干菓子(ひがし)とは、砂糖を使用した水分の少ない、伝統的な和菓子のことを言います。
本記事では、和菓子を代表する高級干菓子の種類や美味しい食べ方、日本三銘菓でもある「落雁(らくがん)」についてご紹介します。
また、お取り寄せできる干菓子入り高級和菓子の詰め合わせギフト、手土産に最適なパッケージがかわいい金沢の落雁、内祝いやプレゼント、お持たせにピッタリで通販もできる、人気の高級和三盆のおすすめを紹介します。
■和菓子を代表する高級「干菓子(ひがし)」の種類
干菓子とは、水分の少ない伝統的な和菓子のことを言います。干菓子は主に砂糖を使用して作られており、季節を感じさせる形のものや、色鮮やかで見た目にもこだわったものが多く、お茶の席などで楽しまれてきました。では、和菓子を代表する干菓子の種類には、どんなものがあるのでしょうか?
打ち物
干菓子のひとつである打ち物とは、もち米を加工した米粉の一種である微塵粉に砂糖や水飴を入れ、木の型で型をとって仕上げる和菓子のことを言います。
型に入れたお菓子をまな板に打ち付けるようにして取り出すことから、「打ち物」と呼ばれています。作り方はシンプルですが、材料の質や職人の力量によって味が左右するので、非常に高度な技術とセンスが要求される干菓子です。
打ち物の代表的な干菓子は、「落雁(らくがん)」
打ち物と呼ばれる干菓子の中で、代表的な和菓子が「落雁(らくがん)」。口に入れるとほろほろと崩れ、上品な甘さが愛されています。「落雁(らくがん)」を鶴亀や菊などのおめでたい形にして、祝い事にも使われています。
掛け物
掛け物とは、砂糖液などをかけたり、漬けたりして作る和菓子のことを言います。砂糖液を少しずつ掛けながら作るので、掛け物と呼ばれています。「掛け物の製品価値はツヤにある」とも言われており、美しいツヤを楽しみながらいただく和菓子です。
掛け物の代表的な干菓子は、「金平糖(こんぺいとう)」
掛け物と呼ばれる干菓子の中で、代表的な菓子が「金平糖(こんぺいとう)」です。その他にも、おこしや豆などに砂糖を掛けて作る和菓子も掛け物に入ります。
「和三盆の金平糖 30g」(星果庵)
京都山城創業明治2年、日本茶と抹茶スイーツの「宇治園」が展開する金平糖ブランド「星果庵」。「和三盆の金平糖」は高級和菓子に使われる和三盆糖のみを使用した金平糖。独自の細粒技術で、金平糖の核となる芯から和三盆糖を使用することによって、やさしい甘さと口どけのよさが贅沢に味わえる逸品です。お茶請けにも最適。
押し物
押し物とは、打ち物と同じような材料を使って作りますが、木型で型押しして作られます。
押し物の代表的な干菓子は、「塩がま」
押し物と呼ばれる干菓子の中で、代表的な和菓子が「塩がま」です。円柱の型に生地を押し込み、こしあんを置いて重ね、押し固めて作ります。店によっては半落雁とも呼ばれています。
九重本舗玉澤の銘菓「しおがま」(九重本舗玉澤)
和菓子の製造・販売を行う宮城県仙台市所在の「九重本舗玉澤」。同店の銘菓「しおがま」は、国内産の上質もち米に青もみ紫蘇を散らして仕上げた落雁風の押し物です。塩がまは宮城県塩竈市で売り出されたことから、この地名がつけられたものです。創業300余年、同店ならではの素材と製法を吟味した銘菓をいただきましょう。
焼き物
焼き物とは、加工した米やうるち米、小麦粉生地を焼いて作る和菓子のことを言います。ボーロなどの柔らかい歯ざわりの物や、平鍋という鉄板で焼く平鍋物という和菓子があります。
焼き物の代表的な干菓子は、「丸ぼうろ」
焼き物と呼ばれる干菓子の中で代表的な和菓子が、九州独特の和菓子として広く親しまれている「丸ぼうろ」です。その他、あられ、柿の種、カルメラ、ちんすこう、八つ橋などがあります。
佐賀郷土銘菓「丸ぼうろ(20個袋入)」(村岡屋)
