「コンフィデンシャル」の意味をご存知ですか? 「英単語の[confidence]は『信用』『信頼』『自信』という意味だから、『信頼できる』では?」と思ったあなた、半分正解です! 今回は「コンフィデンシャル」について、ビジネスシーンで使われる例文と共に解説します。
【目次】
【そもそも「コンフィデンシャル」ってどういう意味?】
■「コンフィデンシャル」を簡単にいうと、「秘密」ってこと!
「コンフィデンシャル」の由来となる英語の[confidence]は、「信用」「信頼」「自信」といった意味ですが、実は「秘密」や「秘密ごとを話せる間柄」という意味もあります。「コンフィデンシャル[confidential]」にも「信頼の置ける」という意味はありますが、主に「秘密の」「極秘の」「機密の」という意味で使われることが多い言葉です。
■ビジネスシーンで使われるときの意味
「コンフィデンシャル」は、重要な書類やデータ、もしくは会話の内容など、「機密事項」に関して使われます。
「この書類はコンフィデンシャルで」と言われたら、「機密扱いの書類」ということです。ただし、「機密」にも種類があります。社外に持ち出してはいけない「社外秘」、社内において特定の関係者や部署だけで共有する「社内秘」、国の重要機密である「国家機密」、あるいは「2人だけの秘密」なのか…内密にする範囲をその都度、確認することが必要です。
文書や手紙について「コンフィデンシャル」といったら、「親展」の意味です。宛名以外の人が封筒を開けることはルール違反ですよ。
【「コンフィデンシャル」の「類語」表現】
■シークレット ■機密の ■他言無用の
シークレット[secret]は、「秘密の」「内緒の」「ひそかな」など、「コンフィデンシャル」とほぼ同じ意味をもつ単語ですが、多少の意味の違いがあります。前述の通り、「コンフィデンス」には「信頼の置ける」という意味もあります。つまり、単なる「秘密」は「シークレット」、「信頼の置ける相手だけに打ち明ける“内密にしたいこと”」が「コンフィデンシャル」なのです。
『カタカナ語 すぐに役立つ辞典』によれば、機密度の高い順に以下のようになります。
(1)トップシークレット[top secret]=機密
(2)シークレット[secret]=極秘
(3)コンフィデンシャル[confidential]=マル秘
ただし、ビジネス用語としては「シークレット」は日常語のイメージが強いので、社内や企業間など、オフィシャルな場やフォーマルな場面では「コンフィデンシャル」が使われます。
【ビジネスでの「使い方」がわかる「例文」3選】
■1:「こちらの情報は部内限定のコンフィデンシャルでお願いします」
■2:「コンフィデンシャルとのことですが、営業の○○さんはいかがいたしましょう」
■3:「先方の了承が得られるまで、コンフィデンシャルにしておきましょう」
【知っておきたい「コンフィデンシャル」の「関連用語」】
■「コンフィデンスマン」とは
ドラマや映画のタイトルとして、この言葉を知った人も多いのでは。「コンフィデンスマン」はご存知、「詐欺師」のことです。「コンフィデンス」には「信頼」「信用」という意味があるため、「信頼関係を利用してお金をだまし取る人」から「詐欺師」という意味になったわけです。
ちなみに[confidence trick(game)]は詐欺のことです。
■「コンフィデンシャルマーク」とは
契約書、プレゼン資料、開発資料など、ビジネスで扱われる機密書類の一番最初のページの右上に、「confidential」のスタンプ、もしくはサインを見たことがあるのでは? 誰もが一目で「コンフィデンシャル」であることがわかるよう記されたこのスタンプを、「コンフィデンシャルマーク」といいます。「コンフィデンシャルマーク」には、「社内秘」「社外秘」「マル秘」などのスタンプも含まれます。
「君、わかってるよね、この件はコンフィデンシャルで頼むよ」。状況次第では、パワハラ?とも取れるようなセリフです。ごくカジュアルな状況やプライベートな関係で「コンフィデンシャル」が使われることはほとんどありません。この単語が出てきたら要注意。緊張感をもって臨みましょう。
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- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館)/『デジタル大辞泉』(小学館) /『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)/『イミダス』(集英社)/『すっきりわかる! 超訳「カタカナ語」事典』(PHP)/『これ1冊であとはいらない! 大人の語彙力大全』(中経の文庫)/『カタカナ語 すぐ役に立つ辞典』(夢文庫) :