40歳を過ぎれば、肌の衰えだけなく、髪の老化も気になるところ。薄毛や白髪、髪のうねりなど、若い頃に感じることがなかった髪の悩みも増えてきます。
そんな大人の髪悩みを解消すべく、髪のプロでもある「ミルボン」の菊地哲宏さんに、「薄毛」「白髪」「うねり毛」それぞれの原因と、セルフケアについて教えていただきました。詳しくご紹介します。
大人を悩ませる、薄毛・白髪・うねり毛を食い止める方法
薄毛・白髪・うねり毛など、髪のエイジング対策を始めるうえで、知っておきたいのが、髪を育てる土台となる頭皮の状態。健康な頭皮なくして、美しい髪を育むことはできません。それでは頭皮の健康状態は、どうやって調べることができるのでしょうか?
「頭皮のエイジングが進んでいるかどうかは、頭皮の硬さと色で分かります。頭皮の前頭部と側頭部の動きをチェックしてみて下さい。健康な頭皮は前頭部7mm、側頭部1.5cm程度動くのですが、エイジングが進行している場合、頭皮が硬く、中には全く動かない人もいます。
また、健康な頭皮は、青白く透明感があるのに対し、エイジングが進行している頭皮は、地肌が酸化して黄色くなっていたり、炎症で赤くなっています。頭皮がこのような状態である場合は、抜け毛や白髪、エイジング毛と呼ばれるうねり毛が増えていたり、薄毛が進んで、地肌が透けて見えていることも」(菊地さん)
【青白い頭皮】
「健康な頭皮の色は、青白く、透けるような色合いをしています。このような青白い頭皮から、黒く豊かな髪は生まれます」(菊地さん)
【黄色い頭皮】
「黄色い頭皮は、体の内側・外側からの酸化のサイン。年齢とともに体の抗酸化力は衰えますが、紫外線やストレスなども酸化を引き起こす要因に。酸化が進行した黄ぐすみ頭皮からは、エイジング毛と呼ばれる、独特なうねり毛が生えやすくなり、髪のツヤの低下につながります」(菊地さん)
【赤い頭皮】
「赤い頭皮は、炎症を起こしている状態。炎症の原因は様々で、寝不足や疲れによる一時的なものから、白髪、抜け毛、髪やせを引き起こす慢性的な炎症の場合も」(菊地さん)
美しい髪を育むためにも、普段から動きや色など、自分の頭皮がどんな状態なのか、こまめにチェックするようにしましょう。頭皮の状態を知っておくことは、髪のエイジング予防にもつながります。
以下に、気になる薄毛・白髪・うねり毛について、それぞれの原因と改善策を詳しくご紹介します。
【髪悩み1】薄毛の原因と対策
「薄毛の主な原因は、ホルモンバランスの乱れ。40歳前後から女性ホルモンの分泌量は低下。男性ホルモンの割合が高くなることで、抜け毛が起こりやすくなるといわれています。
髪が生えてから抜け落ちるまでのサイクルは、通常、女性では4〜6年と言われていますが、男性ホルモンが優位になると、成長期が短くなり、早く抜けてしまったり、細い毛になってしまったりします。健康な髪が生えにくくなるため、薄毛が進んでしまいます」(菊地さん)
■薄毛対策1:規則正しい生活とバランスのとれた食事を心がける
「髪のためにこれだけ摂取すれば良いという食材はなく、バランスの取れた食事が、薄毛予防には必要不可欠です。毛髪はケラチンと呼ばれるたんぱく質でできていて、たんぱく質はアミノ酸からできています。髪も食事から摂取した栄養素で作られているので、栄養素が不足すると毛髪は成長できません。
また、睡眠も大切なポイントです。睡眠不足になると、ホルモン分泌のバランスが崩れ、ヘアサイクルの乱れを引き起こすばかりか、ストレスで頭皮が硬くなり、抜け毛の原因となってしまいます」(菊地さん)
■薄毛対策2:頭皮用ローションや育毛剤で、頭皮ケアを習慣に!
