年の瀬となり、取引先や上司などに対し、年末の挨拶をおこなう時期となりました。ビジネス上のマナーとしても、年末の挨拶は欠かせません。そこでこの記事では、1年間の感謝を伝える年末の挨拶について、わかりやすく解説していきます。また、年末の挨拶をおこなうタイミングを、社外編と社内編にわけて紹介します。さらに、年末の挨拶に必要な訪問のマナーや、手紙・はがき・メールなどにも応用できる、年末の挨拶の例文もチェックしていきましょう。
■年末の挨拶で感謝の気持ちを伝えよう
年末の挨拶は、日ごろの感謝を伝える絶好の機会です。特にビジネスシーンでは、外せないマナーのひとつでもあります。まずは、どうして年末の挨拶が大切にされるのか、その理由を見ていきましょう。
年末の挨拶が大切にされる理由
企業の多くが年末の挨拶をおこないます。その理由の大半は、取引先や顧客に「年末年始休暇を伝えるため」ではないでしょうか。他にも、既存顧客のフォローや休眠顧客へのアプローチなどの理由があるでしょう。本来であれば訪問での挨拶が望ましいのですが、コロナウィルス感染拡大の影響もあり、対面での挨拶が難しいとされる昨今、手紙やメールでも取引先や顧客に対して礼を失することにはなりません。
■年末の挨拶をおこなうタイミング【社外編】
慌ただしい年末の挨拶は、そのタイミングが重要といわれています。ここでは、年末の挨拶をおこなうときに大切なタイミングのポイントを見ていきましょう。最初は、取引先や顧客におこなう、社外への年末の挨拶についてご紹介します。
訪問のタイミング
年末進行などで平常時より忙しい人も多く、コロナウイルス感染拡大予防の観点から考えても、相手に時間をとらせてしまう対面での挨拶は控えたほうが無難かもしれません。
しかし、どうしても訪問が必要な場合は、事前に取引先や顧客の最終営業日を調べておきましょう。この確認作業は、社外に年末の挨拶をおこなうときに必要なビジネスマナーの基本です。最終営業日から逆算して、先方に迷惑のかからない日程を選びましょう。また、社外への挨拶訪問に上司や同僚などが帯同することもあるため、帯同の有無の確認や日程のすり合わせなど、社内調整も早めにおこなってください。
手土産の渡し方
取引先や顧客への年末の挨拶に欠かせない手土産の渡し方にもタイミングがあります。訪問したとき、応接室に通されても持参した手土産を床に置いたりせず、必ず下座側に置いてください。そして最初の挨拶を済ませたあと、紙袋から出して両手で渡すようにしましょう。先方の名前が入ったのし紙をつければ、さらに謝意を示すことができます。
手紙・はがき・メールのときは
年末の挨拶を手紙・はがき・メールでおこなうときには、郵送日が重要になります。取引先や顧客の最終営業日や出勤日を確認し、それよりも前に届くよう、タイミングを逃さないようにしてください。年末になると郵便物が増えるため、予定よりも到着日数を要することがあります。手紙やはがきの場合、余裕を持って送るように注意しましょう。
■年末の挨拶をおこなうタイミング【社内編】
ここからは、社内で年末の挨拶をおこなうタイミングをご紹介します。同じ年末の挨拶でも、社内と社外では内容も異なってくるもの。また、手紙・はがき・メールでの挨拶にも注意すべき点があります。
対面のタイミング
年末進行やコロナ禍であることを鑑みても、対面での挨拶は控えたほうがいいかもしれません。しかし、社内での年末の挨拶を対面でおこなう必要がある場合、相手のタイミングをうかがうことが大切です。いくら社内とはいえ、相手の都合を考えない無計画な挨拶では迷惑をかけてしまいますし、自分の評価を下げかねません。その相手が上司ともなれば、なおさらのことです。相手の稼働状況をしっかりと把握したうえで、対面の時間をもらうようにしましょう。
手紙・はがき・メールのときは
手紙・はがき・メールで年末の挨拶をおこなうときにもタイミングがあります。手紙やはがきを送る場合、年末の時期を逃さないように到着予定日の確認や調整が必要です。また、メールの場合、できるだけ一斉送信をやめてください。特に上司や先輩など、社内でも目上の方に対する挨拶メールの一斉送信は、事務的と思われる可能性もあり、あまりよくない印象を与えてしまうこともあるでしょう。
■年末の挨拶・訪問のマナー
