「『東京エディション虎ノ門』に泊まるんですか? それならスイートに泊まってレポート記事を書いてください」

「いや、でも私、ひとりなんですよ。ほら、ワーケーションのつもりだったしさ」

「スイート滞在ってPrecious.jpの読者にも興味もっていただけるコンテンツだと思うんですよね~」

「……」

人の話をさっぱり聞いていない編集部のH女史のお達しにより、2020年10月20日にオープンした「東京エディション虎ノ門」の、それもスイートに宿泊してまいりました。

お部屋を思いがけなくアップグレードしてもらったことはありますが、最初から「スイートに泊まるぞぉ」と意気込んで出かけたのは初めての経験です。そもそも「スイート」ってひとりで泊まってもいいものなのかな。この後ろめたさはなんなのか……考えていて気付きました。「スイート」という日本語が、アタマの中で「Sweet」に変換されていたということに。

もちろん、この場合の「スイート」は「Suite」、つまり家具がひとそろいそろった部屋という意味になります。つまり、まったくSweetではない私が泊まってもいいんですね。

と、自分を納得させながらでかけました。

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「東京エディション虎ノ門」

「東京エディション虎ノ門」は地下鉄「神谷町」駅からほぼ直結。え、スイートに泊まるのに地下鉄で行くのかって? ハイ、都市生活者はどこだって地下鉄で移動しますよ。背中にはPCと仕事の資料一式。ワーケーション気分で出かけました。

「東京エディション虎ノ門」はこんなホテル

エディション……聞いたことないですよね。日本に初上陸したホテルブランドです。70~80年代のNYで伝説的なディスコとなった「スタジオ54」や「パラディウム」、そしてブティックホテルの祖としてしられる「モーガンズ」を創ったイアン・シュレーガー氏によるホテルブランドで、現在ほかにNY、ロンドン、マイアミビーチ、上海など世界の10拠点で展開されています。

いわゆるラグジュアリーホテルと呼ばれるカテゴリーに属しながらも、自宅のようにくつろげる数々の趣向は、いわばハイライフスタイルとでも言いましょうか。

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各国のエディションはそれぞれ異なるクリエイターとコラボしており、「東京エディション虎ノ門」は隈研吾氏とのパートナーシップから生まれた。

31階のロビーフロアでまず驚くのは、この緑豊かな空間。東京ではない、でも南国のリゾートでもない、新しいセンセーションを得られます。強いていうなら、隈研吾さんらしいウッドの使い方とあいまって、伊勢や島根などのパワースポット系神社の境内にいるイメージ(あくまで私感です)。

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テラススイート(108㎡)

いよいよ、チェックイン。通された客室は、私のスイート感をはるかに超えるものでした。広々としたリビングにベッドルーム、バスルームはもちろん、パントリーまで。そしてテラス……え、テラス? 思わず二度見した窓の向こうには、友人を1ダースは余裕で呼べそうなテラスが広がっていたのでした。総面積100㎡超とは、私の自宅をはるかに超えた広さ……今宵一晩かぎりの富豪感を味わいましょう。

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銀座方面から、スカイツリーまで望めるテラス。

どのくらい広いか、イメージいただくためにヨガマットを敷いてみました。明日の朝、晴れていたら、私が唯一できるポーズ、太陽礼拝でもやってみようかな。

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キングサイズのベッドが置かれた寝室。

「あれ、いままで誰かここにいた?」と思わせるベッドスプレッドのさりげない配し方。ここにもイアン・シュレーガー氏の徹底した美意識が現れています。四角四面ではない、人の有機的なあたたかさを感じさせる心配り、というわけなのでしょうね。

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アメニティは「ル ラボ」。ウッドの椅子に腰かけてシャワーを浴びることができる贅沢。
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パントリーの冷蔵庫にはなんとKRUGが。
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ほかにお部屋に置かれたお酒は「松井」(ウイスキー)、「六」(ジン)、「奥飛騨ウォッカ」など国産がメイン。

