各施設が独創的なテーマで圧倒的非日常を提供する「星のや」のひとつで、東京・大手町にある日本旅館「星のや東京」。高層ビルが建ち並ぶビジネス街にありながら、木や竹などの自然素材をふんだんに使用した施設内に一歩足を踏み入れれば、落ち着いた和の雰囲気を感じられます。

2022年4月15日(金)よりスタートした「『Nipponキュイジーヌ ~発酵~』アフタヌーンティー」は、発酵食品と旬の食材をフレンチの技法で調理した料理を味わえます。宿泊者を対象とした1日に1組(2名)限定の本アフタヌーンティーをライターが実食し、詳細をお伝えします。

星のや東京の「『Nipponキュイジーヌ ~発酵~』アフタヌーンティー」実食レポ

■1:個性豊かな4種の押し寿司「スパークリング日本酒×点心」

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「『Nipponキュイジーヌ ~発酵~』アフタヌーンティー」¥12,000(税・サービス料込)※宿泊料別

法隆寺の玉虫厨子(たまむしのずし)をイメージして作られたオリジナルのお重で提供される本アフタヌーンティー。中段の引き出し部分にある「点心」、上段の「主菓子」、下段の「干菓子」の3つで構成され、そのすべてに発酵食品が使われています。

通常のアフタヌーンティーはスイーツやセイボリーを好きなタイミングで味わえますが、「『Nipponキュイジーヌ ~発酵~』アフタヌーンティー」は茶の湯の正式な茶会「茶事」になぞらえ、コース料理のように食べる順番が決まっています。

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口いっぱいに魚介の旨みが広がる「エビとブイヤベースライス(カピ)」

まずは、スパークリング日本酒とのペアリングを楽しめる「点心」から。「マグロとサフランライス(醤油麹醤)」「穴子と里芋のテリーヌ(熟成酒粕)」「春野菜と昆布ジュレのテリーヌ(煎り酒)」「エビとブイヤベースライス(カピ)」の押し寿司4種類です。

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イクラの上の小さな花がかわいい「春野菜と昆布ジュレのテリーヌ(煎り酒)」

「春野菜と昆布ジュレのテリーヌ」は、キャベツと空芯大根を使用し、さっぱりとした味わい。押し寿司はすべて小ぶりのため、程よくお腹を満たすことができます。

飲み物は、スパークリング日本酒に赤紫蘇のシロップを合わせたもの。シロップと日本酒は、季節ごとに変化します。アルコールNGの方は、予約時に伝えるとノンアルコールに変更可能ですよ。

■2:猿田彦珈琲によるオリジナルブレンドを使用した「コーヒー(濃茶)×主菓子」

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左から/「餡子ミルフィーユ(発酵あずき)」「苺のルリジューズ(発酵バター)」「江戸味噌マカロン(江戸味噌)」「マンゴーとピスタチオのフレジェ(レ・リボ)」「湘南ゴールドのピュイダムール(発酵生姜シロップ)」

続いては、コーヒーと一緒にいただける「主菓子」。「湘南ゴールドのピュイダムール」は、口の中でゼリーが弾けると、中からさわやかな湘南ゴールドのクリームが飛び出します。「餡子ミルフィーユ」は、まろやかな麹の甘みを感じられる「発酵あずき」を重ねたもの。どのアイテムも甘さ控えめなのがうれしいです。

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大豆パウダーを施した「江戸味噌マカロン」

こちらはバタークリームと江戸味噌を挟んだ「江戸味噌マカロン」。江戸味噌の風味と塩キャラメルのような味が絶妙で、後を引くおいしさです。

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猿田彦珈琲による中深煎りのブレンドコーヒー。口につけたときに香りを楽しめるように広口のカップが使われています

生豆を発酵させる手法「アナエロビック」を用いたコーヒー。フィルターを使用せずフレンチプレスで淹れることで、豆そのもののよさを感じられます。

一口飲むと、幾層にも重なったような香りの豊かさに驚かされます。フルーティーでありスモーキーでもある香りを「シナモンのよう」と評する人もいるのだとか。主菓子と一緒に味わうことで、さらなる深い風味を楽しめます。

■3:フルーツや木から作られたお茶などさまざまな風味を堪能できる「薪木晩茶(薄茶)×干菓子」

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左から/「ヨモギのオペラ(発酵茶)」「さくらんぼムース(さくらんぼリキュール)」「黒文字茶ショコラサンド(チョコレート)」「和柑橘のタルトシトロン(発酵レモン)」「金柑とチョコレートのムース(柚子酵素シロップ)」

ほのかな苦味を感じられるヨモギと乳製品の組み合わせが絶妙な「ヨモギのオペラ」や木のチップを乾燥させて作られた黒文字茶を生チョコで煮出した深みのある「黒文字茶ショコラサンド」など、バラエティ豊かな干菓子。「さくらんぼムース」は、本物のさくらんぼを食べたような「プチッ」とした食感も楽しめます。

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「アマゾンカカオの落雁」

締めにいただくのは、「アマゾンカカオの落雁」。さりげない清涼感と和三盆の上品な甘み、優しい口溶けを堪能できる、ラストにふさわしい一品です。その日の気候によって材料の配合を変える、提供時間を逆算して作るなど、しっとりとした舌触りにするための工夫がされているそうです。

星のや東京の「Nipponキュイジーヌ ~発酵~」アフタヌーンティー
「薪木晩茶」

お茶の木を薪火でじっくり焙煎して作られた「薪木晩茶」は、香ばしくすっきりとした味わい。2煎目、3煎目と飲み進めてもお茶の風味が薄れないのが特徴です。

本アフタヌーンティーは、利用日の3日前までに公式サイトにて予約が必要です。

自然素材に囲まれた空間で過ごすひとときも魅力

畳敷きの星のや東京は、エントランスで靴を脱いで上がります。美しい竹細工の靴箱や季節の植物が目に入り、屋外の喧騒から一気に非日常へ。

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エントランス。大きなヒバを使用した扉が、日常と非日常の境目のよう

最上階には、温泉も完備。地下1500mから湧き出た「大手町温泉」に入浴できます。内風呂と露天風呂が洞窟のような通路でつながっており、温泉に浸かったまま移動できます。

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ウォークインクローゼットもある広々した「客室 菊」。ファミリーで利用する人もいるそうです

客室フロアには各階に共有スペース「お茶の間ラウンジ」もあり、お茶を飲みながらくつろいだり、宿泊客との交流も楽しめます。ワーケーションやリフレッシュなど、さまざまな用途で利用できそうです。


自然素材に囲まれた落ち着いた空間で、茶事の流れを体験しながらおいしい料理とスイーツをいただける「『Nipponキュイジーヌ ~発酵~』アフタヌーンティー」。新たな都心の過ごし方として、利用するのもよさそうですね。

※食材や提供内容は変更となる可能性があります。
※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。

問い合わせ先

  • 星のや東京 
  • 「『Nipponキュイジーヌ ~発酵~』アフタヌーンティー」
  • 場所/2F ロビー「畳の間」
  • 提供期間/通年 ※宿泊者のみ・1日1組(2名)限定、利用日3日前までの要予約
  • 提供時間/15:00〜16:00
  • TEL:0570-073-066(9:30〜18:00)
  • 住所/東京都千代田区大手町1-9-1

 

この記事の執筆者
フリーランスのライター。企業の採用サイトやパンフレット、女性向けの転職サイト、親向けの性教育サイトなどで取材記事を執筆。好きなもの:中村一義、津村記久子、小川洋子、マンガ、古いもの、靴下など
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