「伯母(おば)」と「叔母(おば)」の違いは何?「母」の入った「親族に関する日本語」をおさらい!
本日は5月の第2日曜日、『母の日』ですね。昨日は「母の日の会話がはずみそうな日本語トリビア」をお送りしました。本日は「母」という漢字の入った、意外と間違えやすい「親族に関する日本語」をおさらいしましょう。
さっそく1問目です。
【問題1】「従祖母」って「じゅうそぼ」以外になんと読む?どんな人のこと?
「従祖母」という日本語の「じゅうそぼ」以外の読み方をお答えください。
ヒント:「祖父の姉妹」という意味の日本語です。
さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 従祖母(おおおば) です。
大叔母(おおおば)と書くこともできますが、従祖母(おおおば)のほうが無難です。
なぜ無難なのでしょうか?
…という謎を解く、2問目のクイズです。
【問題2】「伯母(おば)」と「叔母(おば)」の違いは何?
親の姉妹を指す「おば」という言葉には「伯母」「叔母」という二つの表記があります。どんな違いをを表しているのか、以下の選択肢の中から選んでください。
1:「姉か妹か」の違い
2:「父方か母方か」の違い
3:「年齢」の違い
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 1:「姉か妹か」の違い です。
「伯母」は親の姉を指し、
「叔母」は親の妹を指します。
「親の兄の妻」の場合は、年齢に関係なく「伯母」、
「両親の弟の妻」の場合は、年齢に関係なく「叔母」になります。
ちなみに「小母(おば)」という表記は「年配の女性一般」を意味します。親しくしている親族以外の年配女性を「おばさま」と呼ぶ場合の漢字表記は、実は「小母様」なのです。
ここで、1問目から続く、「祖父母の姉妹」を表す「おおおば」という呼称に関する表記の話に戻りましょう。
「従祖母(おおおば)」という表記では、「祖父母の姉妹」という情報のみ表し、「祖父母の姉か妹か?」という意味合いは含まれていません。
しかし「大叔母(おおおば)」と書くと「祖父母の妹」に限り、その方が「祖父母の姉」である場合は誤表記、ということになってしまいます。ですので「従祖母」と表記したほうが、汎用的で無難なのです。
「伯」という漢字は、絵画界の重鎮を「画伯(がはく)」と表現するように、「統率者」「頭に立つもの」という意味を持ち、
「叔」という漢字は、「叔(わか)い」とも読み、「年少者」を表します。
本日は、『母の日』にちなんで、「母」という漢字の入った「親族を表現する日本語」、
・従祖母(じゅうそぼ、おおおば)
・伯母(おば)
・叔母(おば)
そして、親族以外の年配の女性を示す
・小母(おば)
という表記についておさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