2020年の海の日は、例年とは異なります。それは、2020年に開催される予定だった東京オリンピック・パラリンピックによるためです。
そこで当記事では、2020年の海の日はいつなのか、そして、海の日にどのような由来があるのかを解説。
また、海の日の他にオリンピックで変更になった祝日(山の日、スポーツの日)や、海の日のイベントもご紹介していきます。
■海の日の由来
日本の祝日のひとつである「海の日」。この日はいつからはじまり、どんな由来や意味があるのでしょうか。それらを解説していきます。
海の日はいつからはじまった?
「海の日」は1995年に国民の祝日として制定され、その翌年、1996年に施行されました。施行された1996年から2002年までは、7月20日が海の日でしたが、2003年からは「7月第3月曜日」が海の日となりました。
これは、2000年に祝日法が改正され、ハッピーマンデー制度(祝日の一部を月曜日に移動させ、土曜日、日曜日と合わせて3連休とする制度)が導入されたことによります。
ちなみに、この海の日を含む7月1日から31日までの1か月間は「海の月間」となっています。
海の日の意味や由来
「海の日」は、「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」という趣旨をもって制定されています。
この「海の日」は、世界の中でも日本だけが国民の祝日として制定されているのだそうです。このことから、日本は海に囲まれ、海が身近にあることから海に親しみがあり、海に恩恵を受けている国であることがうかがえます。
「海の日」の由来は、祝日になるはるか前、1876年(明治9年)に遡ります。この年、明治天皇が東北地方を巡幸。7月20日に灯台巡視船「明治丸」で横浜港に無事ご帰着されたことを祝う「海の記念日」に由来しています。
海の日を英語でいうと?
「海の日」は英語でいうと「Marine Day」といいます。「marine」は「海の」という意味ですから、その単語に「day」をつければ海の日となります。
■海の日の固定化を望む声も
現在、海の日は7月第3月曜日なので変動的な祝日となっていますが、以前のように「日にちを固定してほしい」という声も出てきています。固定化を望む意見には、
「山の日は固定されているのに、海の日は固定しないのはなぜ?」
「第3月曜日というのがわかりにくい」
「以前のように固定していたほうが覚えやすい」
「祝日をころころ変えないでほしい」
などがあるようです。 以前には再固定化の動きがあったようですが、3連休を維持するほうが経済効果が見込めるなどの理由により、海の日の再固定化は2020年の現段階では見送られています。
■2020年の海の日はいつ?
2020年の海の日は、7月23日(木)です。2020年の海の日はイレギュラーで、7月第3月曜日ではありません。その理由は、東京オリンピック・パラリンピックが開催される予定だったからです。開催期間中のアスリートや観客などをスムーズに輸送するため、そして経済活動、市民生活の共存を図るため、祝日が移動されました。
また、オリンピック開催により、海の日以外の祝日も変更となるものがあります。それは、「体育の日」と「山の日」です。
体育の日は、例年であれば10月の第2月曜日ですが、2020年は7月24日(金)となります。また、2020年以降は「体育の日」の名称が「スポーツの日」に変更されます。
また、山の日は例年であれば8月11日ですが、2020年は8月10日(月)に変更となっています。
例年の海の日はいつ?
例年の海の日は、7月第3月曜日です。前述しましたが、ハッピーマンデー制度により、3連休にする目的でそのようになっています。 ちなみに、スポーツの日は10月の第2月曜日。山の日は毎年8月11日です。
2021年の海の日はいつ?
東京オリンピック・パラリンピックが2021年に延期となりましたが、2021年の海の日に変更はあるのでしょうか。 答えは「変更あり」です。
東京オリンピックの開催は、2021年7月23日(金)に開幕、8月8日(日)に閉幕予定となりました。それにともない、海の日はオリンピック開幕の前日である7月22日(木)に。
スポーツの日は7月23日(金)に、山の日は閉幕日の8月8日(日)に移動する予定となっています。ちなみに2021年の8月8日は日曜日ですから、翌日9日は振替休日となります。
■海の日の他にオリンピックで変更になった祝日
東京オリンピックが開催されることにより、海の日の他に変更となる祝日は、スポーツの日と山の日です。それぞれの祝日にはどんな意味があるのか、ご紹介しましょう。
スポーツの日(旧「体育の日」)とは
「スポーツの日」といっても、ピンとこない人もいることでしょう。それも当然。2020年からもともとの「体育の日」という名称が「スポーツの日」と変更になったからです。 スポーツの日は、例年10月の第2月曜日です。「スポーツに親しみ、健康な心身をつちかう」という趣旨があります。
山の日とは
「山の日」は、2014年に制定され、2016年に施行された国民の祝日です。比較的新しい祝日で、まだなじみが薄いかもしれません。この山の日は、毎年8月11日と固定されています。趣旨は、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」日となっています。
■海の日のイベント
例年の海の日には、「海」「船」「灯台」など、海に関するイベントが全国各地で行われます。どんなイベントがあるのか見てみましょう。
「海の日」ポスターコンクール
『「海の日」ポスターコンクール』は、公益財団法人日本海事広報協会が行っているコンクールです。「海の日」を紹介するとともに、「海」の大切さ、海事産業の重要性を広く一般に訴えかけるようなポスターを募集しています。
応募資格は、日本国籍を有している方なら誰でも応募することが可能です。ちなみに、応募期間は2020年7月20日〜12月5日までとなっています。
マリンスポーツや灯台のイベントも
「海の日」に行われる最大規模のイベントが「海フェスタ(海の祭典)」です。このイベントは、国土交通省より選定された海にゆかりのある自治体によって毎年開催されています。内容は、記念式典や祝賀会、シンポジウム、船の一般公開などで、さまざまな角度から海に親しむことができます。
2019年は「海フェスタしずおか」として静岡市で開催されましたが、2020年の開催告知などは行われていないようです。
その他、海で行われるボートレースやマリンスポーツなどの大会や、海辺の清掃プロジェクトが実施されたり、多くの灯台が一般公開されます。灯台内部を見学できることはなかなかないので、海の日のチャンスを見逃さないようにしましょう。
例年ではこのようなイベントが行われていますが、2020年は東京オリンピック・パラリンピック開催予定だったこと、そして新型コロナウイルスの影響でさまざまなイベントが変更されています。
お出かけの際には、各イベントのホームページや、全国で開催される海のイベント情報を掲載した日本財団運営の特設サイト「海と日本PROJECT」のウェブサイトをご確認ください。
「海の日」には海に親しみ、思いを馳せてみては
当記事では、2020年、2021年の海の日はいつなのか、海の日の由来、海の日の固定化を望む声、海の日のイベントなどをご紹介しました。 日本は海に囲まれた島国です。「海の日」には、さまざまな形で海に親しんでみてはいかがでしょうか。
- TEXT :
- Precious.jp編集部