数々の佐賀の銘菓を作り出す、佐賀の菓子メーカー「村岡屋」。九州や佐賀県には古くから「まるぼうろ」「丸ぼーろ」「丸房露」と呼び名はさまざまですが、マルボーロという代表銘菓があります。その歴史ははっきりしませんが、南蛮船の渡来と共に、長崎にお菓子の作り方が伝わり、カステラの製法が佐賀に伝わる間にアレンジされ、「まるぼうろ」となったとも言われています。
材料は砂糖・卵・小麦粉・蜂蜜だけで、ふっくらと焼き上げます。煎餅のように堅くなく、カステラのように柔らかくない食感で、日持ちも良く、固くなってもまた美味しいと、佐賀では人々に広く親しまれ、冠婚葬祭、何にでも登場します。飾り気がなく、無駄のない、何にでもよくあう美味しいお菓子です。
飴物
飴物とは、主原料の砂糖に水あめを加えて煮詰めて作る和菓子のことを言います。煮詰めたものを冷え切らないうちにのばしたり、着色をすることで、棒状のものや精巧な細工が必要な花や果物の形を作ります。さまざまな形を作り出すことができるため、飾り菓子とも呼ばれています。
飴物の代表的な干菓子は、有平糖(あるへいとう・ありへいとう)
焼き物と呼ばれる干菓子の中で、代表的な菓子が「有平糖(あるへいとう・ありへいとう)」です。見た目はキャンディと同じようですが、パリパリとした軽やかな食感で、さっぱりとした素朴な味わいが楽しめます。その他、翁飴(おきな)、金太郎飴、千歳飴などがあります。
さくさく食べる飴「ありへいとう【きなこ】有平糖」(久世福商店)
有平糖とは、16世紀中頃・安土桃山時代にポルトガルから伝わり、金平糖などと一緒に南蛮菓子のひとつとして大名に献上され、当時の上流階級に食されたと言われています。その後は、京都や江戸の茶道で用いられる高級な飴を有平糖と呼ぶようになり、現在まで伝えられている日本の伝統的な飴菓子です。
ザ・ジャパニーズ・グルメストアをコンセプトに、日本が誇る和食文化を国内外に発信している「久世福商店」の「ありへいとう【きなこ】有平糖」は、かりかりさくさくの食感。素材本来の自然な風味を大切に、あめ煮釜で高温に煮詰め極限まで薄く延ばしてサクサクの食感に仕上げられています。ひとつひとつ丹精込めて作り上げた、飴職人の匠の味が楽しめます。
■高級干菓子の美味しい食べ方
高級干菓子の美味しい食べ方には、どんなものがあるのでしょうか。こちらでは、人気の落雁や和三盆、ちょっと珍しい雲平など、高級干菓子の楽しみ方を紹介します。
落雁(らくがん)
落雁の美味しい食べ方は、まずそのまま食べることです。高級なこだわりの食材と製法で作られた落雁は、繊細な味と口どけが魅力です。そのまま食べることが、落雁本来の味を楽しめるおすすめの食べ方です。
また、落雁の美味しい食べ方のひとつに、抹茶やコーヒーとともにいただく方法があります。落雁は、茶道の席に出される干菓子として使われることが多く、抹茶との相性は抜群です。砂糖を多く使った和菓子ですので、コーヒーなど苦めの飲み物と一緒に食べると、さらに美味しさが引き立ちます。
和三盆
干菓子の和三盆は、主に香川県や徳島県などで伝統的に作られている国産高級砂糖「和三盆」を型に押して固めたものです。美味しい食べ方としては、やはりこちらもそのまま食べることがおすすめです。和三盆の特徴である、まろやかでキメが細かく、上品な口どけを存分に楽しむことができます。
雲平(うんぺい)
雲平とは、白砂糖にみじん粉、山芋を加えて練り固めた和菓子です。落雁や和三盆と違い、あまり馴染みがないかもしれませんが、もっちりとした食感が楽しめます。そのままでも美味しいですが、餅と同様に焼いても美味しく食べられます。
■日本三銘菓は、すべて高級干菓子の「落雁(らくがん)」
