみを消して「口角を引き上げ」/
口周りは乾きやすいため、くすみが起こりやすい部位。さらに口角下はたるみでできてしまったマリオネットラインが影をつくり、いっそう口元を暗く、口角も下がって見え不満顔に……。これでは「赤リップ」の肌映え効果は半減してしまいます。解決策は、自分の肌色よりも一段明るめのコンシーラーを、口角下にサッと塗ること。のせた後に指でなじませます。のせたのかどうかわからないくらい、ほんのり明るくなるだけで十分です。くすみやたるみの影が消えるハイライト効果で、口角がキュッと上がって見える、うれしい錯覚作用が生まれます。
浮かない・落ちない・厚化粧にならない!流行の赤リップやチークを使いこなすコツ
濃いメイクにおすすめのお目立ちアイテム
旬の赤み系で統一した「血色感アイテム」
今や定番となった、赤み色のアイメイク。血色系のアイカラーは使うだけで最旬顔になれる最強色です。ここに黒のアイラインやマスカラは不要。思いきって3点セットすべてを赤み色で統一。重ねた赤みの美しさで、目元の鮮度を高めましょう。
1:クマやくすみなどのネガティブを光色で消す
アイメイクの準備段階として、目周りの色の不均一を調整します。Aの光色をまぶたの上と目の下に広くなじませ、色ムラや凹凸の影を光で飛ばします。仕上がりに大きな差が出る、はずせないステップです。
目の際から上に向かって、ブラシを左右に往復させながらなじませます。目の下は目尻から目頭へなじませて。
2:黒の代わりに影色で骨格を強調し目力アップ
シェードカラーで目の際とアイホールのくぼみに影をつけ、目元の印象を強化します。この影色を仕込む工程は、〝脱・黒〟では非常に重要な作業です。Bの影色を目の際からアイホールのくぼみにぼかします。
ブラシを往復させ、目の際からアイホールのくぼみをシェーディング。もともとまぶたがくぼんでいる人は際だけでOK。
3:赤み色の華やかさでメイクがきまる
今回の主役となるのは黄みのある赤み色。Cの色を、二重の人は二重のラインより少し出るところまで、奥二重や一重の人は目を開けたときに色が見えるところまで、ぼかします。目の下にも約2mm幅で入れます。
目の下は細いチップに替えて、目尻から目頭へなじませて。目の下の目頭側5mmは何も塗らないのが抜け感を出すポイント。
4:さらに赤みをプラスして眼差し印象を強化
ステップ3まででアイカラーは完成しているけれど、さらにDのピンクよりの赤みを上まぶたに重ねて、強さを出してもいい感じに。Dの色をCと同じ範囲にプラスします。初めに色をおいたところが最も発光するので、上まぶたの中央から周囲に広げていく重ね方がおすすめです。
5:アイラインも黒は使わない。赤み色でしっかり締まる
アイラインはシックな赤紫ニュアンスのプラムカラーを選択。目の上の際を全体的に埋めたら、目尻から先は、下げたり上げたりせずに、水平に約5mm伸ばします。目の下には入れなくてOK。
目尻はフラットに5mmで若々しい印象に。目の下にラインを入れると、目が締まってかえって小さく見えるので入れません。
6:赤み系のマスカラでも生え際と黒目は強調できる
マスカラももちろん黒は使わない。赤みのアプリコットカラーでしっかり目力をアップします。まつげはそもそもが黒いので赤みの色でもフレーム強化できます。根元にしっかり差し込んで立ち上げます。
下まつげを塗るときは、ブラシを縦にして左右に振りながら、根元から毛先まで1本1本に丁寧に塗ります。
マスクを取ったら最旬メイクに更新!“脱・黒アイメイク” で顔印象をブラッシュアップ
一点豪華な「グリッターリップ」
