冬の味覚の王様といえば「蟹」。の蟹の身や濃厚な蟹味噌に舌鼓を打ち、そのあとは温泉でゆるりと心身を癒す…。そんな極上の旅時間を過ごすには、何と言っても宿選びが肝となります。
そこで、温泉ジャーナリストの植竹深雪さんから、蟹尽くし料理が絶品の湯宿をピックアップしてもらいました。今回ご紹介するのは、日本三景・天橋立の老舗旅館「文珠荘 松露亭(もんじゅそう・しょうろてい)」です。
公式サイト
味噌フォンデュも絶品!天橋立湖畔の一軒宿で松葉蟹を味わい尽くす
日本三景・天橋立の目の前、文殊堂岬にひっそりと佇む「文珠荘 松露亭」。景色に溶け込むような木造総平屋数奇屋造りの一軒宿。そんな大人の隠れ宿では、丹後の四季折々の食材を生かした料理も高い支持を得ていますが、なかでも食通を唸らせるのが冬の味覚・松葉蟹を味わい尽くせるコースです。
「老舗の風格ただよう松露亭は、その日水揚げされた蟹のなかでも特に状態のよいものを優先的に仕入れるルートがあるのでしょう。食事の前にその日の調理に用いる特大サイズの活松葉蟹を見せてもらえるのですが、地物でタグ付きの松葉蟹は、身がぎっしり詰まって鮮度抜群です」(植竹さん)
「お造り、蒸し、茹で、焼き、天ぷら、しゃぶしゃぶ、雑炊などお好みの調理方法をリクエストできるコースが人気ですが、とりわけ宿オリジナルの蟹の味噌フォンデュが絶品。蟹味噌の風味がアクセントのクリーミーなフォンデュは温野菜と相性がよく、そこに茹で蟹をしゃぶしゃぶすれば、頬が落ちるおいしさでした。そして、蟹の素材のよさもさることながら、出汁が繊細で上品だったり、見せ方が美しかったりするのは、さすが京の名宿だと感服させられます」(植竹さん)
“神々の遊湯”と讃えられる名湯で心身の疲れを癒す
天橋立は言わずと知れた観光スポットですが、温泉地としての側面も。「文珠荘 松露亭」では、“神々の遊湯”と讃えられる名湯を満喫できます。浴槽に高野槇とウッドタイル、壁に栗の木を使用した内湯は木の温もりが感じられますし、他方、石造りの露天風呂は自然との一体感もあり情緒満点です。
「泉質は、塩化物泉。成分の濃いパワフルな湯で、皮膚に温泉成分の塩分が付着し、それがヴェールのように肌を包み込んで体がポカポカに。また、保湿効果も期待できて肌のしっとり感もありました。ちなみに、私が訪れた当時(コロナ禍以前)は湯上り処に冷水器があり、さらに料理長特製の冷やし飴と紅芋酢のサービスが。京都らしいおもてなしに何だかほっこりしたのが印象に残っています」(植竹さん)
※2022年10月現在、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、湯上り処では麦茶のみ提供しています。今後の状況に応じてサービスを再開する予定です。
眺望も抜群!数寄屋造りの部屋で大人の寛ぎ時間を満喫
京の名工の手による総数寄屋造りの客室でゆったり寛げるのも「文珠荘 松露亭」の魅力のひとつ。客室にはさまざまなタイプがありますが、なかでも数多くの文人墨客に愛されてきたといわれるのが特別室の「雲井」。作家の藤本義一氏も何度も宿泊したというこのお部屋は、庭先に広がる阿蘇海と海の向こうに連なる天橋立を一望できるという絶好のロケーションです。
また、2022年3月には半露天風呂付きの特別室「天の浮橋」も新設。日本庭園を望む和空間にベッドルームやリビングルームも備えた部屋で、極上の寛ぎ時間を提供してくれます。
以上、「文珠荘 松露亭」をご紹介しました。天橋立の目の前のある一軒宿にて蟹の味噌フォンデュに舌鼓。そんな特別な休日を過ごしたい人は、次の旅先候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?
※外出時には新型コロナウィルスの感染対策を十分に講じ、最新情報は公式HPなどでご確認ください。
問い合わせ先
- 文珠荘 松露亭
- 住所/京都府宮津市天橋立文殊堂岬
- 客室数/全10室 ※現在改装工事中。2023年2月末、全6室にリニューアルの予定。
- 料金(税込)/活松葉蟹プラン1名 ¥104,500円~、かに味噌フォンデュと特選和牛料理プラン1名 ¥49,500円~
- TEL:0772-22-2151
- WRITING :
- 中田綾美
- EDIT :
- 谷 花生