東京・白金台、エレガントなプラチナ通りに上品に佇む、ミントカラーに彩られた店舗が「ショコラティエ エリカ」。デパートなどに店舗展開は一切せず、わざわざ赴かないと手に入らない、エクスクルーシブなチョコレートを扱っています。
その美しいビジュアルや、日本人に馴染みやすいテイストで、贈ったら絶対喜ばれる、自分へのご褒美としても相応しい、プレシャスな逸品がそろいます。そのため、界隈に住むマダムから絶大な支持を集めているチョコレート専門店です。
そこで本記事では、知る人ぞ知る、白金の名店のイチオシ商品と、ヒストリー、品質のこだわりやサステナブルな取り組みについても、オーナーの神田光教さんと、広報担当の伊世知代さんに伺いました。
「エリカ」を初めて知った人からリピーターまで、唯一無二なその世界を堪能する完全ガイドとして、ぜひ参考にしてください!
老舗チョコレート専門店「ショコラティエ エリカ」イチオシ商品5選
エリカに「初めまして!」の人にまず試していただきたいのは、アイコン的商品である「ミント」、「マ・ボンヌ」、「トリュフ」の3つ。そしてリピーター向けに、目先の変わったもののとして、「グレープフルーツピール」、「クリオロ」をご紹介します。
■1:爽やかな味にインスパイアされた可愛い形!「ミント」
「日本人に合うミントチョコレートが作りたい」という現・専務(創業主)の発案による人気商品です。
その可愛いデザインの秘密は、ミントの味。実は葉っぱは、ミントでなく柊の形。しかし、柊に意味があるというよりは、葉っぱの軽やかで、爽やかなイメージをミントの味に重ねたのだとか。
■2:一番人気!「考えた人、天才!」なフワッとカリッとやみつき食感「マ・ボンヌ」
ミルクチョコレートの中にマシュマロとくるみが入った「マ・ボンヌ」。一番人気のこちらは、フワッとカリッの最高の組み合わせ。好きな大きさにカットして召し上がってほしい、という棒状の商品ですが、上手にカットするコツは、チョコレートを常温に戻し、温めた包丁で一気にスッと切ること。
「常温、といっても冬場は冷たいですし、難しいですよね。とはいえ、歯ごたえがあるのが好きな方がいれば、
ねっとりしたものが好きな方もいるので、四季折々の食感で楽しんでいただきたいです」(伊世さん)
すぐに食べない時はサランラップで切り口を包んで保存するのがおすすめ。
「でもチョコレートは香りが大事ですから、まとめてカットするより、切りたてを食べていただくのがおすすめなんですよ」(伊世さん)
■3:エリカの自慢!大人の味の「トリュフ」
エリカの自慢だというトリュフは、ガナッシュにブランデー、コニャック、ラムなどをアレンジした、大人の味で、お酒の好きな人に。
そのなかでもおすすめは、「スリーズサングリエール」。ブランデーに漬けたチェリーをチョコレートでコーティングしたものです。チェリーの収穫の時期になると、山形の契約農家から連絡が来て、製造部を中心に選別に赴く、といった手間暇を惜しまずこだわった逸品。
それだけの手間をかけているトリュフの割に、他店に比べると抑えてあるプライスも魅力的です。
■4:さっぱりした甘さ!「グレープフルーツピール」
砂糖漬けにしたグレープフルーツの皮を使用。果実の香りとほろ苦さがスイートチョコレートと良く合います。オレンジピールもありますが、珍しいグレープフルーツは、甘すぎずさっぱりとした大人の味。2019年秋から、少し厚がけにし、チョコレートの風味が増したのだそう。また、フルーツの切り身も厚切りで、コロッとした感じに改良。
甘いものが苦手な人にも良さそうです。フルーツ系は季節によってはフィグがあり、大体6〜9月までの季節限定で販売されます。
■5:貴重なカカオ豆を使用!「クリオロ」
中南米産の貴重なクリオロ種のカカオ豆からできたチョコレート。豆がデリケートなため、多くは手に入れにくいものです。味は苦味の中にコクがあり、クリーミーで、やわらかく優しい。
価格の割に、シックで高級感のあるパッケージなので、職場の人に日頃の感謝を伝えたり、男性にも。
「with love」と、箱とチョコレート自体にも記載があるので、義理チョコにする場合はユーモアが通じる人限定で!
