5月1日は「扇(おうぎ)の日」!「扇子」「団扇」「扇てる」…全部読めますか?
5月1日といえば「メーデー」でおなじみですが、日本では、なかなか風流な記念日にもなっている日です。
「扇(おうぎ)の日」。
なぜ5月1日が「扇の日」になったかというと、『源氏物語』で女性が光源氏に扇を贈っていることから、「5(こ)1(い)=恋」にちなんで…ということだそうです。1990年に、京都扇子団扇協同組合が制定した記念日です。
…というところで、1問目のクイズです。
【問題1】「扇子」と「団扇」、読めますか?
「扇子」と「団扇」の読み仮名を、それぞれお答えください。
ヒント:どちらもあおぐ道具です。
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 扇子(せんす)、団扇(うちわ) です。
ちょっと簡単すぎたでしょうか?
「扇(おうぎ)」という字は、「扇動(せんどう)」「扇情(せんじょう)」など「扇(せん)」とも読みますので、「扇子(せんす)」は常識的に読める方が多かったかもしれません。
「団扇(うちわ)」のほうは、この単語限定の「当て字」の難読漢字です。
「団扇(うちわ)」は、もともと、虫を打ち払うための道具として羽を使っていたことに由来し、「打(う)ち羽(わ)」と書かれていましたが、同じ用途で、中国から渡来した「団(中国で『丸い形』を意味する)扇」という表記の道具を使用するようになり、「団扇(うちわ)」という漢字と読みの組み合わせが定着した、と言われています。
さて、2問目も「扇」にまつわる問題です。
【問題2】「扇てる」ってなんと読む?
「扇てる」という日本語の読み方をお答えください。
ヒント:「ほめていい気にさせる」という意味の日本語です。
<使用例>「扇てているわけではなくて、心からそう思っているんです!」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 扇(おだ)てる です。
「煽(おだ)てる」とも表記します。
「扇」といえば優雅な道具のイメージですが、「あおいで風を起こす道具」なので、「相手の感情をあおり、ある方向に仕向ける」…という意味でも使われる漢字です。「扇(おだ)てる」「扇動(せんどう)」「扇情(せんじょう)」、すべて相手を「あおる」行為ですよね?
さて、5月1日が「扇の日」になった理由は、「『源氏物語』で、女性が光源氏に扇を贈っていたから」ということでした。
平安時代は、扇に和歌を書いてラブレターのように送る…という使い方もあったようですが、扇といえば「女性が顔を隠す道具」でもありました。
当時は、高貴な女性が顔をさらすことは、現代で言うところの「裸を見せる」に匹敵するほどの羞恥を伴う行為だった、と言われています。
そんな大事な部分を隠すアイテムである扇を、女性から男性に贈るとは、実は相当な「扇情」行為だったのでは?
その上、お相手が稀代のプレイボーイ・光源氏ともなると…「雅な恋」というより、「肉食女子」?
『源氏物語』は、平安時代の「大人気恋愛小説」ですから、当時としては、かなりセンセーショナルで大胆な演出が満載だったのでは?と思います。
現代の私たちが、恋愛ドラマに夢中になるような感覚で、当時の女性たちは『源氏物語』のフィクションを楽しんでいたのかもしれません。
本日は、『扇の日』にちなんで、
・扇子(せんす)
・団扇(うちわ)
・扇(おだ)てる
という漢字の読みと、平安時代のトリビア?をお送りしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