村木さんいわく「女性が老けて見える原因は、顔と体のゆがみ、たるみ、むくみ。これを引き起こすのは年齢のせいではなく、悪い癖の蓄積が大きく関与しています。ですから、良い習慣に置き換えれば、顔も体も少しずつ変わり誰もが若々しい美人に変わっていくのです」。
そこで、普段の生活にとり入れやすく村木さんも日々実践しているメソッドを4つピックアップしてご紹介します。これなら時間もお金もかからずに、エイジングの悩みが解決できるので、気になることがあればひとつからでもお試しを!
アンチエイジングデザイナー・村木宏衣さんが実践する美習慣4選
■美習慣1:咬筋(こうきん)ほぐしで「顔のゆがみ」を解消
ストレス過多のキャリア女性は、無意識に奥歯をグッと噛み締めてしまうし、寝ている間に歯ぎしりしてしまうこともあり、食いしばりがくせになってしまいがち。すると、頬骨からフェースラインに存在している咬筋(こうきん)を使い過ぎで硬くなり、発達してしまいます。
これによって顔が横に広がりエラ張り状態に…。加えて老廃物が溜まり、むくみが起こるので、顔がゆがんで大きくなってしまうのです。
そこで、村木さんは使いすぎた咬筋をほぐして柔軟にするメソッドを実践。エラ張りもむくみもまとめて一掃できるし、顔のコリもほぐれてスッキリしますよ。
Step1:咬筋の位置を確認
頬骨弓(きょうこつきゅう)と下顎骨(かがくこつ)をつないでいるのが咬筋。咀しゃく筋のひとつで、上下の歯を咬み合せる働きを行っている筋肉。
顔を挟むように、頬骨の下あたりの指を置いたまま、グッと食いしばりましょう。このときにボコッと盛り上がったところが咬筋です。
Step2::小さな円を描き、咬筋をマッサージしてほぐす
こぶしをつくり、指4本の第1関節〜第2関節の平らな部分を使って行います。口元に力が入らないように口をぽかんと開けた状態にしておくこと。クルクルと小さく外に円を描くように、写真で示した4か所をマッサージします。これを各5回ずつ行いましょう。
■美習慣2:鼻の下をほぐして「口元の老け」対策を
年齢を重ねるごとに、自分の唇が小さく薄くなってきたように感じていませんか? 唇の山が平坦になってきている、口角が下がってきている…と感じているなら、ケアが急務!
なぜ、唇が小さく薄くなるのかといえば、口の周りをぐるりと囲んでいる口輪筋(こうりんきん)、上唇のふっくら感を支えている上唇挙筋(じょうしんきょきん)、小頬骨筋(しょうきょうこつきん)が硬化し、ハリが低下するのが原因。
特に、鼻の下が長く間延びしていき、それに押されて、上唇が口の中に押し込まれ、痩せしぼんだように薄くなるのです。放っておけば、口角も下がり、貧相な加齢口元に…!
