季節は変わっても、引き続きおこもり続きのウィズコロナ生活。でも、せっかくのおうち時間なのですから、楽しみながらリラックスして過ごしたいですよね。そんなときに着るルームウエア、皆さんは何を基準に選ばれていますか?
国内外のルームウエアやランジェリー事情に詳しい川原好恵さんによると「今秋、注目したいのはサステナブルなモノづくりをしているルームウエア」なのだそう。そこで今回は、それぞれのスタンスで未来に向けた取り組みを行っている3ブランドをご紹介していただきます。
時代とともに変化するブランドの在り方。未来を考えた取り組みが後押しする、モノ選びの新基準
私たちの日常生活でも、サステナビリティ(持続可能性)やエシカル(倫理的、道徳的)という言葉を耳にする機会がずいぶん増えました。何かを購入する際に、環境に配慮されているか、倫理に反した方法でつくられていいないかなどを選択の条件に考えるという方もきっと多いと思います。
ファッションの世界でも、オーガニックコットンや生分解性に優れた素材を積極的に使ったり、廃棄ゼロを目指す仕組みをつくったりなど、様々な取り組みが進んでいます。それはルームウエアや下着の分野でも同じこと。全てにおいて完璧なわけではありませんが、自分たちにできることから取り組んでいく、というブランドが増えています。
それは時代が求めるニーズであり、これからの未来にとって大切なこと。秋の夜長に新しいルームウエアを、とお考えの方はそんな取り組みをしているブランドからセレクトしてみてはいかがでしょうか。
未来を考えたモノづくりに共感!おしゃれでサステナブルなルームウエアブランド3選
川原さんが選んだ3つのブランドがこちら。いずれもサステナブルなだけでなく、タウンユースにも活躍するおしゃれなアイテムを数多く展開する優秀ブランドです。
■1:無駄を出さない受注生産スタイルにこだわった「ノール ケアド」
今年7月にデビューした「NORD CADRE(ノール ケアド)」が大切にするキーワードは「ボディーファースト」。触り心地と着心地、そしてシルエットにこだわったニットを中心とするコンフォートワークウエアを提案するブランドです。
全てを受注生産にし、それをECサイトで直接販売することで無駄なコストを排除。そのぶんをモノ作りの価値を高めることに生かしています。
ノンストレスな着心地はルームウエアにぴったりですが、ジャケットやコートなども展開しており、オンタイムにも活躍するアイテムが揃っています。
「ノール ケアド」はニット専門のケアクリニックも運営しています。ほつれや虫に食べられて穴があいてしまったりした「ノール ケアド」の商品は、ここで無償修理してもらえます。他ブランドの商品でも有償で修理依頼できるとのこと。自分のためにつくられたお気に入りの服を大切に長く着る、それもサステナビリティのひとつのかたち。頼りになる存在ですね。
■2:シーズンレスで使える国際基準の素材に特化した「ナイスナイスモーメント」
今年4月にデビューした「NICENICE MOMENT(ナイスナイス モーメント)」は、「家でも外でも心地よくきれいでいられる」をテーマにデザインされているブランド。季節に関係なく着られる素材を使用し、オールシーズンの着用が可能。
そのためセール消化を行う必要がなく、廃棄もしない仕組みになっています。また、安全な繊維の証である「OEKO-TEX STANDARD100」などの認証を取得している素材のみを使用。
8月にオープンしたルミネ新宿2の旗艦店では、ハンガーはバイオマス、ショッピングバッグはFSC認証の再生紙を使用するなど、「環境に優しい」「循環型」であることを大切にしています。
このブランドのもうひとつの特徴が、健康的な肌の露出バランスにこだわり、全体をクリーンな印象に仕上げていること。さらに写真のように肩が出たり細い肩ひものアイテムにはカップが内蔵されています。
実はこのカップをつくっているのは創業70年以上の老舗下着メーカーであるMIC。とくにモールドカップの優秀さは広く知られたメーカーで、その技術が存分に注ぎ込まれています。
ブラジャーを選ぶ手間が省けるだけでなく、ボディラインを美しく見せ、動いてもからだにフィットする快適性を備えています。
■3:動物愛護の観点からノンミュールジングウール素材に切り替えた「プリスティン」
オーガニックコットンを使用した数々のアイテムを展開する「PRISTINE(プリスティン)」。これまでもオーガニックコットンを通して、数々のサステナブルな取り組みを行ってきましたが、今秋からは、使用するウールをノンミュールジングウールの裏付けがあるものに移行すると発表しました。
ミュールジング(mulesing)とは、羊への蛆虫の寄生を防ぐため、子羊の臀部の皮膚や肉体の一部を切り取ること。羊の健康被害を予防する措置でもありますが、動物愛護の観点から近年問題視されています。
これに対し、ノンミュールジングは羊本来の自然のままのやさしい飼育方法で得られるウールのことを指します。
また、今までポリエステルに頼らざるを得なかったキルティングの中綿素材をノンミュールジングのウール素材に変更(ウール80%、ポリ乳酸20%)。ポリエステル素材と比べ生分解性に優れ、海にやさしいものに替えていく取り組みもスタートしています。
さらにファスナーも石油由来の素材ではなく金属素材を選ぶなど、一歩ずつ、ノープラスチックなモノづくりを進めています。
これから先の未来を考えてつくられた、サステナブルな服たち。まずはくつろいだ時間に着るルームウエアで取り入れてみませんか?
※掲載した商品はすべて税込み価格です。
問い合わせ先
- ノール ケアド E-MAIL:support@nordcadre.com
- ナイスナイス モーメント TEL:03-6432-9156
- プリスティン本店 TEL:03-3226-7110
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- TEXT :
- 川原好恵さん ランジェリーライター
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- WRITING :
- 川原好恵
- EDIT :
- 石原あや乃