和菓子好きでも意外と知らない方の多い「日本三銘菓」ですが、なんと3つとも落雁なのだそう。また、日本三銘菓に選ばれた落雁を作る老舗は「日本三大和菓子店」と呼ばれています。こちらでは、日本三大和菓子店と、そこで堪能できる最高の落雁をご紹介します。
■日本三大和菓子店 その1:「森八」(石川県金沢市)
寛永2年創業、城下町金沢に店を構える加賀藩御用菓子司「森八」。創業以来390年、伝統の製法を守り続けている老舗和菓子店です。 お菓子作りだけでなく、本店の2階に「金沢菓子木型美術館」を設け、加賀金沢の菓子文化の歴史の発信も行っています。
日本三銘菓 その1:「長生殿(ちょうせいでん)小墨12枚入」(森八)
加賀藩の第2代藩主・前田利常公の創意と、加賀藩の文化アドバイザーとも称される茶人・小堀遠州卿の命名により生まれた、森八の伝統銘菓「長生殿」。
口に入れるとさっくりとした食感、ふわりと溶けた和三盆の上品な甘みが口いっぱいに広がります。こちらの「小墨」は、390年の伝統ある長生殿を食べやすいひと口サイズにしました。
■日本三大和菓子店 その2:「越乃雪本舗大和屋」(新潟県長岡市)
1778年創業、花火で有名な新潟県長岡市にある和菓子店です。新潟の豊かな風土が培った素材と伝統の技で、四季の美あふれる和菓子が楽しめます。
日本三銘菓 その2:「越乃雪16個入り」(越乃雪本舗大和屋)
越後のもち米の寒晒し粉と、四国特産の和三盆糖を土地の湿気に寝かして配合した、上品な甘さのある干菓子です。きめ細やかな風味で、お茶席での点心にも愛用されています。16個入り、24個入り、32個入り、48個入りがあり、季節のご挨拶や特別な日の自分へのご褒美としても人気です。
■日本三大和菓子店 その3:「風流堂」(島根県松江市)
京都・金沢とともに日本三大和菓子処に数えられている松江市にある、明治23年創業の伝統の味を技を守る和菓子店です。
日本三銘菓 その3:「山川 2枚入り」(風流堂)
大名茶人として名高く、松江藩中興の祖とも称される、松江松平藩7代藩主の松平治郷は、「不昧公(ふまいこう)」の名で現代でも親しまれています。そんな不昧公の御歌に由来して名付けられた落雁が、こちらの商品です。
手で割ると、凸凹とした形になり山川に見えます。しっとりした口当たりでさっと溶け、甘味が後を引かず抹茶との相性抜群です。1枚から6枚まで、贈る相手に合わせて選べます。
■超高級和菓子をお取り寄せ!干菓子入りの詰め合わせギフトのおすすめ
お取り寄せできる超高級和菓子には、どんなものがあるのでしょうか? 干菓子入りの超高級和菓子の詰め合わせギフトを紹介します。
「志ほがま詰合せ20個入」(梅花堂)
大正7年創業、日本古来の精神を大切にしながら西洋の技術も受け入れ、両者を調和・発展させる和魂洋才の精神のもと職人の丁寧な手作業で和菓子を作り続ける、宮城県塩釜市の「梅花堂」。
「志ほがま詰合せ20個入」は、宮城米ササニシキと青シソの粉末、徳島産の高級砂糖・和三盆使った塩がまの詰め合わせです。 甘すぎない上品な和三盆の甘さとしっとりとした食感、口に入れると爽やかなしその香りが広がります。
「和三盆糖で作った和菓子詰め合わせ」(湊屋)
四国高松の和菓子屋「湊屋」。「和三盆糖で作った和菓子詰め合わせ」は、ミネラルいっぱいの和三盆糖を使用した和菓子の詰め合わせです。
渋皮のつきのほろ苦い栗一粒の蜜漬けを、和三盆糖でまぶした「栗納豆」や、高級和三盆糖を贅沢にまぶした求肥餅「八兵衛餅」、香川県特産のオリーブ(小豆島産)や和三盆糖、抹茶を使い、さぬきの山々に見立てたお菓子「さぬき遊山」、手間隙かけて精製された和三盆「羽根さぬき」などが入っています。
「干菓子 ハート型和三盆」(TOKUSHIMA SHOP)