取引先や顧客に年末の挨拶をおこなう前に、知っておきたいビジネスマナーがあります。ここからは、年末の挨拶に役立つ礼儀作法、訪問のマナーをご紹介します。
訪問のマナー1:事前にアポイントメントをとる
年末の挨拶をおこなう場合、事前にアポイントメントをとることが基本です。時期に関しては、一般的に12月15日以降、年末年始の休暇に入る1週間程前といわれています。具体的な日程は、取引先や顧客の都合を優先して決めるようにしましょう。
訪問のマナー2:滞在時間に注意する
先方に訪問したとき、滞在時間にも注意を払いましょう。取引先や顧客も年末という多忙な時期のため、長居をしてはいけません。一般的にも挨拶に要する時間は5分~15分程度といわれています。足を運ぶこと、顔を見せることに年末の挨拶の意義があると考えてください。
訪問のマナー3:手土産の注意点
手土産を持参するときは、相手に負担がかからないものを選びましょう。粗品の場合、カレンダーや文房具、日用品といった実用性の高いものが喜ばれるようです。また、お菓子の場合、日持ちする個包装、仕事中でも食べやすいものが好印象を持たれます。
■年末の挨拶の例文
ここからは、手紙・はがき・メールで年末の挨拶をおこなうときに役立つ例文をご紹介します。基本的に手紙・はがき・メール、どれでも挨拶文の構成は同じです。相手に誠意や感謝の気持ちが伝わるように、シンプルでわかりやすい内容にまとめましょう。
基本的な構成
年末の挨拶文の基本的な構成は「時候の挨拶」から始まります。それから「1年の感謝」「具体的なエピソード」と続き「年末の忙しさ、体調への気遣い」をのぞかせ、最後に「来年も親しいお付き合いのお願い」で締めてください。社外に送る場合は、こちらの年末年始の営業日程を入れるようにしましょう。
社外向けの例文
ここからは、社外向けの例文をご紹介します。誤字脱字といった基本的な内容はもちろんのこと、年末年始の営業日や営業時間の記載、送るタイミングなどにも注意が必要です。
件名:年末のご挨拶
以下本文:
〇〇株式会社〇〇様
平素より、お世話になっております。
株式会社〇〇の〇〇です。
今年も残すところわずかとなりましたが、貴社におかれましては、ますますご清栄の事とお喜び申し上げます。
〇〇の案件で無事に成功を収めることができたのも、〇〇様のお力添えがあってのこと、心より感謝しております。
来年も貴社のお役に立てるように、尽力して参る所存でございますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
なお、弊社は年内12月28日まで通常営業をおこないます。新年の営業開始は1月5日からになります。
メールにて恐縮ではございますが、これを年末のご挨拶と代えさせていただきます。
どうか、良い新年をお迎えください。
社内向けの例文
次に、社内向けの例文をご紹介します。社内の挨拶文とはいえ、上司をはじめ、同僚・後輩にも礼を失することのないように、しっかりと感謝の気持ちを伝えてください。例文は、上司宛のものになります。
件名
年末のご挨拶
以下本文
○○部長、お疲れ様です。
今年も残すところ、あとわずかとなりましたので、手短にはなりますが、年末の挨拶をさせてください。
公私共々お世話になった〇〇部長には、感謝の気持ちと言葉しかありません。
担当を任せていただいた展示会は、〇〇部長の的確なご指南があったからこそ、成功することができました。
まだまだ未熟な点が多いため、引き続き、来年もご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
来年は1月4日から出勤の予定です。新年も今年以上に業務に注力したいと思います。
それでは、良いお年をお迎えください。
■相手が誰であれ、心を込めた年末の挨拶を
年末の挨拶とは、取引先や顧客、上司や同僚などに1年間の感謝と誠意の気持ちを表すものです。社外、社内によって年末の挨拶の形式が異なるため、タイミングやマナーを知っておく必要があります。それは、対面であっても手紙・はがき・メールであっても同じことです。翌年の人間関係を円滑にするためにも、相手が誰であれ、しっかりと心を込めた年末の挨拶をおこなうようにしましょう。
- TEXT :
- Precious.jp編集部