知っていますか? トレンチのデザインには理由があるのです
活動的で快適な着心地やコーディネートの幅広さに加え、着る人を凛々しく誇り高く見せてくれるトレンチコート。
その魅力の真髄は、歴史的な背景から誕生したデザインにあります。
そもそもトレンチは、第一次世界大戦時に英国軍の兵士が砲撃や銃撃から身を守る「塹壕」(=トレンチ)での攻防戦に備えて考案された軍用コートが起源。
だから、素材やシルエットで撥水・防寒・耐久性・可動性を追求するだけでなく、それぞれのディテールも、戦場で必要な機能性に裏打ちされています。
ここでは、英国の伝統的なスタイルを今日に伝える「バーバリー」の一着を例にとり、主なディテールの名称と役割をご紹介。機能性とデザイン性の見事な調和に感嘆します!
トレンチコートの6つのディテールとその役割を解説!
■1:エポーレット
エポーレットは、もともと階級を示すために配されたもの。肩を強調して凛々しさを演出する効果を発揮。
■2:ガンフラップ
ガンフラップは、前ボタンを上まで留めた合わせ部分を覆って、発砲時の衝撃をやわらげるために考案されたもの。
■3:カフストラップ
腕を動かしやすいラグランスリーブのそで口に配したベルトは、きゅっと絞って手元から風が入るのを防ぐためのもの。
■4:スロートラッチ
襟裏に収納された、一見すると謎の小さなベルトは、フックで留めた襟元をカバーして雨や風を防ぐために考案された。
■5:ストームシールド
背中に降りかかった雨が浸透する前に滑り落ちるように、肩から背中にかけて配したのが、ストームシールドの名の由来。
■6:D−リング
D-リングは、本来、ナイフや手りゅう弾、水筒などの装具を下げるためのもの。現代ではもちろん、装飾的なディテール。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 『Precious4月号』小学館、2020年
- PHOTO :
- 佐藤 彩
- EDIT&WRITING :
- 岡本治子、古里典子(Precious)