カラーリングはモノの印象を決定づけるだけでなく、それを使う者の佇まいや気分さえも変える重要ファクター。人々を魅了する名品には必ず特別な色の存在がある。
コーディネートが楽しくなる特別な色
最もメゾンを象徴する色を日常で携行する満足感
エルメスの『エトゥープ』
オレンジのみならず、エルメスには数多の魅力的な色がある。独自に開発した色の数は実に7万5000色というから、その凄みが理解できよう。そして、ここで紹介するのがそのひとつ、『エトゥープ』だ。ベージュとグレーの中間色、いわゆるグレージュ。聡明、品格、高貴…これほど的確にメゾンの世界観を表現する色はない。その価値をよく知るのは女性で、憧れの色としても際立って人気なのだ。初めて選ぶなら常に携行する手帳や財布がいい。さあ、日常が彩られていく体験を!
繊細な感性のみがなせる美しき色彩感覚を味わう
ブルネロ クチネリの『マイス&チョットロ』
上質とはなんたるかを知る紳士淑女をブルネロ クチネリが虜にする理由。それは特級の素材&仕立てに加え、その魅力を一段と高める、美しい色彩感覚にある。たとえば、『マイス(Mais)』はトウモロコシのイエロー、『チョットロ(Ciottolo)』は小石のライトグレー。本拠地のイタリア・ウンブリア州の自然に着想を得たものとわかるネーミングと目のつけ所が粋である。つくり手の繊細な感性が宿る滋味深い色、これがそでを通すたびに感じる豊かさの源なのだ。
優雅にたなびくコートに隠れるつくり手の気概
エルネストのイエロー
伝統的な技術力をベースに遊びの利いた生地で服を仕立てる。色・柄・素材、たとえそれが女性向きのものであっても。エルネストは創業以来、一貫した信条でモノづくりを続けている。そして鮮やかなイエローが、その情熱を象徴する。デザインはあえてボタンを設けず、体に巻くように着る今日的なラップコートタイプ。これを毛玉状に加工された生地、トスカーナ地方で古くから親しまれているカセンティーノで仕立てる。まさにつくり手の気概を実感できる一着なのだ。
王の贈り物と称される特別なウール製
ロロ・ピアーナの『グリーンベイレイク』
上質と知られるオーストラリア&ニュージーランド産の羊毛。なかでもロロ・ピアーナが独占的に買い付ける、その名もザ・ギフト・オブ・キングス・ウールは、わずか13.5ミクロンという世界で最も細いヴァージン・メリノウール。原毛が雑味のない純白ゆえにブランドが求める繊細な色出しを忠実に表現できる。こちらのリバーシブルブルゾンがまとう澄んだ湖のような美しいグリーンが、その品質の高さを物語る。
※価格はすべて税抜です。
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- TEXT :
- MEN'S Precious編集部
- BY :
- MEN'S Precious2021年冬号より
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- 唐澤光也(RED POINT/静物)
- STYLIST :
- 菊池陽之介