有名女優からも絶大な信頼を得るスタイリストの犬走 比佐乃さんが、自身の経験値から大人の女性に必要なファッションの選び方を教えていただく連載。第20回目は、犬走さんがつい集めてしまうという「グローブ」コレクションを公開いただきます! 驚くべき所有数とスタイルのラインナップ、その活用法とは?
さまざまな色やスタイルがラインナップ!スタイリスト犬走 比佐乃さんがグローブコレクションを初公開
犬走さんは、冬になると、ついグローブを集めてしまうと言います。洋服に合わせてスタイリングしやすい大好きなブルー系を中心に、色や素材、スタイルもさまざま。
長年長年集めてきたと言うコレクションをずらっと並べてみると、すっきりとエレガントなフォルムのグローブが目立ちます。これは、仕事で女優さんをスタイリングする機会の多い犬走さんならではの理由があるとか。
「女優さんを寒さから守るグローブは、冬のロケに必須です。でも防寒だけが目的の味気ないデザインだと、気持ちが高まりませんよね。寒い中、少しでも気分よくすごしてもらうため小物といえども、グローブは手を抜けない部分です」(犬走さん)
スエードはシミになりやすいため、レザーを選ぶことが多いそう。手を動かしやすいことも必須のため、できるだけ薄く、しなやかなレザーであることも重要です。表地だけでなく、快適な着用感のため裏地もチェックしたうえで購入します。
「直接肌に触れる部分なので、カシミヤなどの肌触りのいい素材を選びます。カシミヤなら保温性も抜群です」(犬走さん)
デザインだけでなく素材にまでこだわってこそ、本物の上質が手に入る。小物といえども、グローブにまで犬走さんらしい審美眼が光っています。
色や素材、スタイルや機能性など…全てにこだわった、犬走さんのグローブコレクションとは?
それでは、大量のグローブをどのように使っているのか!? 今回は、数あるコレクションの中から、スタイリング方法やスタイリストさんならではの気遣いなど、活用法を特別にお聞きしました。
■1:撮影でも活躍するのは、やっぱり洗練ネイビー!
ラインナップで特に存在を放っているのが、犬走さんが「大好きな色のひとつ」だというネイビーのグローブ。
手持ちのものとあまり変わらない、微妙な色味の違いでも手に取ってしまうネイビーのグローブは、好きな色という他にこんな理由もあります。
「白系の色は黄ばみが目立つし、真っ黒は夜に落とすと見失うから(笑)という実用的な理由もありますが、私は黒いコートを持っていないんですね。グレーやベージュなどの明るい色のコートが多いので、ネイビーのグローブでコーディネートを引き締める意味合いもあります」(犬走さん)
凛としたネイビーのグローブでキリッとした手元を演出すれば、冬のコーディネートがさらに洗練されます。
■2:トラッドな柄のグローブをコーディネートのアクセントに
色が沈みがちな冬のコーディネートは、前述のようにグローブをポイントにするのも犬走さんのテクニック。こちらのトラッドなチェック柄なら、大人の女性のスタイリングにも主張しすぎず、フィットします。
手の甲側はチェック柄のウール、手のひら側はブラウンのレザーでどことなくマニッシュな雰囲気が漂うところも、犬走さんのスタイリングに通ずるところがあります。
「ベーシックカラーで主張しすぎないので、ちょっとしたスタイリングのスパイスとして重宝しています。柄ものが苦手な方でもグローブからなら、取り入れやすいのではないでしょうか」(犬走さん)
■3:ファー付きグローブやファーのアームバンドで、スタイリングをリッチに!
ファーが付いたグローブもまた、犬走さんのスタイリングをクラスアップさせるアイテムとして活躍させています。
ボリュームのあるファーが付いたレザーのグローブは、見た目がゴージャスなうえレザーがしなやかではめ心地もよく、一番撮影での出番が多いそう。
「上品なグレージュはコーディネートしやすく、ふわふわのファーもずっと触っていたくなります。お仕事シーンで総ファーのコートはトゥーマッチですが、グローブのファーくらいであればONスタイルにもマッチします」(犬走さん)
お気に入りのファー付きグローブが見つからないなら、ファーのアームバンドもおすすめです。
お手持ちのグローブに装着するだけで、ラグジュアリーに昇華する優れものです。
「シンプルなレザーのグローブも、ファーのアームバンドをつけるだけで一気に華やかになりますね。コートやニットの袖につけても素敵なので、コーディネートが物足りない時にも便利です」(犬走さん)
人気スタイリストの犬走比佐乃さんから、大人の女性に必要なファッションの選び方を教えていただく連載。第20回目は、犬走さんのグローブコレクションをご紹介しました。
グローブをただの防寒具と捉えず、スタイリングをアップデートさせるアクセサリーとして抜擢するテクニックは、ぜひ見習いたところ。洗練されたグローブを活用して、指先まで隙のない冬のコーディネートを実践してみてください。
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- PHOTO :
- 黒石あみ(小学館)
- STYLIST :
- 犬走比佐乃
- WRITING :
- 津島千佳
- EDIT :
- 石原あや乃