「衣配」ってなんと読む?「いはい」?「ころもくばり」?…どちらも違いますよ!
昨日12月15日より、郵送による年賀状の受付が開始されましたね。昨今は年賀状もデジタル化が進んでおりますが、葉書の温かみはやはり良いものです。暮(くれ=年末)の季語にも「賀状書く」という表現がございます。単なる「賀状」ですと新年の季語になりますが、「賀状書く」は暮の季語です。日本語表現は繊細で奥深いですね。
本日は「賀状書く」と同じく、『暮の季語』とされている日本語の、読み仮名クイズをお送りします。
【問題1】「衣配」ってなんと読む?
「衣配」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「年末に、正月用の衣服を、親しい人や目下の者に配り与えること。」という意味の言葉です。
<使用例>
「我が家は毎年、下着だけは必ず、衣配があるのよね。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 衣配(きぬくばり) です。
昔は、お正月には晴れ着を新調したり、新品の衣服に袖を通す習わしがありました。『源氏物語』では、光源氏が年末に、懇意の女性たちそれぞれに晴れ着を配るシーンが出て参ります。
昨今では資源保護の観点から、むやみに新品の衣服を増やさない…という方もいらっしゃいますが、例文のように、「新年に下着を新調する」というお話は、しばしば耳にしますね。
さて、2問目に参りましょう。
【問題2】「年籠」ってなんと読む?
「年籠」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:もともと「大晦日の夜、社寺にこもって新年を迎えること。」という意味の言葉で、現在では「大晦日と新年をまたぐ寺社参詣。」の意味でも使われます。
<使用例>
「感染状況が落ち着いていたら、家族で年籠する習慣を復活させたいわ。」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。
正解は… 年籠(としごもり) です。
昔は、大晦日に家長が氏神様のまつられた神社に泊まり込み、新年の幸を祈願する風習があったそう。これがもともとの「年籠(としごもり)」で、のちに「大晦日と新年をまたぐ寺社参詣」という意味あいで使用されるようになりました。
季語には、日本人の古くからのいとなみが垣間見えるものも多く、興味深いですね。
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さて、郵送による年賀状ですが、新年1月1日配送分に関しては、今月の25日までの投函が推奨されております。
ご準備中の方はお留め置きくださいね。
本日は、『暮(くれ)の季語』となっている日本語の中から、
・衣配(きぬくばり)
・年籠(としごもり)
など、日本文化の歴史が垣間見える日本語をピックアップし、読み方をおさらいしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:郵便局ウェブサイト/『きごさい歳時記』(NPO法人季語と歳時記の会)/『精選版日本国語大辞典』(株式会社小学館)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