ひとしきりチェックが終わったら、この広い部屋にポツンといるのが寂しくなり、ロビーでアペロをキメることにしました。

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途中でホテル宿泊客のみが使用できるプールをチェック。
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ハウスシャンパーニュは「ルイナール ブラン・ド・ブラン」。

ホテルのほどよい喧騒のなかで仕事をするのはもともと好きなのですが、「東京エディション虎ノ門」はこの森の中のような環境、心地よいボリュームのBGM、ハウスシャンパーニュとして大好きな「ルイナール ブラン・ド・ブラン」がたっぷり注がれるあたり、最高に気に入りました。

数席空けてお隣でひとり飲んでいた男性(40代)が「ラスベガスのスパで気に入っているところがあるんだけどね」なんて、女性バーテンダーに話しかけている内容もGood。ああ、この “日本じゃない”感、久しぶりです。

もう一杯飲もうかな、というところでオツモリにして、客室へ。なにせスイートですから。なるべくお部屋で過ごさないともったいないですもんね。(この発想自体、すでにスイートにふさわしくないものです)

食事からスパまで。贅沢空間で堪能する、極上のリラックスタイム

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大きなテーブルにディナーをセットしてもらいました。
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ディナーメニュー

せっかくのスイートな時間を楽しもうと、ディナーはルームサービスをお願いすると決めていました。インルームダイニングのメニューを繰り、私が選んだのは「カーリーケールサラダ」(¥2,300)、「スロークックドサーモン」(¥3,400)、そして禁断の「クラブマカロニチーズ」(¥1,000)の3品。

私には、メニューに見つけたら最後、どうしても頼みたくなってしまういくつかの料理があり、「マカロニチーズ」もそのひとつ。英語では「Mac ‘n’ Cheese」と書き、こどもに人気のメニューです。

大きな部屋でひとりごはんはさびしいかなとも思いましたが、さにあらず。

大きなテレビを目の前につけ、洗った髪にバスタオルを巻きつけたまま、誰にもじゃまされずにケールをひとくち、マカロニをもぐもぐ……なんて自由なんだ! 気が大きくなってKRUGを開けてしまおうかとも思いましたが、すんでのところで思いとどまりました。

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メインにアボカドトーストをチョイスしたが、ほかにパンケーキや前菜、フルーツがたっぷり添えられる充実した朝食。

ぐっすり眠って翌朝。ロビー階のオールデーダイニング「The Blue Room」へ出かけ、シェフおすすめの朝食セット(¥5,000)をオーダーしました。これがまた充実した内容とボリュームで、他ホテルとは一線を画するもの。東京でパワーブレックファストを探している方にはまずこちらをおすすめします。

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スパにはカップルでトリートメントを受けられる個室も。

食後はスパへ。昨夜から食べてばかりだったから少しは燃焼せんと、サウナつきのお部屋にしていただき、トリートメントの前に“整え”ました。

私がチョイスしたのは、「ル ソワン リフト」(90分¥29,000)というフェイシャルのコースだったのですが、顔だけではなく、背中やデコルテ、腕までマッサージしてくださり、大変満足度の高い内容でした。今度、ボディのコースでリピートしたいと思っています。

さて、昨日15時にチェックインしてから、まもなく正午まですでに21時間。スイート宿泊体験は意外にあわただしく、気づけばせっかくの広いテラスを使いこなせていませんでした。朝、ゆっくりとお茶を飲もうと思っていたのに~! ヨガマットも敷いただけで、寝てないし! H女史、もう一回取材してきていいですか?

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お茶のセット

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この記事の執筆者
女性ファッション誌や富裕層向けライフスタイル誌、グルメマガジンの編集長を歴任後、アマゾンジャパンを経て独立。得意なジャンルに食、酒、旅、ファッション、犬と馬。
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