セレブは冒険を求めている? このリゾートが数々の賞に輝くワケ

西のタヒチまで約4200キロ、東の本土チリまで約3700キロ。広大な太平洋にぽつりと浮かぶイースター島には、謎に包まれたモアイ像群と豊かな自然、独自の文化などがあり、一生に一度は訪れてみたい旅先です。

イースター島といえば、モアイ像。こちらは石切り場とされる「ラノ・ララク」
イースター島といえば、モアイ像。こちらは石切り場とされる「ラノ・ララク」

そんなイースター島の中でも異彩を放つラグジュアリーリゾートがこちら、「エクスプローラ・イン・ラパヌイ」。環境保護を第一義に、貴重な大自然の真ん中へ踏み込む体験を提供する、南米のラグジュアリーなホテルブランド「エクスプローラ」の一員です。

周囲の自然と一体化し、LEED認証を受けたエコな建物
周囲の自然と一体化し、LEED認証も受けているエコな建物

エクスプローラ・イン・ラパヌイはイースター島の中心部のハンガロアから約8キロ離れた、太平洋を遠くに望む平原に、約9.6平方キロメートルもの敷地を有しています。

 

Wi-Fiはメイン棟のみ、客室にテレビもありません。それでも、各国のセレブたちが訪れ、ホテル関連の受賞数は南米屈指を誇っています。

専門知識を身に着けた、先鋭のガイドが島内を案内
専門知識を身に付けた、先鋭のガイドが島内を案内

その理由は、冒険プログラム。動植物や文化、歴史、地勢など、知識豊富なスペシャリストがガイドを行い、雄大な自然の中へと自分のペースで踏み入り、お決まりの観光コースとは一線を画する、濃密な体験ができるのです。

 

それでいて、ステイ先はラグジュアリーかつコージーなホテルであり、上質な食も楽しめる。「ワイルドだけれど、ラグジュアリー」、そこがポイントです。

 

約4時間のハイキング。自分のペースで、イースター島を体感

リゾートに訪れてまず行うのが、滞在中のスケジュールを組むこと。ハイキングや自転車、スノーケリングなどが30種以上あり、それぞれに難易度、所要時間、移動距離、高低差などが記されています。

地図の上のガラスに直接書き込み、プログラムの内容を説明してくれます
地図の上のガラスに直接書き込み、プログラムの内容を説明してくれます
メイン棟のラウンジ。コーヒーや紅茶を片手に、プログラムのことを相談したり、WiFiでネットにつないだり
メイン棟のラウンジ。コーヒーや紅茶を片手に、プログラムのことを相談したり、メイン棟にしかないWiFiを利用したり

ガイドは地図の上にガラス版を置き、それに直接マジックでコースや見どころを書きながら、説明をしてくれます。やってみたい体験のリクエストに加え、「体力はある方?」「どのくらい歩けそう?」など、ゲストの体力面も考慮して、スケジュールは組まれます。

 

たとえば、鳥人儀式村近くのラノ・カウ山のカルデラ湖へは、「アフ・ビナプ」という海辺の遺跡からスタート。太平洋を一望する丘を登り、林を抜け、森を超え、約9キロを4時間かけてハイキング。

”絶海の孤島”だと感じる、荒々しい風景も
ハイキング中、”絶海の孤島”だと感じる、荒々しい風景も見かけます

ガイドはその間、島の自然や地理、動植物、慣習や文化など、多岐にわたって説明してくれます。話に興味津々といえども、さすがに息が上がり、視線も足元に落ちがちになってきた頃、忽然と深いブルーのカルデラ湖が出現。その美しさには、疲れも一気に吹き飛びます。

最終目的地のラノ・カウ山のカルデラ湖。車で行けばあっという間だけれど、あえて4時間のハイキング
最終目的地のラノ・カウ山のカルデラ湖。車で行けばあっという間だけれど、4時間のハイキングが感動を倍増させます

車で行けば数十分の距離を、あえて4時間のハイキング。観光スポットをダイジェスト的に回るのとでは、感激の度合いが違います。汗を流した分、身体を動かした分、島とシンクロした気分がするのです。

最終目的地で、フルーツとドリンクを用意して待っていてくれたドライバーさん
最終目的地で、フルーツとドリンクを用意して待っていてくれたドライバーさん

 

違った角度で見る観光名所。点と点がつながり、ストーリーが見えてくる

モアイが切り出された丘「ラノ・ララク」では一般的なルートに加え、スペシャルなスポットも加えてくれました。

 

ハイキングで崖のコーナーを曲がったところで、「ほら!」とガイドが遠くを指さしました。目を凝らして見ると、遥か遠くの海辺に一列に並ぶモアイ像が見えます。人気スポット「アフ・トンガリキ」の遠景です。

