激動の時代に選ばれる価値のある真のラグジュアリーウォッチとは何か?時計業界の2021年を総括!
2021年に発売されたラグジュアリーウォッチから珠玉の逸品を選出する『Precious WATCH AWARD』が、『Precious』1月号にて発表されました。4年目を迎えた今回は、「MEN'S Precious WATCH AWARD」も合同開催。
独自の審美眼をもつ5人の審査員が、あらゆる観点で熟考&吟味を重ね、変化の時代に男たちが選ぶべき時計を決定しました。
数多くの時計が世に送られた2021年。時代の流れが大きく転換するなかで、我々が時計を見る目は変わったのか。今年、審査員の心を揺さぶったノミネート作、受賞作を通じて、ラグジュアリーウォッチの価値について考察します。
「MEN'S Precious WATCH AWARD 2021」審査員
「語れる時計、トーキング・ピースに注目です」並木浩一
時計を取り巻く環境がここ数年でがらりと変わるなかで、2021年も非常に多様な時計が登場した。だからこそどのポイントに着目するかで、時計の見え方は変わってくる。
その点で特に気になるのは、行動が制限されるなかで、ユーザーたちが、時計店に実際に足を運ぶ機会が少なくなったことで生まれた、時計選びのあるいは時計づくりの新基準について並木氏は指摘する。
「今まで、重んじられていた触覚、つまり、触って感じる時計選びの機会が減った今、ブランドのアプローチは、触覚を離れ、視覚的なつくり込みを高めていると思います。それは、多くの時計に見られた外装表現の向上、あるいはカラーダイヤルに見られる色彩の多様化などが挙げられる。一方で、SNSでの訴求が増えていくと、より『語れる時計』として、一本のストーリーをいかにつくり込むかという点も注目されていくでしょう」
ダイヤモンドウォッチやハイコンプリケーションなど、ビジュアルとしても目を引くものが増えている点とこの指摘は重なってくる。
「普遍性と新鮮味、このバランスが重要です」平山祐介
一方で、平山氏が感じたのは、普遍性と新鮮味のバランスだ。
「心に残るのは奇をてらったデザインや仕掛けではなく、見た目に落ち着きのある普遍的なもの。昔から気になっていたモデルが、少しディテールを変化させたり、変わらぬ世界観をもちながら進化を遂げていたり。そういう時計は、技術が高まった今、安心感をもって見ることができますね」
例えば、本アワードで取り上げる名品ウォッチは、誕生から変わらぬ姿を守っていることで、非常に高い人気を保っている点が当てはまるだろう。また、一般に名作と呼ばれるフォーマットの時計も、日々進化を遂げている点にはチョー氏も同意する。時計界が普遍的な名作を育てながら、新たな道を模索していることの表れとも見ることができる。
「『オーデマ ピゲ』や『A.ランゲ&ゾーネ』は、トラディショナルな佇まいでありながら非常にエクスペリメンタルな挑戦をしている点に好感がもてます」
「どこでつけるのか。これを考えるのが現代的です」守屋美穂
また、デイリーウォッチやラグジュアリースポーツウォッチについては、次の守屋のコメントに通じるものがあるだろう。
「時計というものをどこでつけるのかな、ということをよく考えます。あまり外に出なくなった今、家でつけることも大いにアリだと感じるわけです。だからこそ、着用時に快適だと感じられる軽い時計などは、ユーザーにも求められるかもしれません。また、アクセサリーと一緒に楽しむ時計というのも、着用シーンが広がっていいですよね」
結局のところ、時計は愛でるだけのものではなく、着用して人生を豊かにするもの。その先のイメージをいかにもてるかというのは、ラグジュアリーなライフスタイルを考えるうえでも、忘れてはいけないポイントだろう。
「過度に集中する人気の埒外に素敵な時計がいっぱい!」関口 優
最後に、関口氏のコメントが時計の楽しさを広げるヒントになりそうだ。
「今、一部のブランドやモデルが、入手困難で、転売されるなどの異常な状況が起きているのも事実。ですが、そうしたある意味一面的な価値観で時計を見るのではなく、視野を広く保てば、過度に集中したもの以外のオープンスペースには、実におもしろい時計が揃っているなと感じることができます。今こそ自分の価値観を信じて、心から楽しめる時計を選べたらと願っています」
時計を選ぶ楽しみは、自分でその価値を創造することにある。本アワードが、その一助になれたら幸いといえるだろう。
※2021年「Precious Watch Award」「MEN'S Precious WATCH AWARD」受賞ウォッチはこちら!さらに、今年一番輝いた時を過ごした「時の人」も選出!詳しくはこちら
※掲載した商品は、すべて税込み価格です。
※文中の表記は、YG=イエローゴールド、WG=ホワイトゴールド、PG=ピンクゴールド、RG=ローズゴールド、PT=プラチナ、SS=ステンレススティール、TI=チタンを表します。
問い合わせ先
- ヴァシュロン・コンスタンタン TEL:0120-63-1755
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- PHOTO :
- 生田昌士(hanna/人物)、戸田嘉昭・池田 敦(パイルドライバー/静物)
- STYLIST :
- 菊池陽之介(人物)、関口真実(静物)
- HAIR MAKE :
- 竹井 温(&'s management)
- EDIT&WRITING :
- 安部 毅、安村 徹(MEN'S Precious)