「やるからには、高級鮨店の聖地・銀座で勝負しようと決めていました」と語る、新井祐一さんの修業先は、かの有名な二大名店『銀座久兵衛』で仕事の基本を学び、『すし匠』でコミュニケーションのいろはを習得されました。
美しい所作でテンポよく出される握り、人懐っこい笑顔で場を和ませるホスピタリティは、まさに両店の「いいところどり」。
「握りの花形はやっぱりマグロ。これがうまくなくてはいい鮨店とはいえない」と、ネタの状態によってフレッシュ、ねかせるなど、仕事やシャリの合わせ酢を変えるほどのマグロ好きです。
富山産コシヒカリを使い、粒はピンと、中はふっくらとした「逆アルデンテ」食感で炊き上げたシャリは、「鮨を食べたという満足感を味わってほしい」と大ぶり。また、ネタが書かれた木札や氷室など、昔懐かしい昭和の鮨店を思わせるしつらえも、新井さんのこだわりです。
「師匠から学んだ技術は踏襲しつつも、これからの店の味をつくるのは僕自身。一生食べ続けても飽きない鮨を、安定して出し続けるのが今の目標です」
写真のマグロは、キメが細かく身が柔らかな100kg前後のものを自ら吟味。シャリは米酢ベース。ネタ選び、仕事、シャリ、空間と徹底した美意識がうかがえます。
新井祐一さんに、こんなことも聞いてみました
問い合わせ先
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銀座 鮨あらい TEL:03-6264-5855
住所/東京都中央区銀座8-10-2 ルアンビルB1
営業時間/11:30~13:30(L.O.)、17:00~22:00(L.O.)
定休日/水曜、不定休 ※要予約
おまかせ/昼 ¥8,000~、夜 ¥23,000~(つまみ8品、握り12貫が目安)、グラスワイン(白) ¥1,500~
カウンター7席、個室1室(4名より受付、個室料 ¥10,000) -
※この情報は2016年5月7日時点のものになります。詳細はお問い合わせください。
- TEXT :
- 田中美保さん 編集者
- BY :
- 『Precious6月号』小学館、2016年
- クレジット :
- 撮影/篠原宏明 取材/森中奈央(TRYOUT) 文/田中美保