会食やレセプションパーティー、結婚式やホームパーティーの手土産にいたるまで、大人の女性のライフスタイルに欠かせないものとなっている、シャンパン（シャンパーニュ）。
シャンパンというとフランス・シャンパーニュ地方のスパークリングワインですが…そのトラディショナルな製法や、使用されるぶどう品種の特徴までは知らない、という人は多いのではないでしょうか。乾杯の席で難しい話は無粋だとしても、基本的な知識を大人の女のたしなみとして身につけておけば、会話が弾むこと請け合いです。より深く、おいしく、シャンパンの世界を楽しむことができる「基礎知識」をまとめてみました。
本連載「ワイン入門」のシャンパン編では、ワインエキスパートの瀬川あずささんが、シャンパンの楽しみを広げる基礎知識から、覚えておくとちょっとツウなキーワードまで、シャンパンを通じてエレガントなふるまいが身につく心得をレクチャー。さまざまなシーンで役立つシャンパンの知識を身につけて、「おいしい」だけではない、上質な時間を楽しみましょう。
シャンパンを飲んだときの褒め言葉は？
会食でシャンパンを飲んだとき、目上の方に高級なシャンパンをご馳走になったとき、ホームパーティーで素敵なシャンパンをいただいたとき、おいしくいただいてもその表現が「おいしい」だけではちょっと気が引けますよね。でも知ったかぶりはしたくないし、なんといったらよいのかわからない…という人も多いのではないでしょうか。
「まず覚えておいて欲しいのは、シャンパーニュを飲んだときに『飲みやすい』というのはNGだということです。シャンパーニュは複雑味のあるほうが手間と時間をかけてつくられた上質なものとされるためです」と、瀬川さん。ついキリッと冷えたシャンパンを口にしたときに「飲みやすい」と言ってしまいがちですが、シャンパンは「複雑な味わいのほうが魅力的」とされているので、「飲みやすい」というとシンプルで、リーズナブルなイメージになってしまうとか。
では、どんな褒め言葉を使ったら良いのでしょうか。
「グラスから立ち昇るシャンパーニュの泡はとても美しく、テイスティングにおいて大切な要素です。まずはその泡について言及するのもよいでしょう。泡の質感について『クリーミーな泡立ち』というのを聞いたことがあるかと思いますが、シュワっとなめらかな泡を『クリーミー』と表現してあげてください。きめ細やかでクリーミーなシャンパーニュが上質な証です」（瀬川さん）
泡の舌触りだけでなく、泡立ちがキメ細やかかどうかは見た目でチェックすることも可能だそう。
「いいシャンパーニュは長い年月、瓶のなかで熟成しているもの。二酸化炭素が時間をかけて溶け込むので泡立ちがすごくきめ細やかなんです。本当に小さい粒がグラスから綺麗に立ち上っていきます。しっかりとしたトラディショナル方式でつくられたものは、泡に持続性があるのもポイントです。泡を見るとどういうつくり方をしたのかわかると言われるくらい、泡の立ち方というのは大切なものなんです」（瀬川さん）
「高級なシャンパンを飲んだときには、上記で述べたようなシャンパーニュを表す言葉として『複雑味がある』『余韻が長い』という表現がよいと思います。さらに上質なシャンパーニュは酵母との接触期間が長いので、酵母の香りがすごく出てくるもの。よく『トーストの香り』『ブリオッシュの香り』『パンがちょうど焼けたときのような香ばしさがある』と言いますが、香り豊かなシャンパーニュにはそのような言葉を使うのもよいでしょう」（瀬川さん）
本格的なテイスティングコメントはできなくても、いいシャンパーニュと出会ったときには気の利いたコメントのひとつも言いたいもの。まずは入門編として、味わいの「複雑味」、長く持続する「クリーミーな泡立ち」、酵母が熟成した「トーストのような香り」の３つを覚えてみてください。
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- TEXT ：
- 瀬川あずささん ワインエキスパート
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- EDIT ：
- 渋谷香菜子
