日々忙しく過ごす大人の女性にとって絶好の癒しの場といえる温泉。日常から解放された空間で、極上の湯にゆったり浸かり、心身共にリフレッシュするのは最高の贅沢です。

ただ、旅行情報誌や予約サイトを見ると、温泉宿の数が多すぎて、なかなか行き先の候補が絞り込めずに悩んでいる人も多いのでは?

そこで、全国2,500以上のスポットを巡った経験のある、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんから、本当に疲労回復効果を実感できた温泉宿5軒をピックアップしてもらいました。

本記事でお届けするのは、長野県下諏訪にある「毒沢(どくざわ)鉱泉 神乃湯(かみのゆ)」です。ただ体を温めるだけでなく、温冷交互浴によって心身の調子を整えることのできる秘湯の魅力をご紹介します。

 
植竹深雪さん
温泉ジャーナリスト
(うえたけ みゆき)全国各地の2500スポット以上を巡っている温泉愛好家。フリーアナウンサー、温泉ジャーナリストとして、テレビ番組をはじめ、さまざまなメディアで活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。
公式サイト

“ととのう”感覚を温泉で!疲労回復に効果的な「温冷交互浴」とは?

「毒沢鉱泉 神乃湯」は、信州下諏訪の山里にある一軒宿。毒沢鉱泉は、戦国武将・武田信玄の隠し湯として傷病兵の治癒に用いられており、“毒沢”という地名は、信玄が外敵を遠ざけるためにわざと命名したとの説もあります。

そんな「毒沢鉱泉 神乃湯」は、現代人が疲労を回復するにもぴったり。その秘訣は、温冷交互浴にあると植竹さんは話します。

「温冷交互浴とは温泉と冷泉に交互に浸かる入浴法。神乃湯には、源泉温度の低い浴槽と加温された浴槽がセットになっており、温冷交互浴で心身を整えることが可能です」(植竹さん)

右の大きいほうが加温の浴槽、左の小さいほうが源泉の浴槽
右の大きいほうが加温の浴槽、左の小さいほうが源泉の浴槽

「温冷交互浴の具体的な方法ですが、まずは加温の浴槽に浸かり、じんわり体が温まってきたのを感じたら、源泉の浴槽に入ります。公式ホームページによれば、こちらの源泉温度は2度とのことですが、私が実際に源泉浴槽に浸かりながら計測した際には17度でした。17度でも十分低温ですが、先に加温の浴槽でしっかり体を温めておけば冬でも大丈夫です。

源泉の浴槽でクールダウンしたら、再び加温の浴槽へ。このように、温→冷→温…と交互に浸かって最後は加温の浴槽で締めましょう。このひんやりとポカポカの行き来は慣れるとやみつきに。私はクセになりました。体の芯から温まり、サウナのような“ととのう”感覚が得られます」(植竹さん)

浴室の外のテラスにはムササビハウスがある
浴室の外のテラスにはムササビハウスがある
運がよければムササビと会えるかも…
運がよければムササビと会えるかも…

植竹さんによれば、温冷交互浴は、自律神経の働きを活発にして生理機能を高めることにもつながると医学的にも証明された入浴方法であるとのこと。

「温かいお湯と冷たい水に交互に入浴することで血管の拡張・収縮が繰り返されてポンプ作用が向上し、血流が促進されます。血行がよくなると疲れの原因となる乳酸や体にたまった老廃物が効率よく除去され、疲労回復効果が得られるのです」(植竹さん)

昭和のはじめ頃には薬として販売されたこともある源泉
昭和のはじめ頃には薬として販売されたこともある源泉

ちなみに、「毒沢鉱泉 神乃湯」では、飲泉も可能。鉄分の補給ができ、胃腸の調子を整える作用があるとのことです。レモンのような酸味があり、味の好みは分かれるようですが、鉱泉の効能を体の内側に直接とりいれたい人はトライしてみてはいかがでしょうか?

ご利益あり?自然豊かなパワースポットで心身を浄化

温冷交互浴ができるだけでなく、「毒沢鉱泉 神乃湯」はパワースポット的な側面も。霊山守屋山、諏訪大社上社、下社を直線で結ぶ場所に位置し、館内に多くの神々を祀る神乃湯では、神秘的な雰囲気を堪能できるのも魅力のひとつです。

獅子がお出迎えしてくれる趣ある玄関
獅子がお出迎えしてくれる趣ある玄関
ゆったりくつろげる客室
ゆったりくつろげる客室

また料理は、山菜・キノコ・川魚など山ならではの素材を中心にしたもので滋味豊か。日頃の食生活が乱れがちな人にとって、からだが喜ぶメニューになっています。

「お食事はヘルシーメニューで素材のよさが上手に引き出されており、優しい味わいが印象に残りました。諏訪、信州だからか朝の味噌汁もとてもおいしかったです。出汁も丁寧にとっているというのが伝わる味でした」(植竹さん)

予約時の注文で白米を玄米に変更することも可能
予約時の注文で白米を玄米に変更することも可能

以上、疲労回復効果が実感できる温泉として、「毒沢鉱泉 神乃湯」をご紹介しました。信濃の自然に囲まれながら、極上の湯に浸かってリラックス。心身を浄化したい人は、ぜひ次の旅の行き先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。

問い合わせ先

WRITING :
中田綾美
EDIT :
谷 花生