日本各地で育まれてきた高度なものづくりの技術と、若き匠たちの美意識や情熱が結びついた「新時代のジャパンラグジュアリー」を体現する逸品を、ギフトという形で提案しているスタイリストの河井真奈さん。

今回ご紹介いただくのは、日本有数のお茶の産地である静岡県で、茶葉の栽培・育成から加工・商品化まで幅広く手掛ける老舗茶商「丸七製茶」が満を持して世に送り出したボトル入りの冷茶「CRAFT BREW TEA」です。

追求したのは、ペットボトルのお茶とは全く異なる次元の美味しさ。“最上級の茶葉をベストな状態で淹れた”格別の一杯を、だれでも手軽に味わうことができるボトリングティーについて、河井さんに教えていただきます。

河井真奈さん
スタイリスト
(かわい まな)女性誌、CM、ドラマのスタイリング、トークショー、商品開発アドバイザーなど幅広く活躍。2016年、ギフトに特化したWEBサイト「futo」をローンチし、2019年6月には初の実店舗を南青山にオープン。著書に『絶対 美人アイテム100』(文藝春秋)、『服を整理すれば、部屋の8割は片付く』(立東舎)。https://futo.jp/

「お茶とワインはよく似ている」その気づきが開発の原点に

「明治40年(1907年)創業と、100年以上の歴史を誇る『丸七製茶』。1988年に静岡県で初めて抹茶を製造し、近年では“世界一濃い”抹茶のジェラートやチョコレートを展開するブランド『ななや』が多くのメディアで取り上げられるなど、お茶のあるライフスタイルをさまざまな形で提案しています」

「丸七製茶」ののれん
「丸七製茶」の暖簾

「今回ご紹介する『CRAFT BREW TEA』や『ななや』を立ち上げた代表取締役の鈴木成彦さんは、もともとは家業を継ぐ気はなく別の仕事に就いていました。しかしながら、1990年代頃から“イタ飯”ブームが起こるなど外食が盛んになった結果、日本茶の消費量は年々低下。苦しくなった経営を立て直すべく、鈴木さんは自分なりに日本茶について勉強することに。

そのなかで『お茶とワインはとても近しい』と感じたそう。たとえば、ワインと同じく日本茶にも、畑の土壌や地理、気候を表す“テロワール”の要素があり、品種も多く、味わいや香りに繊細な違いがある…など、類似点は多岐にわたります。

それなのに、お茶にはワインを『ビロードのような喉ごし』といったように表現力豊かに語ったり、料理とのペアリングを楽しむ文化がない。さらにはペットボトルのお茶が普及することで、日本茶が身近になっているようでいて、上質な茶葉を丁寧に急須で淹れて日本茶本来の奥深さを味わうという機会は減る一方。

実はペットボトルに使用される茶葉はコスト競争が激しく、それだけで茶農家が潤うものではないのだそう。栽培農家の高齢化も進み、後継者も少ないという危機的状況を何とか打破したい。鈴木さんは、日本茶の素晴らしさを伝え、市場を拡大するための一手として、“ワインのようにボトリングしたハイグレードなお茶”をつくろうと考えました」

ワイングラスで飲むためにつくられた「CRAFT BREW TEA」
ワイングラスで飲むためにつくられた「CRAFT BREW TEA」

すべての条件を満たし、究極の美味しさを詰め込む独自ノウハウ

「蓋を開けてグラスに注ぐだけで、だれでも最高級のお茶を飲めるボトリングティー。その構想を実現するまでには、20年以上の歳月がかかりました。

というのも、日本茶は淹れる水の温度、浸出時間、茶葉の量だけでなく、水の水質や沸かし方、淹れる道具の素材や注ぎ方などのちょっとした要領の違いや工夫により、旨みや香りが変化し、さらに茶葉の収穫時期や鮮度、品種ごとの多様な個性まで上質な茶葉になるほど、淹れ手によりその表現されたものが大きく変わるものだからです」

「CRAFT BREW TEA STUDIO」の外観
「CRAFT BREW TEA STUDIO」の外観。製造によって排出される茶殻の残渣は環境に配慮し、抽出後の茶葉をCO2排出に留意した天日乾燥したのちにすべて畑に戻して有効活用。廃棄物を生み出さないように運営されています。

「ベストなものをつくり上げるために、日本に36名しかいない日本茶鑑定士の資格をもつ鈴木さん自ら全国を回って茶葉を選定することはもちろん、茶葉ごとに最適な条件を満たして抽出するための工房『CRAFT BREW TEA STUDIO』を設立。完全オリジナルの製法・工程により、世界中の人が魅力的な日本茶を同じ味で手軽に何度も繰り返し楽しめる環境を整えたのです」

一流の料理人たちがラブコールを送る、食事と楽しむためのお茶

「ワインと同じように、『CRAFT BREW TEA』は料理と合わせることで相乗効果を楽しめるようつくられています。ボトリングティーに最適な高級茶葉を、ペットボトルのお茶で使用する3~5倍も惜しげなく使い、濃厚な味わいに仕上がっているのが特徴です。

