旅先にも持って行きたい、つげ製の高級耳かき

職人たちが伝統と技を受け継ぎ、さまざまな名品を生み出し続けている京都の老舗。職人の技とセンスが凝縮された道具や小物、器は、現代のライフスタイルにもなじみます。そんな、京都の神髄が感じられる「ほんまもん」の名品を、「京都通」の推薦コメントとともにお届け。ブックディレクターとして活躍する幅 允孝さんが推薦するのは、金竹堂の「耳かき」です。

金竹堂の「耳かき」

耳かき【約9.5cm ※職人による手作業のため長さにばらつきあり】¥1,000(税込)
耳かき【約9.5cm ※職人による手作業のため長さにばらつきあり】¥1,000(税込)

八坂神社にほど近い、四条通り沿いに店を構える「金竹堂」。江戸時代末期から、祇園の舞妓さん、芸妓さんの髪飾りやかんざしを扱ってきた専門店です。戦後、くしや髪留めなど、髪にまつわるものを広く扱うようになったといいます。一歩店内に入ると、3畳の京間にずらりと並べられた商品に釘づけに。べっ甲や蒔絵、銀細工など、店主が信頼する職人に注文してつくらせたアイテムは、どれも美しく繊細なつくり。なかでも異彩を放つのは、約10cm弱の小さな耳かきです。

この耳かきを推薦する幅さんは、「耳かきには昔からこだわりがあって、太さや素材など、いろいろ試しているなかで出合ったのがこちら。適度な硬さが使いやすく、耳の中の当たりのよさも心地いいのはつげ製ならでは。小ぶりなので出張の際も気軽に持って行けて、本当に便利です」 と、その唯一無二の魅力を語ります。

つげのなかでも最高級品といわれる「薩摩つげ」を使用。使うほどになじむ当たりのよさは、外国人にもファンが多いのだとか。お土産としてもひそかな人気を呼んでいます。

適度な硬さと耳当たりのよさを実現した、金竹堂の「耳かき」。日常的に使うものこそ、伝統の技術と最高級の素材を惜しみなく。そんなさりげないこだわりが感じられる、京都ならではの奥ゆかしい逸品です。

問い合わせ先

PHOTO :
戸田嘉昭・小池紀行(パイルドライバー)
EDIT&WRITING :
田中美保(スタッフ・オン)・中村絵里子(Precious)
RECONSTRUCT :
難波寛彦