間延びした鼻の下を縮めて、ふっくら若々しい唇を取り戻すには、口輪筋、上唇挙筋、小頬骨筋をほぐすマッサージが効果的です。
Step1:指の腹を使って口輪筋の上部をほぐす
口をぐるりと囲んでいる口輪筋の上部をケアするマッサージ。人さし指と中指をそろえて鼻の下の中央に当てる。鼻の下をちょっと伸ばした状態にし、指の腹で筋肉を捉えて、小さく上下するように動かす。これを10回行って。
鼻の真下から始め指の位置をずらしながら、口角に向かって、4カ所を左右同時に行う。
Step2:上唇挙筋、小頬骨筋をとらえ、口を動かしながらほぐす
人さし指と中指で小鼻の横の表情筋、上唇挙筋、小頬骨筋をとらえて、「えおえお」と言いながら口を大きく動かしましょう。指の腹で、表情筋の伸び縮みを確認しながら10セット繰り返す。
■美習慣3:薄毛や白髪、顔のたるみや肩コリを解消する頭皮マッサージ2つ
【1】育毛効果抜群の「頭皮ほぐし」
年齢とともに髪が細く弱くなり、ハリとコシが低下する、薄毛も白髪も気になる…。それは頭に薄く広がる筋肉や筋膜が緊張して縮まってしまい、頭皮がたるむのが原因。さらに頭皮がたるむと毛穴が変形し、うねって艶のない髪が生えてきてしまうのです。
頭を覆っている筋肉は、前側にある前頭筋、後ろ側にある後頭筋、両サイドにある側頭筋の3つ。実は頭頂部は筋肉ではなく、帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)という筋膜で覆われています。この筋膜は他の部分と比べて毛細血管が少ないので、血行不良になりやすいのだそう。だからこそ、大人は頭皮マッサージが必須です。顔のたるみ解消にも効果的ですよ。
Step1:はじめに前頭筋をほぐす
こぶしの第1関節〜第2関節の平らな面を眉に当てます。そして、奥にある骨をほぐすように、小さく円を描きながらマッサージを。少しずつ生え際方向にずらしながら、5回ずつ円を描きながら、額を揉みほぐしていきます。
Step2:生え際から後頭部へと指の腹で耕すようにほぐす
頭頂部にある帽状腱膜のこわばりをほぐしていきます。指を広げて、指の腹で生え際から後頭部に向かって、シャンプーする感じでジグザグと指を動かす。そのときミリレベルで細かく動かすのが効果的。
【2】僧帽筋リセットで、輪郭すっきり!
首がガチガチに固まっている、肩こりを感じる…そんなときは、首から肩甲骨までカバーする大きな筋肉=僧帽筋が凝り固まっている証拠。そうなると顔の肉が下に引っ張られる、リンパの流れが滞ることで、フェースラインのもたつきの原因になるのです。
握りこぶしで、首と頭蓋骨の境目=僧帽筋の上部をもみほぐすと、フェースラインがすっきりするしデスクワークによる首こり、肩こりが軽減するうれしい効果も。
首と頭蓋骨の境目あたりをマッサージ
握りこぶしを首と頭蓋骨の境目あたりに当てて、左右にジグザグしながらマッサージを。耳側から中心に向かって3か所に分けて行って。このとき顔は正面のまま、ゆったりと深呼吸しながら行いましょう。
■美習慣4:首コリ対策まくらを作って睡眠の質を上げる!
一日中、パソコン、スマートフォンが手放せない人に起こりやすい「スマホ首=ストレートネック」。もはや新国民病として話題ですし、大人の女性は発症率が高いともいわれています。
そこで睡眠中に首の緊張を解きほぐす、バスタオルでつくるスマホ首対策のまくらづくりを紹介。自然に首の緊張がほぐれ、本来の頸椎の自然な曲線を取り戻すことができるので、村木さんも実践中です。首シワ予防にもなりますよ。
Step1:バスタオルを4つ折りにして筒状に巻くだけ
バスタオルを半分に折り、またその半分に折ってから、ちょっときつめに巻いていく。バスタオルの厚みや、その人の頭の形にもよるのですが、2〜3回ぐらい巻き、寝てみながら厚み調整をしていきます。顎が上がったり、下がったりしないで、まっすぐ天井に対して眉間が並行であることが大事。
視線は、顔に対して垂直で、まっすぐ天井を見れているか、をチェックしてみてください。高すぎると感じたら、写真のようにもう一枚バスタオルを敷いて、高さ調整をしましょう。
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以上、「忙しくても美人が毎日欠かさずやっている美習慣4選」をご紹介しました。さらに詳しく知りたい方は、村木さんの新刊『おとなの美人習慣』(KKベストセラーズ)をチェックしてみてくださいね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- 松原敬子
- EDIT&WRITING :
- 荒川千佳子