「あの人はレスが早い(あるいは「遅い」)」「レスをつけた(あるいは「返した」)」のように、略して使われることも多い「レスポンス」という言葉。特にSNSやメールでの反応に対して使われることが多いようです。今回はビジネスシーンにおける「レスポンス」の意味や使い方を解説します。

【目次】

「クイック・レスポンス」な人ほど重宝されますね。
「クイック・レスポンス」は、仕事がデキる人として評価されるポイントにも。

【「レスポンス」って簡単に説明するとどういうこと?】

■「意味」は? 

意味は【応答。反応。対応。返事】など。要するに「お返事」のことですね。

■「ビジネス用語」として使われるときの意味

メールなどへの「返信」「反応」の意味で主に使われていますが、ここから派生して「その後の対応」や「対応の質」までを含むケースもあるようです。

「即レス(ただちに返事を返すこと)や「レス不要(返信不要)」などの略語は、同僚か後輩、もしくはかなり親しい間柄での使用に限定したほうが賢明ですね。

■「英語」での使い方は変わる?

「レスポンス」の由来は英語の[response] 。英語圏でも「レスポンス」と同じように【応答や返答】【反応】という意味で使われています。

キリスト教の礼拝で、聖歌隊や会衆が司式者と応答する形で交互に唱和する祈祷または讃詠のことも、[response]と呼ばれます。

コンピューターシステムに処理要求をした時点から、その処理が行われて結果の出力が開始されるまでの時間を[response time]と言います。

ビジネス用語として使われる「レスポンス」は、対応の内容までを含む場合がありますが、英語にはそこまでのニュアンスはありません。略語の「レス」は日本独自のインターネットスラング。もちろん英語としては通じません。

■レスポンスが「早い」「速い」どちらを使う?

「レスポンスが早い」が正解です。

■「コールアンドレスポンス」って?

ライブなどではおなじみの「掛け合い」を指して、「コールアンドレスポンス」といいます。メインボーカルとコーラスの歌詞が呼応している形式の楽曲も「コールアンドレスポンス」と呼ばれます。


【別の言葉にするなら…「言い換え」「類語」表現】

「レスポンス」には類語がいくつかあります。

■アンサー  ■反応  ■返事  ■リアクション

ちなみに「レスポンス」の対義語は「クエスチョン」や「コール」など。「レスポンス」が「返事」や「反応」ですから、「呼びかけ」や「問いかけ」を意味する言葉となります。


【ビジネスでの一般的な「使い方」がわかる「例文」6選】

■1〈返信の有無やその早さを表す〉「彼女との業務は、レスポンスが早いおかげでストレスがない」

■2〈IT用語で情報の処理・応答時間を指す〉「スマートフォンのレスポンスが悪いと仕事の効率化にも影響する」

■3〈反応のスピード、質までを含める〉「彼女のレスポンスは、迅速かつ適切だった」

■4〈反応後の対応、質までを含める〉「レスポンスがいいのは、仕事がデキる人の条件だ」

■5〈反応や反響を示す〉「ユーザーからのレスポンスがないということは、このプロジェクトは失敗だったと言わざるをえない」

■6〈車関係ではエンジンやブレーキの操作に対する反応を表す〉「この車はブレーキのレスポンスが悪いので、運転には注意が必要だ」

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ビジネスにおいては、業務に正確さが求められるのは当然ですが、同時にスピード感も評価の基準。「レスポンス」が早い人は、「仕事のデキる人」と評価されることが多いものです。企業が顧客の注文に応じて素早く反応する「クイック・レスポンス」は、経営手法のひとつとして知られています。プライベートも含め、自分のレスポンスが遅れることで、「誰かに迷惑がかかっていないか」「相手を不安にさせていないか」など、常に頭に留めて対応できるといいですね。

この記事の執筆者
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