創業38年!「日常に取り入れられるラグジュアリー」を提案するエリカのヒストリー
1982年に創業し、今年で38年目を迎える「ショコラティエ エリカ」。若い頃からヨーロッパをはじめ、海外へ赴く機会の多かった創業主が、質の良いチョコレートを「日常に取り入れられるラグジュアリー」として、ギフトや生活に取り入れてほしい、という願いを込め、現在と同じ白金台にオープンしました。
当時はまだ、ショコラティエといった、チョコレート専門店が珍しかった時代。人気商品「ミント」は、創業主が日本人に馴染みやすいミントの味を、という発想で生まれました。マシュマロとくるみの「マ・ボンヌ」、
「トリュフ」など、創業当時から続くアイコン的なチョコレートは変わらず、現在まで永く愛されています。
小説やメディアにも度々登場し、小さな店ながら訪れる人が絶えないエリカですが、近隣だけでなく、なかには飛行機や新幹線を使って来る人も。バレンタインの前にもなるとオープン前から行列ができるのだとか。
スイスで研鑽を積んだ2代目オーナーの神田さんによると、エリカのポリシーとして、いま来てくださっているお客様を大事にし、管理を行き届かせ、高品質、徹底したサービスを提供するため、大人気店ながら、現在も他に店舗展開の予定は全くないのだそう。
長く勤めるスタッフが多いというお店の温かい雰囲気も、トレンドに流されず、変わらず良いものを提供し続ける、エリカの「ブランド」の一つと言えそうです。
太陽電池の導入は港区第一号!エリカの品質へのこだわりと、サステナブルな取り組み
エリカの、最高ランクのカカオを使用した繊細な味は、まさに日本が誇るクオリティ。神田さんによると、「素材を生かす」手法にその秘密があるそう。例えば、カカオに含まれるカカオバターが通常24℃で溶けるとしたら28℃など、より高温まで溶けないものに差し替えてしまうのが一般的。しかし、エリカは原料「そのまま」にこだわるため、そのチョコレートは溶けやすく、繊細な仕上がりに。
また、一人でもお客様から指摘があると、すぐに追求して対応するという企業努力が、創業以来守り続けた、変わらない味の秘訣なのだとか。
品質へのこだわりも徹底しています。例えば、温湿度を30秒置きに計測、少しでも上下すると主要な社員に連絡が入り、遠隔操作で対応。落雷などの突発事故が起きても、自家発電機を利用して商品倉庫の温湿度を維持し続けられるようにしている、という徹底ぶりです。他に店舗を出さない背景には、こんな品質に対する妥協を許さない姿勢があります。
さらに、チョコレートについては「変わらない」、をポリシーとしているエリカですが、地球に優しいアクションはいち早く取り入れています。店舗屋上に34枚のソーラーパネルを2002年に設置し、製造に使用。これは、港区の第一号であったのだとか。
他にも、地下の冷気を利用し、白金台の力でチョコレートを作りたい!と目下研究中。一昨年から、喫茶スペースでは紙ストローに切り替えるなど、エリカは、変わらない味を保ちつつ、サステナブルな取り組みは積極的に導入し、時代にあったしなやかさも兼ね備えています。
ユーザーの立場に立ち、一円単位にまでこだわった価格の面からも、まさにショップが提案する「日常に取り入れられるラグジュアリー」が感じられるエリカ。バレンタインのシーズンだけでなく、庭園美術館の帰りなどにも、違いがわかる大人になったような気分にさせてくれる店舗へ、ぜひ足を運んでみてください。
※価格はすべて税込です。
※バレンタイン期間中、トリュフはその日の分が売り切れの可能性あり。
問い合わせ先
- ショコラティエ エリカ
- 営業時間/10:00〜18:30
定休日/8月1日~8月31日、12月31日~1月3日
TEL:03-3473-1656
住所/東京都港区白金台4−6−43
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- (本文1、9枚目を除き)Aiko Suzuki
- WRITING :
- 神田朝子