「大人の場合は、気合を入れ過ぎてあれこれ盛ってしまうとただケバくなるばかり。ワンポイントチェンジでいつもと違う、特別感ある華やかさを纏ってみませんか。今なら断然おすすめなのが『グリッターリップ』です! グリッターというと若い女の子たちのもの、という印象を持たれるかもしれませんが、繊細な輝きと深みが融合した進化系グリッターリップは、大人にこそぜひ使ってみて欲しいアイテムです」(ヘア&メイクアップアーティスト 小田切ヒロさん)。
1:「グリッターリップ」は直塗りで大胆に!が正解。
「『グリッターリップ』は中途半端に塗らず、大胆に塗ってこそ、その魅力が映えます。輝きと色を唇にしっかりのせるように直塗りしましょう。濃い色のリップを塗るときは、いきなり輪郭から塗らず内側から塗り始めるとキレイに仕上げられますよ」(小田切さん)。
2:下唇の口角をキュッと鋭角に仕立てて、気品ある口元に。
「下唇の口角1㎝にの輪郭を綿棒で綺麗に整えましょう。このひと手間で唇がぐっと美しく、品格と清潔感も際立ちます」(小田切さん)。
センスのいい大人の女性は赤リップを選ばない。旬な美しさがあふれる「グリッターリップ」の着こなし方
シーン別&着る服別の濃いメイク
大人の洗練「パーティーメイク&ヘア」
仕事でもプライベートでも、人と集まる機会が多くなる年末年始シーズン。カジュアルな会だとしても、気合入れ過ぎ感が出ない程度に、ちょっぴり華やかに決めていきたいですよね。そんな特別な日のヘアメイクのポイントについて、人気ヘア&メイクアップアーティストの小田切ヒロさんに聞いてみました!
「まず、大人の女性としてTPOをわきまえた、気品あるヘアメイクであることが大前提。どんなに疲れていたとしても、それが見た目に出ているようでは、一緒に過ごす相手が楽しめなくなってしまうかも。その場を楽しみつつ、周囲を心地よく包み込むような、フレッシュさと華やかさを兼ね備えたヘアメイクに。ポイントとなるのは、髪と肌。パサついた髪は疲れ感と老けを感じさせます。ワックスを少量なじませて、しっとりとした束感を出すことで、フレッシュかつ垢抜けた印象に。また、みんなで写真を撮ったら、自分の顔がテッカテカだった…なんて経験はありませんか? テカリや濁りを寄せ付けない澄んだセミマット肌を仕込んでおけば、そんな惨事も回避できますよ」(小田切さん)。
1:写真映えまで配慮した、セミマット美肌をメイク
「ベースメイクでは、テカリを寄せ付けず、毛穴や小じわが目立たないなめらかな肌に整える部分用下地を仕込みましょう。重ねるファンデーションやチークの密着度も高まるので、綺麗な肌と華やかな表情もキープできますよ」(小田切さん)。
2:ヘアワックスをつけたコームでとかし、繊細な毛束感をつくる
「ウェットな質感に仕上がるヘアワックスを少量手のひらに出し、コームの先端に薄くなじませます。そのまま前髪など顔まわりの髪をさっととかすと、今っぽい繊細な毛束感を簡単につくれますよ」(小田切さん)
\「大人の洗練パーティーヘア&メイク」におすすめのアイテム/
「オーガニックのカカオバターを配合したムーの部分用下地は僕のメイクの必需品のひとつ。肌を乾燥させることなくなめらかな質感に整えてくれて、テカリも毛穴目立ちもない肌をキープできます。大人の女性におすすめです! ウカのヘアワックスは、ベタつき感や重さのないウェット感が絶妙。こなれた印象のヘアスタイルを簡単につくれますよ」(小田切さん)。
空間映え、写真映えまで叶う!綺麗に差がつく「大人の洗練パーティーヘア&メイク」
「メガネをかける日」のおしゃれ顔メイク
メガネは顔の面積を大きく占めますから、メイクとの掛け合わせでワンランク上のお洒落と小顔効果が叶います。小田切さん流の「メガネをかける日」のメイクのルールをご紹介!