「頭皮用のローションや育毛剤を取り入れるのもおすすめです。頭皮に潤いを与え、頭皮環境を整えることで、抜け毛予防や発毛促進が期待できます。この際、頭皮マッサージで血流をよくしてあげることもポイントです。
というのも、加齢やストレスにより、前頭筋や側頭筋、後頭筋が萎縮。筋肉の収縮により、帽状腱膜が引き伸ばされ、頭皮は硬くなってしまいます。頭皮が硬くなると、血流が悪くなり、髪の毛の元となる毛母細胞に栄養が行き渡らなくなり、結果、髪の発育が妨げられてしまいます。薄毛予防のためにも、頭皮マッサージを毎日の習慣にしましょう」(菊地さん)
■薄毛対策3:正しいシャンプーで、頭皮の汚れをしっかり落とす
「健康な髪を育むためには、毎日のシャンプーで頭皮の皮脂汚れを取り除くことが大切です。シャンプー時、最初にお湯で頭皮と髪を十分に濡らしながら、予洗いするようにしましょう。こうすることで、少ない量のシャンプーでもよく泡立ち、髪を洗う際にかかる摩擦力で起こる物理的な力を軽減でき、抜け毛を抑えることができます。
また、落としきれなかった頭皮の汚れは、時間とともに過酸化脂質に変化。頭皮のニオイの原因にもなるので、気をつけましょう」(菊地さん)
■薄毛対策4:髪や頭皮の紫外線対策も忘れずに!
「頭皮が日焼けするとカルボニル化=酸化が起こり、頭皮の老化が進行してしまいます。時々、分け目を変える、帽子をかぶるなどして、日焼けによるダメージから頭皮を守ることが大切です。
また、髪自体も紫外線によるダメージを受けるので、UVカット効果のある洗い流さないトリートメントをつけるなど、髪のUVケアも意識してください」(菊地さん)
【髪悩み2】白髪の原因と対策
「メラニン色素をつくる細胞の機能が衰えることで、メラニンが作られなくなったり、メラニンを髪に渡せなくなったりして白髪が発生。加齢や遺伝的要素、ストレスによる血流不足も白髪の原因と言われています。また、最近の研究で、頭皮に存在している特定の常在菌が白髪の原因になることも分かっています」(菊地さん)
■白髪対策1:睡眠をしっかりとり、ストレスケアを意識
「ストレスは血流不足を招く原因。血流が悪くなると、メラニンを作る細胞の働きが弱まり、白髪になってしまうと言われています。遺伝的要因を除いては、規則正しい生活をおくり、睡眠不足やストレスを溜めないようにすることが、白髪予防に役立ちます」(菊地さん)
■白髪対策2:常在菌のバランスを整えるヘアケア剤を活用
「最近の研究では、頭皮に存在する常在菌『コリネバクテリア』の割合が増えると、白髪になることも分かっています。ローズマリーやペパーミントなどシソ科の植物エキスが入った育毛ローションは、菌の増殖を抑えるのに有効です。薄毛ケアと同様、頭皮マッサージで血流を良くしてあげることも、白髪対策におすすめです」(菊地さん)
\白髪におすすめの育毛エッセンス/
「オージュア グロウシブ グロウエッセンス」は、シソ科植物エキスが地肌に潤いを与え、頭皮環境を改善する、育毛エッセンス。スカルプフローラに着目したケアで、健やかな黒髪へと導きます。
【髪悩み3】うねり毛の原因と対策
「髪の老化のサインのひとつに挙げられるのが、うねり毛。髪の毛の中には親水性のタンパク質と、水になじみにくいタンパク質があり、加齢とともに水になじみにくいたんぱく質が増加。その結果、髪の水分保持力が下がり、うねりが起こってしまい、まとまりが悪くなっていくことが分かっています」(菊地さん)
■うねり対策:ビタミンB6配合のヘアケア剤を投入
「エイジングによるうねり毛には、ビタミンB6配合のヘアケア剤が有効です。ビタミンB6がたんぱく質の代わりに水を保持することで、うねりを改善して、髪がまとまりやすい状態にしてくれます」(菊地さん)
\うねり毛におすすめのヘアケアアイテム/
うねり毛など、まとまりの悪さが気になるエイジングヘアのためのシリーズ「オージュア・タイムサージ」。
年齢とともに変化するタンパク質の疎水化に着目。毛髪内部まで浸透する水溶性のビタミンB6配合で、毛髪内部の水分保持力を高め、しなやかにまとまる髪へと導きます。
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年齢とともに感じるうねりや、髪やせによるボリューム不足、薄毛、白髪など、大人の髪悩みは尽きませんが、毎日のケア次第で、髪は美しく変わってくれるはず。今すぐ始めて、髪のエイジングを食い止めましょう。
*商品の価格はすべて税抜です。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- EDIT&WRITING :
- 小池田友紀