今夜から始めたい、幸福に満たされる「贅沢なバスタイム」
PCやスマホなど情報ツールが手放せない現代こそ、心静かに自分に向き合う時間が大切。ひとりでゆっくり過ごすバスタイムは、健やかな心身のために欠かせない習慣です。体が温まれば気分も体調もエナジーアップして、明日が楽しみな自分になれるはず。だから、もっと賢く、豊かに、自由に…「贅沢なバスタイム」を楽しみませんか?
歴史に名を残す女性も愛した美容習慣—なぜ、美しい女性はお風呂に入るのか?
2020年以来、ライフスタイルが大きく変化。自宅で多くの時間を過ごすうちにシャワー派の人がお風呂にゆっくり入るようになったという声を耳にします。体が温まれば代謝が上がって、自律神経が整い、免疫力がアップ、肌の調子もよくなって…と、たくさんの “いいこと” を改めて実感したのではないでしょうか。
実は入浴は、世界三大美女も愛した習慣。クレオパトラは、ヤギのミルクやはちみつ、ワインなどを入浴剤として使い分け、タラソテラピーまで実践。39歳で亡くなるときの肌年齢が15歳だったという説も(!)。また、楊貴妃は、歴代の皇帝御用達の温泉宮を自分専用の入浴美容施設、「華清宮」に大胆リフォーム。小野小町は湯治に足しげく出かけていたとか。
スケールは桁違いですが、いつの時代も女性にとって入浴が欠かせない習慣であることは確か。そして現代では、美容だけでなく心のケアや体質改善、更年期の不調にも効果があることが実証されています。だからこそ、心地よく、豊かで、楽しい過ごし方を考えました。真に「贅沢なバスタイム」とは、自分を大切にすることなのですから…。
健康と美容効果に差がつきます—知っておきたい入浴の基本の「き」
正しい知識がないまま “なんとなく” お湯に浸かっているだけだと入浴効果が半減、ときにはかえって体に負担をかけてしまうことも。そこで、大人の女性の心と体に視点をおいたメリットと充実したバスタイムを過ごすための基本をご紹介します。
自律神経の乱れやメンタル症状にも効くから…更年期こそ入浴は大切です
更年期には女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減少し、卵巣機能低下による体の不調、それに付随する自律神経の乱れとメンタル症状…さまざまな不調が現れます。下の症状にあるのは、ごく一部。デリケートな悩みでもあるので人に相談しにくい場合もあります。
【更年期の主な症状は…】
●不眠や不安感、イライラ
●女性としての自信喪失
●肌の乾燥
●体温調節の不調
●やる気喪失、無気力
●関節痛、首肩腰の痛み
●疲れやすい、疲れがとれにくい
入浴が有効といわれているのは、温熱効果による深いリラックス感をはじめ、香りの癒し効果や保湿、デトックス、リフレッシュ、痛みの緩和、免疫力の向上などが、心と体に作用してくれるから。贅沢なバスタイムが今日より明日を快適に導くきっかけにもなるのです。
食前や就寝前、入るタイミングが入浴効果を高めます
入浴の主な効果は自律神経の乱れを整えること。胃や腸が働いて消化もよくなるので食前の入浴がおすすめです。また、眠る2時間前に入浴すると一時的に上昇した皮膚温度と深部体温が徐々に元の体温に戻り、その後深部体温が下がってやがて自然に深い眠りに誘われます。最近、寝つきが悪いなと思ったらお試しを。
カサカサ肌にも関係あり体を洗うのはお湯に入ってからが鉄則
冬になると加速する肌の乾燥。もしかしたら体を洗うタイミングが関係している!? 湯船に入る前に石鹸で洗ってしまうと肌の潤いを保つ保湿因子がお湯に流れ出し、かさつきの原因に。体が温まってから洗うのが正解です。ちなみに洗髪は温浴後、体を洗う前に。シャンプー剤を背中などに残さないためのポイントです。
せき込みや誤嚥防止にも!バスタイムは呼吸筋を鍛える絶好の機会
仕事や人との関わりの多い日中は、気づかないうちに呼吸が浅くなりがちです。リラックスして過ごす入浴時に深い呼吸を意識すると、更年期に乱れがちな自律神経を整える効果が高まります。しかもゆっくりと肺をふくらませたり縮めたりすることで呼吸筋が鍛えられ、せき込みや誤嚥を防止できるメリットも。
4秒で鼻からゆっくり息を吸い、8秒かけて口から息を吐き出す呼吸法を、今日のバスタイムから実践しましょう。
湯温×浸かる時間でさまざまな入浴効果を得られます
温熱効果は、お湯の温度によって違いがあり、38~40度のぬる湯は副交感神経を優位にしてリラックス効果を高めます。一方、42度以上のあつ湯は交感神経を刺激して、新陳代謝が活発に。入浴時間は、ゆっくり体を温めるぬる湯なら長め、あつ湯なら短く、が目安です。下の温度を参考に湯温と浸かる時間を調整して。
【温度と浸かる時間の目安は…】
●超ぬる湯/38~39度
20分以上の半身浴、出たり入ったりする30分の全身浴
●ぬる湯/38~40度
10~20分の全身浴
●普通/39~41度
15分程度の全身浴
●あつ湯/41~42度
5分程度の全身浴、または足浴
体の隅々まで温めたり、肌を癒やしたり…入浴剤は目的で使い分けて
入浴剤にはさまざまな種類がありますが、入れることでお湯の感触(あたり)が柔らかくなることが特徴です。例えば、そのままでは熱くて入れないと感じる温度でも入浴剤を投入すると心地よく感じることも。
上の写真のようにテクスチャーもさまざまで、成分によって効果効能が異なるから選ぶ楽しみがあるのも心惹かれる点。香りやタッチも含めて、お気に入りをいくつか揃えておくとバスタイムがより充実したひとときに。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
問い合わせ先
- 華密恋 TEL:0120-57-8320
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- PHOTO :
- 戸田嘉昭(パイルドライバー)/ Getty Images
- STYLIST :
- 三好 彩
- EDIT&WRITING :
- 岡本治子、五十嵐享子(Precious)
- 参考文献 :
- 医者が教える 小林式 お風呂健康法(小林弘幸 著/ダイヤモンド社)