ツボによる治療法は古代中国で発見され、東洋医学では2000年以上にわたり、治療や美容法として活用されてきました。正式には「経穴(けいけつ)」と呼ばれるもので、今やWHO(世界保健機関)にも、医学的有効性が認められている治療法のひとつです。

人の体にはエネルギーの通り道である「経絡(けいらく)」があり、ツボは「経絡」の中継地点でエネルギーが注がれる場所。刺激を与えることで、体内の臓器にも働きけることがわかっています。

そして、経絡は全身を巡りながら、自律神経や体のバランスを整えるのが役目。その流れが滞ると体調不良を起こしたり、メンタルにも悪影響を与えることに…。ツボ押しはその流れを改善するのに効果的なのです。

外出もままならずテレワークが続く今、村木さんがおすすめするのが不安とイライラを解消し、集中力も高める手のツボ「合谷」と「神門」。メールをチェックしながらでもプッシュできるから、ぜひ覚えておきましょう。

村木宏衣さん
アンチエイジングデザイナー
(むらき ひろい)大手ステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務経験を経て、小顔、リフトアップ、むくみ、ボディメイキングなど女性の悩みに対して、独自の「村木式 整筋」メソッドを確立。2018年「クリニックF」内「Amazing♡ beauty」を開設。最新刊は『10秒で顔が引き上がる 奇跡の頭ほぐし』(主婦の友社)。 Instagram
体験者:長尾優子さん
(44歳・サービス業)
「普段、それほどツボを意識していなかったのですが、教えてもらった位置をプッシュすると、イタ気持ちよくて、不思議と上半身の血流がアップして軽くなった感じがします。いつでもどこでもプッシュできるので、位置をきちんと覚えておきたいですね」

 イライラと不安を克服! 集中力がアップするツボ押しメソッド

■Step1:イライラを落ち着かせる「合谷」のツボを押す

親指の骨と人さし指の骨が交わるところにあるのが「合谷」。

テレワークであろうが、仕事をしていると理不尽なことを突きつけられることもあり、イライラ〜ッとすることもあるでしょう。いつもなら同僚に愚痴をいって解消できたものの、テレワークではそれもままなりません。そんなときはこのツボをプッシュ!

深呼吸しながら、気持ちいいと思える程度の強さで3秒かけてゆっくり押し、3秒かけてゆっくり戻します。1回でも十分効果はありますが、3〜5回繰り返すといいでしょう。

イライラを落ち着かせる「合谷」のツボを押している
最も脳に刺激が伝わりやすいツボといわれているのがこの「合谷」。頭痛、肩こり、疲れ目などにも効果あり。

■Step2:不安解消に効く「神門」のツボを押す

「神門」とは、手首の内側にあるツボ。手首のシワが寄るラインでくぼみのある場所です。

これからどうなるんだろう、このままでいいのかな、と漠然とした不安に襲われて、何事も手につかない…そんなときには、精神的な緊張をほぐして、気持ちの切り替えをスムーズにしてくれる「神門」をプッシュしましょう。

これも「合谷」と同様に、深呼吸しながら、気持ちいいと思える程度の強さで3秒かけてゆっくり押し、3秒かけてゆっくり戻します。これを3〜5回繰り返して。

不安解消に効く「神門」のツボを押している
気になることがあり、なかなか寝つけないというときにも。「神門」のツボは、コントロールしにくい神経の高ぶりにも効果的です。

【まとめ|イライラと不安を克服!集中力がアップするツボ押し4か条】
1.セルフケアでメンタルを整えて集中力を高めるには、簡単で即効性がある「ツボ押し」が有効。
2.テレワークをしながら自分でプッシュできて効果的なのが、手のツボ「合谷」と「神門」。
3.「合谷」はイライラの緩和、「神門」は不安解消に効く。
4.3秒かけてゆっくり押して、3秒かけてゆっくり放すのが基本。これを3〜5回繰り返す。

以上、イライラと不安を克服!集中力がアップするツボ押しを教えていただきました。

セルフケアは続けることが大事。「誰でも簡単に効果テキメン」のアンチエイジングメソッドに限定して、毎週土曜日にテーマを変えてお届けします。

次回は5月2日(土)の更新です。お楽しみに!

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PHOTO :
松原敬子
EDIT&WRITING :
荒川千佳子