ごく一部の飲食店でのみ扱われている『CRAFT BREW TEA』。洋食はもちろん和食であっても、日本茶を食後ではなく料理のペアリングドリンクとしてメニューに載せているお店はなかったことでしょう。まさに新機軸として、昨年のデビュー以来大いに注目されています。

採用しているのは、ミシュランガイドに8年連続で掲載された麻布十番の『天冨良 よこ田』をはじめとする和食の名店だけでなく、イタリアン、フレンチなども。多くの一流店が使いたいと名乗りをあげ、その数は日に日に増えていっているようなので、広く市販されるのはまだまだ先になるのかもしれません。

私のお店では、そんな『CRAFT BREW TEA』をいち早く個人で購入できることに! ラインナップは8種類。どれも見事に味わいが異なり、先日行った試飲会の席でも多くの人が驚きの声を上げていました」

futoで扱っている「CRAFT BREW TEA」のラインナップ
futoで扱っている「CRAFT BREW TEA」のラインナップ。オンラインではセット販売のみのものも、店頭では単品での購入が可能。

「私が最初に鈴木さんからご紹介いただいて思わず感動したのが、<摩利支>。仏教の守護神である“摩利支天”から名付けられた超希少品種茶です。

1996年に品種登録されたものの、育成者の死去により生産が途絶え、現在では地元の有志によりわずかな量だけ静岡県の藁科川上流横峰地区で育てられている“幻のお茶”。渋みや苦みはまったくなく、まるでお出汁のような強いうまみを感じます。少々値は張りますが、とっておきの贈りものにおすすめです。

深蒸し茶の名産地として知られる掛川市の東部、栗ヶ岳の裾野に広がる東山地区のお茶を使用した<HIGASHIYAMA>は、お店の一番人気。渋みと甘みのバランスがいい“THE 日本茶”といった感じの味わいです。

<KAWANE>は南アルプスの麓の川根の里で作られた希少品種、『静7132』を使用。茶葉以外何も加えていないのにふわりと広がる華やかな桜の香りと、爽やかな余韻を閉じ込めています。

高級茶の代名詞でもあり、日本茶のうちわずか0.3%しか作られていない玉露。そのなかでも宇治産の極レア品種『ごこう』だけを使用した<玉露 GOKO>は、芳醇な香りとまろやかなうまみが、これぞ日本が世界に誇る玉露の魅力! と実感します。

最近流行ってきている和紅茶もラインナップのひとつに。化学農薬、化学肥料を使用せず、自然に近い農法で丁寧に育てたオーガニック栽培の茶葉から作られた<WAKOCHA 和紅茶>は、奥ゆかしい果実香を放つ上品な仕上がりです。

日本茶の新しい楽しみ方として広がりつつある、シングルオリジン(単一の農園で、単一の品種)の茶葉のなかでも、希少性の高い春摘みの茶葉だけを使用した<Etude>シリーズからは、人気ベスト3を販売。

静岡県・牧之原産茶葉のほうじ茶<やぶきた>、宮崎県・串間産茶葉の煎茶<きらり31>、静岡県・富士大淵産茶葉の煎茶<香駿>の各品種がもつ特徴ごとに湯の温度をコンマ単位で設定、低温抽出だけでは得られないトップの香りを引き出し、個性を際立たせてボトリングしています。

より詳しい特徴や、鈴木さんに伺った料理とのペアリングのポイントなどをfutoのサイトで紹介していますので、こちらもぜひ参考にしてみてくださいね!」

限られた飲食店でしか出合えない味わいを、いち早くお届け!

■1:「幻のお茶”摩利支”」桐箱入り

<摩利支>720ml ¥6,480
<摩利支>720ml ¥6,480

■2:「Shizuoka Refined Tea」2本セットBOX入り

<HIGASHIYAMA>&<KAWANE> 各720ml ¥5,076
<HIGASHIYAMA>&<KAWANE> 各720ml ¥5,076

■3:「Premium Slim Bottle」2本セットBOX入り

<玉露 GOKO>&<WAKOCHA 和紅茶>各500ml ¥6,318 ※<玉露 GOKO>は1本BOX入り¥4,536でも販売
<玉露 GOKO>&<WAKOCHA 和紅茶>各500ml ¥6,318 ※<玉露 GOKO>は1本BOX入り¥4,536でも販売

■4:<Etude>3本セットBOX入り

<やぶきた>&<きらり31>&<香駿>各500ml ¥3,726
<やぶきた>&<きらり31>&<香駿>各500ml ¥3,726

詳しくはこちらから


今回は、老舗茶商「丸七製茶」がこだわりのオリジナル製法でつくり上げたボトリングティー「CRAFT BREW TEA」をご紹介しました。

早くも本格的な夏が到来した季節のギフトとしてはもちろん、例年以上に厳しい暑さを乗り切るための自分へのご褒美にもおすすめしたい、スペシャルな冷茶です。

※掲載商品の価格はすべて税込みで、記事公開時のものです。

問い合わせ先

Gift Concierge futo

TEL:03-3462-2036

EDIT&WRITING :
谷 花生