会食やレセプションパーティー、結婚式やホームパーティーの手土産にいたるまで、プレシャスな女性のライフスタイルに欠かせないものとなっている、シャンパン(シャンパーニュ)。本連載「ワイン入門」のシャンパン編では、シャンパンの楽しみを広げる基礎知識から、覚えておくと通なキーワードまで、シャンパンを通じてエレガントなふるまいが身につく心得を、ワインエキスパート・瀬川あずささんに教わります。
第3回となる今回は「ネゴシアン・マニピュラン(NM)」「レコルタン・マニピュラン(RM)」についてです。
ツウ好みな「レコルタン・マニピュラン(RM)」って?
ドン・ペリニヨンやラ・グランダムなどスペシャルなテーブルにふさわしい「プレステージシャンパーニュ」については前回お話ししましたが、今回はこのような有名銘柄とは別に、ツウのあいだでは好まれる小さなメゾンのシャンパーニュについてお話します。
「ネゴシアン」「レコルタン」という言葉を聞いたことはありますか? シャンパーニュの生産者にはいろいろな業態があるのですが、代表的なのはこのふたつ、「ネゴシアン・マニピュラン(NM)」と「レコルタン・マニピュラン(RM)」です。
大手メーカーが瓶詰めしたシャンパーニュ「ネゴシアン・マニピュラン」は農家から原料となる葡萄を仕入れて生産を行うもの。つまり、いろんな農家から購入した「買い葡萄」でつくったものです。資本力を持った大手企業をはじめ、私たちがよく接しているシャンパーニュの大半をこの「ネゴシアン・マニピュラン」が占めています。葡萄のできに左右されずに、毎年安定した品質のワインを提供できるのが魅力です。
それとは逆に「レコルタン・マニピュラン」は葡萄農家自らがぶどう栽培から瓶詰めまでを行うシャンパーニュ。小規模なつくり手が多く、自社農園で採れた葡萄でつくっているのが特徴です。あまりメジャーではないのがこの「レコルタン・マニピュラン」のシャンパーニュですが、本数が少ないだけに希少価値があったりします。大手メゾンにはない個性的なものがつくられることもあるので、シャンパーニュ上級者にはレコルタン好きが多いのです。
最初、シャンパーニュにはまっていろいろな種類を飲んで、よりツウな人は「レコルタン・マニピュラン」にはまっていく傾向があります。
より、つくり手の個性を愉しめる「レコルタン・マニピュラン」。覚えておきましょう。
「ネゴシアン・マニピュラン(NM)」、「レコルタン・マニピュラン(RM)」の見分け方は?
ボトルには、ご存知のとおり産地や生産者の情報、業者番号などが書かれているのですが、
NM:ネゴシアン・マニピュラン
RM:レコルタン・マニピュラン
のアルファベットは必ずどこかに書いてあるはずです。もちろんソムリエに聞いてみてもよいでしょう。
RM、NMのほかにも葡萄農家が大手メーカーではなく協同組合に葡萄を供給し、組合によってつくられるCM(コーポレート・マニピュラン)といわれるものもありますが、まずはこのふたつを覚えてみてください。
生産量が少なく価格が高騰することもある「レコルタン・マニピュラン」ですが、ネゴシアンよりもリーズナブルなものもたくさんあるので、ぜひ一度試してみてください。
瀬川あずさの動画レッスン
「ワインで女子力アップ講座」
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- TEXT :
- 瀬川あずささん ワインエキスパート
公式サイト:ブログ
- EDIT :
- 渋谷香菜子