さまざまな分野で自分の道を切り拓き、新たな時代のロールモデルとして活躍する女性たちに注目する連載企画。彼女たちがどんな道を歩み、どんな思いを抱いて、今をどう生きているのか…を中心にお話を伺います。

今回登場していただくのは、エシカルなジュエリーブランド「HASUNA」を立ち上げた、社会起業家の白木夏子さん。辿ってきたキャリアパスから今後の展望、コロナ禍で一般化したリモートワークについてを、全3回のシリーズでお届けします。

第3回の本記事では、「QOLが上がるリモートワークスタイルと、バッグの中身」を主題に、コロナ禍を契機に鎌倉へ転居した白木さんの在宅勤務の様子や愛用のツール、バッグの中身についても語っていただきました。

 
白木 夏子さん
HASUNA Co., Ltd. Founder & CEO
(しらき なつこ)1981年生まれ。南山大学短期大学部を経て英ロンドン大学キングスカレッジにて発展途上国の開発について学ぶ。投資ファンド事業会社に勤務した後、2009年にHASUNAを設立。人と社会と自然環境に配慮したエシカルジュエリーブランド事業を展開。日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2011」キャリアクリエイト部門受賞。2011年、世界経済フォーラム(ダボス会議)が選ぶ日本の若手リーダー30人に選出。著書に『世界と、いっしょに輝く エシカルジュエリーブランドHASUNAの仕事』(ナナロク社)、『自分のために生きる勇気』(ダイヤモンド社)など。Voicyチャンネル「経営&ブランドゆる話」にて音声配信中。HASUNAホームページ

コロナ禍で鎌倉に移住。ストレスが減り五感が活性化!

キャリア_1,インタビュー_1
ジュエリーブランドHASUNA Founder & CEO、ブランドプロデューサー・ディレクター白木夏子さん
──コロナ禍で働き方は変わりましたか。

「コロナの前までは、いつでも来られるように、店舗の近所に住んでいました。とはいえ、出社は週2〜3回で、元々在宅が多かったので、コロナでリモートワークが増えたということはありません。

しかし、コロナ禍を機に鎌倉へ引越ししたんです。通勤は電車で往復2〜3時間かかるのですが、それがかえってひとりで集中できる、貴重な時間に。

生活面では夜が早く、田舎の暮らしになりました。鎌倉はお店が早い時間にしまってしまい、夜7時には真っ暗に静まりかえってしまいます。都心にいた頃は11時過ぎても周りは明るく、ずっとオンのような気がしていました。

食事にも変化が。以前はスーパーが近所になく、鮮魚ひとつ購入するのも大変だったので料理が面倒になっていましたが、鎌倉では身近に新鮮なものが溢れており、しかも安い。嬉しくて、いっぱい料理しています。鎌倉の野菜は力強くて味が濃いんですよ。駅前に農業連合直売所があるんですが、そこで色彩豊かな野菜を購入し、蒸すなどの調理法で素材を活かした料理を作ります。

他には、散歩を楽しんでいます。季節の草花を愛でたり、虫を観察したり、都心とは違い、歩いているだけで五感が活性化するのがわかります。また、パステル画を描き始めました。

鎌倉に引越したことでQOL(クオリティ・オブ・ライフ)が上がったな、と実感しています」

愛用ツールはslack!ビジネスだけでなく夫婦間でも活用

キャリア_2,インタビュー_2
「チャットで来た質問には即答します」と白木さん
──リモートワークで愛用のツールや、効率化で工夫している点についてお聞かせください。

「社内ではチャットツールのLINE WORKSやslackを使っています。slackは、仕事のほかに夫婦間でも活用。トピックごとにスレッドを立ててそこに書き込んでいけるので、例えば『旅』とか、『泊まってみたいホテル』を立てて、メモみたいに使っています。

以前、『北海道に行きたい!』と訪れたい場所やお店を書き込んでいたのですが、最近、また行きたいね、と話が出て。そんな際にもすぐ情報が取り出せるのが便利です。

どのツールを使っていても、仕事の返事は基本、即答しています。ニュースやいろいろな人が入っているグループのお知らせはミュートにしていて、スマホは会社と、夫からのメッセージのみ通知をオンに。そうすることで優先順位をつけて、すぐに返信できるようにしています」

──ワークライフバランスはどのように分けていますか。

「息抜きは、料理、散歩、国内の温泉など旅行です。コロナ禍前は、娘を連れて海外にも長期で行きました。

子供を連れていくことで、子供向けグッズやオーガニックといったアイテムに目がいくことが多かったのですが、ヨーロッパはサステイナビリティに関するビジネスがとても進んでおり、当時とても感動しました。そのときに得たアイデアで、今、迷っている起業家にアドバイスしたりしています。

ドイツ・ニュルンベルグで開催されている『BIOFACH(ビオファ)』という世界で一番大きいオーガニック食品見本市にいった際は、娘とたくさん試食してしまいました(笑)

長女はZ世代なんですが、当たり前のようにプラスチックは反対という意識を持っており、プラスチック製ストローを使用しているお店に入ったときは、店を出た後に文句を言ったりします。小さなグレタさん(環境活動家のグレタ・トゥーンベリさん)ですね」

──愛用しているバッグとバッグの中身をご紹介ください。
キャリア_3,インタビュー_3
左から/エアーポッズ、ウォレットバッグ、リップ、スマホ、コスメブランド「MANARI」のパンフレット、ポーチ

「バッグは、アンドゥアメットの、エチオピアシープスキン製のもの。元々HASUNAにいた鮫島 弘子さんによるブランドです。エアーポッズでは、一日一個、英語のフレーズを教えてくれるVoicy(音声プラットフォーム)のチャンネルを聞いたり。実はさっき銀行に行ったんですけど、その待ち時間にくわばたりえさんのVoicyチャンネルを聞いていて、面白くて思わず吹き出してしまいました(笑)

ゴールドのウォレットバッグは、NAGAE+(ナガエプリュス)。日本の伝統の技と先端の技術を共存させた、デザイン性の高いメイドインジャパン製品です。パスポートやエアチケットも収納できるので、飛行機で化粧室に行く際も肌身離さず携帯し、安心&便利に使っています。

リップは鮮やか発色の、アクアのオーガニックスイーツリップ。コスメブランド「MANARI」は植物療法と東洋思想をベースにしたセルフケアブランドで、バームがおすすめです。リサ・ラーソンのポーチは実は雑誌の付録で、印鑑入れとして使っています」


以上、社会起業家・白木夏子さんのインタビュー第3回をお届けしました。

コロナ禍に鎌倉へ拠点を移し、新しいライフスタイルを満喫している白木さん。充実した生活によりますますパワーアップし「未来を創る日本の女性」として、そのフィールドは今後も広がっていきそうです。

関連記事

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
PHOTO :
黒石 あみ(小学館)
WRITING :
神田 朝子
EDIT :
谷 花生