「視力を補うためでも、ファッション小物として取り入れるとしても、ただかけるだけでは勿体ない。それに大人の女性が普段と同じフルメイクでメガネをかけると、老けて見えてしまうことも。メガネをかける日のメイクは、リップ以外は大胆に引く、が正解です。洗練された抜け感をつくりつつ、メガネとリップの印象で顔の面積をぐっと縮小させることで小顔効果を狙います。リップの色は赤を選びがちですが、それだと古い印象になりやすいので、旬なブラウン系を取り入れると今っぽく洒落た表情が叶います」(小田切さん)。
1:最初にリップを塗ることで、他のパーツの引き算がしやすくなる
「メガネありき、リップ以外は引き算をする前提なので、ベースメイクの後すぐにリップを塗ります。そうすることで顔全体のバランスが見えやすくなり、他のパーツの引き算がしやすくなります。リップは、直塗りでしっかり発色させて。上唇を1mm程オーバー気味に塗り、人中(唇上部にある溝)を狭めつつメガネのフレームとの距離も狭めることで、若々しさと小顔感がアップします。アイシャドウは、影色をさらっとのせる程度に」(小田切さん)。
\「メガネをかけるの日」のおすすめリップ/
「和紙の光沢のように、ほのかに光を宿した新しいマット感のリップ。マットながらするするとなめらかに塗れて、薄く密着。塗るだけで立体感や内からの潤い感が叶います。シックなムードが漂うブラウンレッドは、大人の女性をぐっと洗練させてくれます」(小田切さん)。
大人の女性が「メガネをかける日」のメイクにはルールがある。小顔と洒落感を叶えるコツとは?
地味にならない「黒を着る日」のこなれメイク
「黒」は万能なカラーだと思われるけれど、ふと「何だか地味かも…」と感じてしまうことがある、という方は多いのではないでしょうか? そんな「黒の服」をお洒落に洗練させてくれるメイクとは? 大人の女性が黒を素敵に、センス良く着こなすためには、メイクからある色を引くことが大事、と小田切さんは言います。
「メイクを強調したいときに、黒のアイライナーや黒のマスカラなどで、目元に『黒』を盛るという方は多いですよね。しかし、黒の範囲が多いアイメイクは古い印象になりがちです。さらに服まで黒となると、トータルで見たときに、重苦しくて野暮ったい印象に見えてしまうことも。『黒の服』を着る日は、アイメイクから黒を排除しましょう。そうすることで、こなれ感や華やかさなどの好印象が叶います。今は黒に近い発色のカーキやブラウン、ネイビーやボルドーなどのカラーがたくさん発売されています。カラーコスメなんて目元がちゃんと引き締まらなさそう、若い子が使うものでしょ、なんて思わないで。大人の女性こそ、こういったニュアンス系の締め色を使ったほうがぐっとこなれて見えますよ」(小田切さん)。
1:カーキのアイライナーを太く、大胆に引く。
「今回はカーキのアイライナーをセレクト。カーキはくすみが気になる大人の目元になじみやすく、でもちゃんと引き締めて洗練された印象の目元を叶えてくれます。カラーライナー初心者の方にもおすすめですよ。目頭を3mm空けて、目尻に向かって太く大胆に引きましょう。目尻のラインはスッと横に引き抜くように5mm程度伸ばします」(小田切さん)。
2:まつげは上げすぎず、盛りすぎず。丁寧に仕立てて。
「40歳からの大人の女性のまつげに、過度なカール感は不要。まつげがくるんと上がっていると、古臭く見えたり、無理している感が出やすくなります。マスカラの力だけに頼るか、アイラッシュカーラーを使う場合は根元を自然に立ち上げる程度に。ブラウンマスカラを根元から二度塗りしたら、コームで上からも下からも丁寧にとかして、毛先を綺麗に整えましょう」(小田切さん)。
黒の服を着たら、何だか地味…はメイクのせい!ヘア&メイク小田切ヒロ流・「黒を着る日」の洗練メイク
※掲載した商品の価格はすべて税込みです。
- TEXT :
- Precious.jp編集部