石切り場のラノ・ララクの丘から望む、人気のモアイスポット「アフ・トンガリキ」
石切り場のラノ・ララクの丘から望む、人気のモアイスポット、アフ・トンガリキ

周囲の平原や海岸線も含めたワイドな視野で見る、モアイ像の集合体は、島に溶け込んだ印象です。ラノ・ララクからアフ・トンガリキへ、人々がモアイ像を運び、一体ずつ並べていく光景が、頭の中で描かれます。

日の出に合わせてアフ・トンガリキへ。また違った印象です
日の出に合わせてアフ・トンガリキへ。日中とは、また違った印象です

 

冒険を終えてリゾートに戻ると、そこは心休まる場所

エクスプローラ・イン・ラパヌイのロッジは、平原にたたずむ一見、デザイナーズホテルのよう。

1日の冒険からエクスプローラ・イン・ラパヌイへ戻ると、ほっと我が家へ帰った気分
1日の冒険からエクスプローラ・イン・ラパヌイへ戻ると、我が家のようなホッとした気分に

円形をいくつも重ねた、目を引くデザインは、18世紀にイースター島で行われた鳥人儀式において、勇者たちの宿泊所だった岩屋がモチーフになっています。

 

ちなみに環境性能評価システム“LEED(リード)”の認証も得ている、エコな建物です。

プールやジャクジー、ユニークな茅葺のサウナ施設も
プールやジャクジー、ユニークな茅葺のサウナ施設も

メイン棟は円形を活かして、パノラミックに周囲の景色とつながるデザイン。ラウンジやレストラン、バーなどが集まっています。

ディナー後、おしゃべりしに立ち寄ったバー
ディナー後、おしゃべりしに立ち寄ったバー

ラウンジの一画には冒険前にポケットにしのばせておきたいシリアルバーやナッツ類などを集めた場所や、メイン棟の外にはエコボトルへの給水所なども用意されています。

体力勝負のプログラムも。シリアルバーやナッツを自由に持っていけるコーナー
シリアルバーやリンゴを自由に持っていけるコーナー。プログラム出発前に立ち寄って、補給

ゲストルームとスイートの30室はすべてオーシャンビュー(やや遠目に、ですが)。広さは32平方メートル以上。エネルギー効率を考慮した換気システムが取り入れられ、使いやすさも上々です。

スイートタイプのベッドルーム。窓からは平原の先に太平洋を望みます
スイートタイプのベッドルーム。窓からは平原の先に太平洋を望みます
テレビやインターネット環境はないけれども、バスタブはあります
テレビやインターネット環境はないけれど、バスタブはあります

 

オールインクルーシブ制。絶海の孤島であることを忘れさせる、おいしい食事

エクスプローラの考える“ラグジュアリー”において、大切なファクターが食。朝食はビュッフェ+オーダーする卵料理、ランチとディナーはコースになっています。

1日3回の食事が楽しみに。オールインクルーシブなので、予算を気にせず過ごせます
1日3回の食事が楽しみに。オールインクルーシブなので、予算を気にせず過ごせます

マグロのティラディート(セビーチェ)や、マンゴーのチャツネとタロイモのマッシュポテトを添えたラム肉のテンダーロインなど、地元の食材を使い、巧みな技術で、洗練された一皿に仕上げています。

ワインリストにはチリ各地の銘柄が揃っていて、料理に合わせてオススメの一杯を
ワインリストにはチリ各地の銘柄が揃っていてます

太平洋の孤島ゆえ、食に期待をしていなかった分、このクオリティの高さには驚きです。

レストランのテーブルからはキッチンの様子がうかがえます
レストランのテーブルからはキッチンの様子がうかがえます

くつろぎの空間と上質な食、そして冒険心に火をつける体験。次世代のラグジュアリーとは、こういうことなのでしょう。

※新型コロナウイルスによる状況下では一部情報が変更となる可能性があります。ホテル公式HPなどでご確認ください。また、渡航情報は外務省海外安全ホームページをご参照ください。

 

問い合わせ先

TEL+56-2-23952800(予約)

料金/ヴァルアルームUS$926(3泊の場合の1泊料金、オールインクルーシブ制)

住所/Te Miro Oone S/N, Hanga Roa, Chile

 

 

 

 

 

 

この記事の執筆者
ダイビング雑誌の編集者を経てフリーに。海外旅行専門誌でもビーチを担当。月に1~2回、海外を中心に国内外のビーチリゾートへ通うこと、かれこれ四半世紀以上になる。女性誌の旅記事、ライフスタイル誌の連載、ウェブの連載ほか、共著に『奇跡のリゾート 星のや竹富島』など。世界のビーチガイド「World Beach Guide(http://www.world-beach-guide.com ) 」主催 好きなもの:海でボーッとすること、ボディボード、ダイビング、ビーチパーティー、Jazztronik、H ZETTRIO、渋谷Room
公式サイト:古関千恵子ホームぺージ
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