会議や打ち合わせ、プレゼンの場などで多用される「コンセプト」という単語、しっかり意味を把握して正しく使用できていますか? 「商品コンセプト」や「コンセプトショップ」など、よく目にもしますね。なじみのある「コンセプト」について、例文を紹介しながら正しく有効に使えるように解説します。

【目次】

「コンセプトショップ」はどんなショップ?
「コンセプトショップ」はどんなショップ?

【「コンセプト」の「基礎知識」】

■私たちが使っている「コンセプト」の意味

商品やサービスなどを企画立案する際に、全体を貫く「基本的な考え方」や「企画の骨組み」を、「コンセプト」という単語で表します。もともとは哲学用語で「概念」を表す名詞。芸術や芸能方面では「作品を通して表現したい考えや意図」を「コンセプト」といいます。

■「英語」では使い方が変わる?

あまりにも耳慣れたカタカナビジネス用語の「コンセプト」ですが、英語の[concept]は「概念」「思想」「発想」を意味します。英語での意味を保ちつつ、日本のビジネスシーンで多様に活用されている言葉なのです。


【ビジネスシーンで使われるときの意味と注意点】

ビジネスにおいては、「既成のものにはない新しい考え方」や「特別な価値」を示す「コンセプト」が常に求められているといってもいいでしょう。ビジネスシーンでの「コンセプト」の意味について、もう少し詳しく解説します。

■注意!「概念」との「違い」

日本語の「概念」は、世の中に広く認知された考え方のこと。英語では「コンセプト[concept]」を「概念」とも訳すわけですが、日本のビジネスシーンにおける「コンセプト」は「概念」とは少々異なります。それは、「世の中に認知されるための考え方や骨組み」が、私たちが仕事の現場で使う「コンセプト」だからです。

■注意!「テーマ」との「違い」 

「主題」という意味をもつ英語の「テーマ[theme]」。「テーマ=主題」と「コンセプト=基本的な考え方」はよく似ていますが、例えば、目的である「免疫力アップ」が「テーマ」、「免疫力アップのために手軽に続けられる手段や方法」が「コンセプト」です。

■「〇〇コンセプト」「コンセプト〇〇」とは

「コンセプト」は単体で使用するだけでなく、さまざまな造語としても用いられます。いくつか例を挙げてみましょう。

・商品コンセプト:その商品がどのようなものなのか、誰に向けたものなのか、消費者のメリットは何かなどを言語化したもの。

・事業コンセプト:ビジネスのアイデアや構想をまとめたもので、事業計画を立てる際の必須項目。

・コンセプトショップ:独自のテーマやブランド哲学などを軸に、商品展開やディスプレイ、店舗デザインなどに取り組んだ、メッセージ性の強いショップ。既存の商品に対し、新しい価値観やイベント色を強く打ち出した、実験的な店舗を指すことも。

・コンセプトアート:「conceptual art」の和製英語。“アート作品”という目に見えるものの提示によって、着想や概念を伝えようとする考え。


【ビジネスシーンで使い勝手のよい「例文」集】

■「貴殿の企画に大変興味をもっております。コンセプトについて詳しくおうかがいできますでしょうか」

■「今秋発売となります、既存にはないコンセプトの新商品につきましてご説明申し上げます」

■「こちらの商品は、当ブランドのコンセプトショップでの限定発売となります」

■「本日はコンセプトモデルをご用意しておりますので、どうぞお手に取ってご覧ください」

■「新規ビジネスには、コンセプト、デザイン、ソリューションが欠かせない」

■「企画書はコンセプトを明確化することが大切だ」


【似た意味をもつ「言い換え」表現】

プレゼンでの発言や企画書は、とかくカタカナビジネス用語や和製英語などを使いがち。わかったようなわからないような用語も多いものです。相手に瞬時に正しく理解してもらうことが大切なビジネスシーンでは、視覚的・聴覚的にピンとくる「日本語のビジネス用語」を織り交ぜて解説することも必要だといえるでしょう。

「コンセプト」は、下記のワードで置き換えるとより具体的にイメージすることができます。

■基本概念  ■基本発想  ■基本思想

また、共通理解や完成度を高めるために試しにつくったものは、「試作モデル(コンセプトモデル)」や「試作車(コンセプトカー)」などに言い換えることができます。

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なじみのある「コンセプト」という単語ですが、ビジネス時での正しい使い方や注意点をしっかり覚えておきたいもの。カタカナビジネス用語は「知っているつもり」ということも多いので、この連載で毎日ひとつずつチェックしていきましょう!

この記事の執筆者
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