ハート型の和三盆糖が24粒、包み落雁4つ入った高級和菓子セットです。ピンクと白のかわいいハート型がブライダルのプチギフトやバレンタインデー、内祝いにピッタリ。徳島伝統の高級砂糖・和三盆で作られており、見た目だけでなく味も本格派の和菓子です。
「和三盆のお干菓子 花の書院」(白井長豊堂)
京都市中京区壬生松原町の和菓子店「白井長豊堂」。「和三盆のお干菓子 花の書院」は、いろいろな花を模った和三盆糖干菓子が和紙の千代箱に入った和菓子詰め合わせです。口の中でさらっと溶け、上品な甘さが広がります。抹茶はもちろん、コーヒーや紅茶ともよく合います。
■プレゼントに喜ばれる、高級和菓子どころ金沢のパッケージがかわいい落雁のおすすめ
全国的にも有名な和菓子どころ金沢には、パッケージにこだわった落雁もたくさんあります。こちらでは、パッケージのかわいい、金沢のおすすめの落雁をご紹介します。
「花うさぎ巾着6個入り」(落雁 諸江屋)
1849年創業、金沢で有名な老舗和菓子店「諸江屋」の落雁「花うさぎ」です。和紙で包んだ形がうさぎに似ているところがかわいらしいと人気。昔ながらの製法で作り上げており、上品な甘さが口の中でとろける逸品です。
「わびタンス(小)3段箱」(落雁 諸江屋)
お茶室の小間をイメージしたタンス箱に、諸江屋こだわりの落雁を詰め合わせました。商品名の「わび」は侘び寂びを意味しています。そのかわいいビジュアルは、誰もに喜んでもらえる金沢土産になること間違いなし。食べ終わったあとはアクセサリーなどの小物入れとして使えます。
「愛香菓40個入」(金沢・うら田)
だるまの包み紙がかわいいに有名和菓子「加賀八幡 起上もなか」など、定番からオリジナル和菓子を販売する「金沢・うら田」。アーモンド、レモン、シナモンの香りが口の中で香る「愛香菓」は金沢の雪解けをイメージした商品です。ふわっと甘く香る不思議で、奥ゆかしい風味の逸品です。
■内祝いにピッタリ!通販できる人気高級干菓子・和三盆のおすすめ
通販できる人気高級干菓子・和三盆には、どんなものがあるのでしょうか。内祝いにピッタリの、人気高級干菓子・和三盆のおすすめを紹介します。
「和三盆《霰三盆》600g曲物入」(冨士屋)
130年の伝統を持つ徳島市内の老舗和菓子店「冨士屋」の和三盆です。和三盆糖を使用して作られた、型押ししていないあられ型の和三盆で、そのまま食べても、珈琲や紅茶などに入れて飲んでも楽しめます。指定文化財「阿波藍」を使用した曲げ容器に入っており、見た目もスペシャルな最高級のご進物として人気です。
「さまざま桜」(紅梅屋)
創業250余年、三重県の伊賀上野天神前にある和菓子店「紅梅屋」。「さまざま桜」は、海苔や胡麻の風味と干菓子ならではのポリポリとした食感が楽しめます。水を一切使わず、伝統の製法で一枚一枚丁寧に作られており、かわいらしい桜の形で、卒業や入学祝いなどの内祝いにピッタリです。
「落雁 鶴と亀(詰め合わせ)」(創作菓子 悠)
鳥取市吉方温泉にある「創作菓子 悠」の落雁は、 国産の和三盆を使用して、ひとつひとつ手作りで仕上げているので、とても素朴で懐かしい味のする和菓子として評判です。
「落雁 鶴と亀(詰め合わせ)」は、縁起物の鶴と亀が型押しされた、お祝いにピッタリの落雁。桧の木箱に入っており、敬老の日、還暦のお祝い、米寿などおめでたい席に最適です。
お持たせに高級干菓子を贈ろう
日本の伝統和菓子である干菓子の種類や美味しい食べ方、日本三銘菓の「落雁(らくがん)」をご紹介しました。また、お取り寄せにおすすめの干菓子入り詰め合わせギフトや、パッケージがかわいい金沢の落雁、内祝いにピッタリの通販可能な人気高級干菓子と和三盆の干菓子ギフトのおすすめもセレクトしています。
ギフトやプレゼント、お持たせやプチギフトに干菓子を贈るときには、ぜひ参考にしてくださいね。
- TEXT :
- Precious.jp編集部