唐津焼とは、肥前(現在の佐賀県西部・長崎県北部)でつくられる陶器の総称である。古くから茶碗は「一楽、二萩、三唐津」と呼ばれるように、名高い焼き物のひとつ。唐津焼は、自然な土の色と質感を残した素朴な風合いで、使うものの気持ちを和ませる。
陶芸作家の戸川雅尊(がそん)さんは、生まれも育ちも唐津。二十歳の頃、それまであまり意識していなかった唐津焼に目覚め、25歳で弟子入り。2011年に割竹式登り窯を築窯(ちくよう)し、独立した若手である。
戸川雅尊の徳利とぐい飲み、唐津焼の新風
渋くほの暗く、しっとりとしたイメージの唐津焼に、すっきりとした空気が流れるような質感が、戸川さんの焼き物にはある。
グレーがかった小さな口が特徴の「皮鯨(かわくじら)」と呼ばれる徳利は、縁から垂れる釉薬に味があり、底に向かって晴れやかな青の世界とのコントラストが美しい。ぐい飲みは、平たい形状に酒が薄く溜まり、酒の香りが開き、のどの奥にすっと入る感覚。酒のツヤツヤとした光の反射も粋である。
古窯跡にも足を運び素材となる土を探す戸川さん。目指す唐津は、「安らぐような気持ちになる器」である。
関連記事
- 「吟醸」「大吟醸」冷やして美味しい日本酒は?
- ディレクターは中田英寿!期間限定の日本酒レストランへ急げ!
- 新潟が生んだ銘酒を食卓に!発売35周年を迎えた「久保田」からメモリアルな日本酒が登場!
- 世界中の料理を自宅で!麻布十番で人気のロシア料理のお店「エレネスク」をテイクアウト!
- 五臓六腑に染み渡る、日本のソウルフード「おでん」!
- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
Faceboook へのリンク
Twitter へのリンク
- PHOTO :
- 池田 敦(パイルドライバー)