1943年創業のデンマークの照明ブランド「LE KLINT(レ・クリント)」。1枚の樹脂シートを手で折り上げる職人技から生まれる照明は、消えているときも美しいと多くの家庭で愛され、2003年には王室御用達ブランドとなりました。実は日本の折り紙をモチーフに生まれた同ブランドの照明。その馴染み深い佇まいは日本の住宅にも自然にマッチします。

156cmのインテリアエディターDが、おすすめのアイテムを実際に体験しながらレポートする本連載では初登場となるこのブランドを、前後編の2回に分けてご紹介。

昨日公開した【前編】に続き、本記事では、空間に繊細なラインを描くフロアライト「Snowdrop(スノードロップ)」をピックアップ。その魅力をさまざまな角度からレポートします。

野に咲く花のようにスッと佇む姿が美しい「スノードロップ」

可憐な白い花が下を向いて咲いているような「スノードロップ」は、自然に咲くマツユキソウ(スノードロップ)の姿からインスピレーションを受けデザインされています。

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【ブランド】レ・クリント 【商品名】スノードロップ 【写真の仕様の価格】¥143,000 【サイズ】約W350~1350mm/H1190~1550mm 【材質】難燃性PE樹脂、アクリル天板 スチール 【重さ】約8kg 【付属品】Philips Hue電球(※)[ホワイトシングルランプ]E26(60 W相当)1個 フットスイッチ付き
Philips Hue(フィリップス ヒュー)は、スマートフォンやタブレットで簡単にコントロールできるスマートライティングシステム。Hue Bluetoothアプリで、簡単に光の色や濃淡の調整が可能。
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空間を優しく切り取るシャープなラインが上品な印象を添える「スノードロップ」。

 キャンドルのように「灯す」フロアランプがつくる心地よさ

フロアライトはコンセントさえあれば点灯できるので、気軽に動かして雰囲気を変えられる便利なインテリアアイテム。お部屋全体を上から照らすシーリングとは異なり、もっとパーソナルな種類の灯りでインテリアに陰影を生み出す照明器具です。 

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絶妙な高さにポワンと浮いた灯りがつくる美しい陰影を味方につけて、美しく暮らしたいですよね。

日本の住宅でやってしまいがちなのは、シーリングライト一灯で隅々まで明るく照らそうとすること。明るければ広さを感じて寛げるという考えもありますが、実際は見たくないものまで一気に目に入ってきてしまい気持ちが休まりません。

ホっと寛げる空間にするためには、部屋に複数の灯りを配置することが効果的。陰影をつけると奥行きが生まれ、部屋の奥を明るくすると奥まで視線が伸びるので、実際よりも部屋を広く感じることができます。また陰影は人を美しく見せてくれる効果もあります。

自在に傾けられる高機能も魅力的な「スノードロップ」

「スノードロップ」には、傾きをスムーズに変えることができる機構があります。夕暮れ時のヨガやストレッチ、寝る前の読書の際など、お部屋全体を明るくすることなく必要な場所に灯りを持ってくることが可能です。

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野の花が寄り添ってくれるようにて手元を照らす「スノードロップ」。

女性一人でもぎりぎり運べて、傾けても安定する絶妙な重量

「スノードロップ」は約8kg。傾けても安定させるために、見た目よりもズッシリとした重量があります。でも、膝をきちんと曲げてベース部分とポールの中間部を掴めば、女性一人でも移動できます。

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左/傾けられる機構つきのポールは、移動の際には角度が勝手に変わることはなく運びやすかったです。右/一番高い位置(直立時)の明かりの位置は、私の視線よりも少し下にありました。
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左/寛ぐ際には、頭の後方を灯すと壁の反射をともなって月明かりのように優しい灯りを楽しめます。右/座ったまま腕を伸ばして、明るさの必要なところにスムーズに動かすことも可能です。

 「スノードロップ」をデザインした、ハリット-ソーレンセン+サムソン

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デンマークデザインスクールの同級生、男女三人組のデザインチーム

スノードロップをデザインしたのは、トーマス・ハリットとニコライ・ソレンセン、キム・サムソンの男女3人によるデザインチーム「ハリット-ソーレンセン+サムソン(Harrit-Sorensen+Samson)」。

高い機能と繊細なラインを兼ね備えた「スノードロップ」は、レ・クリントの職人技の伝統に現代的な要素を加え見事に調和し、2009年の発表以来、人気アイテムとなっています。


繊細さと高機能の両方を満たした野の花のような「スノードロップ」で、ホッとする時間を楽しんでみたくなったのではないでしょうか?

夕日が沈みオレンジ色の空がブルーを経て夜になるブルーアワー。日本でも「かたわれどき」という言葉があり、夏の夕暮れには特に美しい空を見ることができます。その仄暗さのなかでお気に入りの灯りと過ごす日常を送ることができたら、毎日が少し違ってくるかもしれませんね。

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この記事の執筆者
イデーに5年間(1997年~2002年)所属し、定番家具の開発や「東京デザイナーズブロック2001」の実行委員長、ロンドン・ミラノ・NYで発表されたブランド「SPUTNIK」の立ち上げに関わる。 2012年より「Design life with kids interior workshop」主宰。モンテッソーリ教育の視点を取り入れた、自身デザインの、“時計の読めない子が読みたくなる”アナログ時計『fun pun clock(ふんぷんクロック)』が、グッドデザイン賞2017を受賞。現在は、フリーランスのデザイナー・インテリアエディターとして「豊かな暮らし」について、プロダクトやコーディネート、ライティングを通して情報発信をしている。
公式サイト:YOKODOBASHI.COM