「襟」と「衿」…どちらも服の「えり」を表す漢字、ナニが違うの?

明日・1月15日は、『半襟の日』という記念日です。

2000(平成12)年の法改正で、祝日に関する「ハッピーマンデー制度」が導入された後、『成人の日』は「1月の第2月曜日」に移行しましたが、長い間1月15日であったため、「この日を和装に関連の深い記念日に」との思いで『半襟の日』が制定されました。新年最初の月でもある1月に「襟を正す」という意味合いもあるそうです。

ちなみに「半襟(はんえり)」とは、和装の際に、下着である襦袢(じゅばん)の襟元にかけて縫い付ける布のことです。色柄の取り換え可能な「つけかえ襟」のような部分を指します。

「半襟」を使用することで、同じ着物でも襟元の印象を変えるお洒落を楽しめたり、簡単にはお洗濯しにくい和服の汚れやすい部分のみお手入れしやすくなる・・・などのメリットがあります。

本日は、「えり」に関連する日本語クイズをお送りします。

【問題1】「襟刳」ってなんと読む?

「襟刳」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「衣服の、首回りに従ってくりあけた襟回りの線。ネックライン。」という意味の言葉です。

<使用例>

「この服、シルエットが綺麗で気に入ってる反面、襟刳がちょっときついのよ…。」

読み仮名4文字です。
読み仮名4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!
正解は↓に!!

正解は… 襟刳(えりぐり) です。

正解できましたか?
正解できましたか?

「襟刳(えりぐり)」…ファッションについて語る時によく口にする言葉ですね。

「刳」の字は「刳りぬく(くりぬく)」という表記に使用する漢字です。

洋服でも「襟刳(えりぐり)」の色形で大きく印象が変わりますよね?和装の「半襟」も、同じように大切な装いのポイントなのです。

「襟刳(えりぐり)」は、同じく「えり」を表す字「衿(えり)」を使用し「衿刳(えりぐり)」とも表記します。

さて、2問目に参りましょう。

【問題2】「襟」と「衿」の違いは?

衣服の「えり」を意味する「襟(えり)」と「衿(えり)」の違いは何でしょう?以下の選択肢の中から、正しいものを選んで下さい。

1:もとは同じ字の旧字と新字

2:和服と洋服

3:デザインの形

「襟」と「衿」、何が違うの?
「襟」と「衿」、何が違うの?

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出て参ります。

正解は↓に!!

正解は… 2:和服と洋服 です。

「襟」は洋服のえり、「衿」は和服のえりを表現する字になります。

もともとは使い分けられていましたが、現在、「衿」は常用漢字ではないため、公的な場では総合的に「襟」の字が採用されています。そこで記念日名も『半襟の日』となったようです。

和装の専門分野では今でも「衿」が使用され「半衿」と表記されている事が多いです。

公的な場では常用漢字を優先して使用するのが一般的ですが、こと、日本古来の和装に関わることなので、
あえて本来の意味を優先した字を使用するケースも多いようです。

なぜ二つの表記があるのか、大人の女性の知識としておさえておきましょう。

***

本日は、1月15日『半襟の日』にちなんで、

・襟刳(えりぐり)

・襟(えり)

・衿(えり)

など、「えり」に関連する日本語についておさらいいたしました。

 

この記事の執筆者
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Precious.jp編集部 
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参考資料:一般社団法人日本記念日協会ウェブサイト/渋谷ファッション&アート専門学校ウェブサイト/『精選版日本国語大辞典』(株式会社小学館)
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ILLUSTRATION :
小出 真朱