雑誌『Precious』では「My Action for SDGs 続ける未来のために、私がしていること」と題して、持続可能なよりよい世界を目指す人たちの活動に注目し、連載しています。
今回は、一般社団法人「Earth Company」代表理事 濱川 明日香さんの活動をご紹介します。
アジア太平洋地域の社会課題に挑み未来を変える「ヒーロー」を支援
濱川さんは’15年、「インパクト・ヒーロー支援」という人材支援事業を行うため、NGO「アース・カンパニー」を立ち上げた。「インパクト・ヒーロー」とは、「SDGsに取り組み、未来を大きく変えることができる傑出したチェンジメーカー」のことで、アジア太平洋地域から年にひとりを選出。3年間にわたって資金援助をはじめマーケティングサポート、コンサルティング、リーダーシップコーチングなど、それぞれの事業をとことん支援していく。初代インパクト・ヒーローは、東ティモールのベラ・ガルヨスという女性。数百年にわたる植民地化や内戦によって荒廃しきった祖国を再生すべく、未来を担う子供たちに環境教育(※)を行う学校を設立した。
「ベラとはハワイ大学大学院在学中に知り合いました。東ティモールの独立運動に人生を捧げてきた 彼女の壮絶な過去と不屈の精神を知って、私は『この人が将来、支援を必要とするときには絶対に助ける』と心に決めたんです。6年後、彼女から学校設立の構想を聞いて、『その時が来た』と」
以来、インドネシアで貧しい母子に無償医療を提供する助産師や、ミャンマーの民主化と民族融和のために尽力するロヒンギャの女性人権活動家ら6名を支援。人材支援事業は非営利のため「やればやるほどお金が減っていく」と笑う。
現在は、家族で移住したバリ島を拠点に、日本の企業・教育機関向けの人材研修事業と、’19年開業のエシカルホテル「マナ・アースリー・パラダイス」事業も行う。
「SDGsの先に、どういう未来をつくりたいのか。私たちは『地球を救うことができる最後の世代』として、誰もが行動を起こさなければならないと思っています」
【SDGsの現場から】
●リーダーから直接学べる人材育成事業も
●バリ島を拠点に多様な社会課題にアプローチ
※環境教育とは…環境問題に対し、自主的、積極的に環境保全活動に取り組むための教育。日本でも各省が「21世紀環境教育プラン」を作成している。
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- PHOTO :
- Dodik Cahyendra
- EDIT&WRITING :
- 正木 爽(HATSU)、喜多容子(Precious)
- 取材・文 :
- 剣持亜弥(HATSU)